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親の老いが気になり始めたら、どうするの?

最近、同世代の友人から「老いた親の様子が気になってきたのだけど、どうしたらいい?」と聞かれることが増えてきました。my母80代、独居&認知症のケースで学んだことをすっかり語り部のように伝えているので、noteにまとめました。

まずは“地域包括支援センター”に行くこと

親が高齢になって、一人暮らしであったり、少し様子が変わってきたり、心配なことがあったら、とにかくまず、親の住む地域管轄の“地域包括支援センター”にいくことです。相談員さんに、気になることを伝えておく。

例えば、高齢一人暮らしで不安、地域との接点がない、物忘れが増えた、運動機会がない、など。そして今できることは何か、相談にのっていただく。

はい、おしまい。

え、それだけ?と思われるかもしれませんが、それだけです。
問題があるとすれば、この前段階、
「親と(または家族が)地域包括支援センターに行く」という一歩を思いつかない・踏み出さないことにあります。

ちょうど80歳で独居3年目だったmy母の場合です。
ある夏、毎日飲む薬を忘れ始めたときにmy兄が「おかしい」とすぐに気がつきました。「認知症を疑った方がいいのではないか」と。

実は私は「考えすぎでしょ」とスルーしそうでした。兄が熱心に一度“地域包括支援センター”に相談に行った方がいいよと言うので試しに行ってみましたが、いざ行ってみた感想は、「異変の前からでも話をしにいけばよかったな…」でした。

当時、相談員さんと話したのはこのようなことです。

・  薬の飲み忘れがあり、認知症が気になる
・(そういえば)一人暮らしで見守りが心配
・(そういえば)地域での交流が少ない など。

認知症外来の候補を教えてもらっただけでなく、地域で実施している体操、趣味の会合なども教えてもらいました。地域のイベント情報は回覧板に記載があっても本人は気がついておらず、さまざまな取り組みを実施していることにもその時初めて知りました。

my母は近所付き合いが上手ではなく、普段はにこやかですが疲れているといらつきがちな面もあります。認知症と診断されたのち、ケアマネさんの候補を検討くださったのですが、my母の性格を細かく伝えたところ、my母の情緒にばっちりあうケアマネさんを探し出してくださいました。

その後も、my母の独居をずっと支えてくださいました。

例えば、「トイレのドアが開かない」などと日常生活の困り事があったとき、緊急に様子を見に行ってくださった時も。

コロナで家に引きこもりがちになったときには、「元気ですか?」とチャイムを鳴らしてくださいました。

基本的には「やってもらって当然のサービス」ではなく「地域の支え合い」。人と人とのつながりを大事にするという心構え。
人は困った時はすがりますが解決するとお礼や報告を忘れてしまうってこと、ありませんか。助けた方はじんわりと寂しさを抱えてしまうもの。そうなるとよい関係にならないのは明白です。

my母と「これからは助けてもらうことが増えるから、頼るときは頼る、助けてもらったら感謝を伝えることを忘れないようにしよう」と最初に話し合いました。
解決後には必ず報告やお礼をお伝えすると、相談員さんも喜んでくださり、二重に嬉しい気持ちになりました。

老いた体には遠くの家族より近くの人が支えが必ず必要になっていきます。地域との関わりを遮断して自分だけで大丈夫と思って生きてきた場合でも、老いれば必ず、近くに住む人々との支え合いがスタートするのです。

今は「老いの暮らし」が変わる端境期

80歳前後の親を持つ人々を見ていると、「親が老いに向き合う」ことに苦労している人が多いように見受けられます。

友人の母は70代一人暮らしで発言が支離滅裂になってきたのに本人は「大丈夫」と言うので困るそうです。
ここで子供が抱え込まずに、早くから第三者の目を入れたいところ。
「様子が変になったから相談してみる」と伝えるのではなく、
「地域とつながっていると安全だから」と伝えて、
まずは門をくぐることができれば大成功です。少しずつ、相談事が増えてくるはずですが、軽い話題からスタートするとよさそうです。

同居の場合でも同様。
一緒にいるからなんとかなっていると抱え込まず、やっぱり老いた親の変化、気になることを相談してみるといいと思います。友人の中には、親が一人になるのを嫌がるから旅行ができない(一人にできない)という人もいます。
親の健康状態を確かめる意味でも、家に閉じこもっていないか、自分が不在のときはどうすればいいかなど、相談してみると新しい視点をいただけるかもしれません。

介護が本格的に必要となるその前段階に高齢者の老いてからの暮らしについて感覚のギャップを埋めるひと仕事があります。

介護保険制度が創設されたのが2000年。その頃、my母世代は60代。まだ「嫁(家族)が親の介護をする」時代でした。そして外部のお世話になるときは「老人ホームへ行く」。その選択肢しか知らなかった現在の高齢者にとって、こうした「家族以外にも助け合いの仕組みが豊富にある」ことに気がついていない。

また「お世話になる前にあの世へ行くよ」とmy母などは楽観的に豪語していましたが、年々平均寿命が伸びている現実にも気がついていない。

老いても生きるのは紛れもない事実。
死ねない体でどう生きていくのか。

弱る体を支える苦労を誰かひとりが抱え込んで共倒れにならぬよう、できるだけ早いうちから第三者を入れて、早めに昔と今は違うということを知り、早めにマインドセットをして、老いに向き合う。
そうすると、この先の長い道のりを乗り切りやすくなると思います。

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