仕事でも人生でも、修羅場をくぐってきた人間は強い
僕がよく聞いているコテンラジオという番組があります。
歴史の面白さを紹介してくれるポッドキャストなのですが、歴史好きの僕にとっても非常に内容が深いし、よく調査しているし、視点が斬新で心を奪われています。
ジムだったり、通勤中によく聞いています。
今ちょうど聞いているのが「秀吉と家康」の会で、関ヶ原でなぜ西軍が負けたのかが解説されていました。
その一因として、家康と三成らのジェネレーションギャップが挙げられていたのが非常に興味深かったので紹介します。
関ヶ原の敗因は修羅場の数?
コテンラジオで紹介されていたのは関ヶ原の戦いの少し前のこと。
家康が大阪城に少数の共を連れて参内したした時が三成らにとって暗殺する最大のチャンスだったのに、なぜ彼らはそうしなかったのか、ということ。
・家康の半端ない修羅場経験
家康は幼少期には今川義元の元で人質として過ごし、青年期には武田信玄とも戦い敗北を味わっています。
また、本能寺の変の際には命からがら伊賀越えと呼ばれるダイ・ハードみたいな逃亡劇を行ったり、豊臣秀吉とも戦ったことも。
つまり、家康は戦国時代ど真ん中を過ごしてきた武将として山ほど命のやり取りをしてきて、修羅場の数が半端なかったわけです。
・三成はゆとり世代?
一方、三成や小西行長など西軍の武将は主に安土桃山時代と呼ばれる戦国末期を生きてきた世代。
もちろん、現代の我々と比べれば命のやり取りはたくさんしてきたのでしょうが、それでも家康の比ではなかったということ。
事実、関ヶ原の合戦場にも家康は最前線に出てきましたが、同じく大将であった毛利輝元は大坂城にて待機したまま。
その経験の差が、戦場での陣容では圧倒的に有利だと言われた西軍を敗退せしめたのです。
現代の我々にもある修羅場の差
戦国時代はちょっと時代が遠すぎるので、もうちょっと近い時代を例にとって考えていきましょう。
お前らは戦争を体験しているのか
「我々は戦争を体験している」
「だからそんな甘いことは言っていられない」
石原元都知事も記者会見でしきりに言っていましたが、「戦争」という修羅場を体験しているかどうかが、かの世代の重要なアイデンティティだと思っています。
命のやり取りや飢餓、空襲などの極限状態を体験したからこそ言えること、見えるものがあるのだろうと感じます。
そのような戦争を体験した世代が命懸けで働いたから、戦後の日本はたった10年ほどで奇跡的な復興を遂げることができました。
戦争を体験した世代から見たら、僕らの生きる今の時代など生ぬるいと思われるのでしょう。
極限の飢餓状態などそこまで追い詰められたら、僕らはあっさりと白旗をあげてしまうかもしれません。
でも、一度体験したことがあれば「あの時と比べたらまだマシ」と耐えることもできます。
バブル世代とブラック企業
90年代、バブル時代には
「24時間働けますか」
「企業戦士」
というような言葉が生まれました。
仕事が正義であり、ガムシャラに働くのが当たり前の時代だったのです。
バブル期には働いたら働いただけ給与として見返りがありましたが、働けども働けども見返りがなかったのがブラック企業です。
ブラック企業という修羅場を体験したから言えること
僕も20代の頃はこうしたブラック企業で働いていました。
月の労働時間は過労死ラインを大幅にオーバーする300時間超え、常に心臓がヒリヒリしていて、何度か山手線に飛び込もうと思うくらいに追い詰められていました。
今振り返っても、決して正当化してはいけない間違った働き方だと思いますが、あの時の追い詰められた経験があったから、今ちょっとした困難があっても「大したことないな」って思えます。
クライアントからボロクソに人格否定されるわけでもなく、数百万円数千万の損害を出したわけでもなく、消えてしまいたいって思うほどに辛いこともなく、死ぬ一歩手前まで追い詰められたことと比べれば「別に死なないじゃん」って思えるのです。
サッカー元日本代表の本田圭佑はこう言っています。
「質なんてものは、量をやったことがあるからわかること」
だと。
修羅場があったから強くなれる
僕の場合、振り返ってみればたくさん修羅場があったように思います。
前述した極限的な働き方もそう。
東日本大震災の経験もそう。
学生時代、歌舞伎町でバイトしていた時、ミスをして半グレに「殺していい?」と詰められ、お店のケツモチに解決してもらったり、同僚がお店で30ヶ所以上滅多刺しにされて刺殺されたり。
スリランカではナイフを持った強盗に追いかけられてマシンガンを持った守衛に助けられたり。
通訳なしで中国の田舎に1週間「仕事なんとかしろ」と置いていかれたり。
まだまだ思い返せばありますが、こうした経験があるから強くなれるんだなと思います。
今となっては某大物政治家にイライラされて蹴られても「なんだこのやろう」と思えますし、いちいち凹まないくらいのメンタルは持ち合わせています。
特にミドルエイジは経験こそが武器。
今の若い世代には決して経験できないことがあるはず。
徳川家康のように、経験を上手に活用して大局を乗り越えていきたいですね。