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社会人になって思う、学校教育に入れて欲しいカリキュラム

 僕は学生時代のほほんと過ごしてきたなと、今振り返れば感じるわけです。もちろん、当時の自分としては遊びに勉強に日々の出来事に一所懸命に生きてきたつもりなのですが、後から振り返って俯瞰してみると平和だったなぁとしみじみ思ってしまいます。

その一方で、もっと勉強しとけばよかったとか、あの時代にタイムスリップしたらこれをもっと頑張るとか、いろいろ思うところもあって。でもやはり、社会人になってから一番考えるのは、

「何でこれを学校で教えてくれなかったんだ!」

ということ。今からでも遅くないのでぜひ学校教育に含めて欲しい。


お金の基礎知識

 これはいろんな著名人の方が言っていたり、本もたくさん出ていたりしますが、やっぱり学校で教えて欲しかったのは「お金」について。大学くらいになると経営とか経済とか選んだ学部によっては学ぶことができますが、小中高では一切タッチしなかったように思います。全て各家庭任せ。

例えば、「株の仕組み」とか「資本主義とは」とか「銀行の役割」など本当に基礎的なことでいいから社会の時間にでもやって欲しいなと感じます。他にも、「複利計算」「金利」「不動産」「為替」「税金の仕組み」などなど社会人になっても何それ?と知らない人が実はいっぱいいるのが現実です。そしてそれらを知らないと世の中の仕組みがわからないことになり、ただただ搾取されてしまう。お金のことって生きていくために不可欠な勉強ではないでしょうか?


政治と生活の関係性

 確かに学校では政治の仕組みについて習いました。ええ、覚えていますとも。衆議院と参議院があって、衆議院は解散して、総理大臣は天皇陛下に任命されて。でも習ったのって政治システムについてだけじゃありませんでした?僕は子どもの頃、「政治ってこんなふうにやっているんだ」とひと事のようにしか感じませんでしたよ。なぜ毎日ニュースで報道されるのか気にも留めず、芸能人と同じように有名な人だからとしてしか認識していませんでした。

今社会人やっている僕の目線では「いやいや違うでしょ」と思うわけです。我々国民の生活にダイレクトに影響しているから毎日政治ニュースが放送されるわけですし、政治家の決定や出される政策如何で生活は大きく変わります。それを理解している人たちがどれほどいるのやら。これは社会に出て長くなればなるほど、うすぼんやりと「政治って大切なのかも」と思えてくるものかもしれません。実際に、僕もそうでした。

だからこそ、20代30代の若い人たちの投票率が低くて政策に若い人の声が反映されないのです。学校で、「政治って遠い世界の話じゃなくて、とても身近なんだよ」ってもっと教えて欲しかったなと思います。


これからのエネルギーのこと

 今は少しはやっているのかもしれませんが、エネルギーのことは義務教育でしっかりとやってもらいたい科目の一つです。

僕は福島県南相馬市出身ですが、地元に近いところに原子力発電所が生まれる前から建っていたのは知っていました。ただ、火力や水力と同じくいろいろある発電所の一つくらいにしか思っていなかったのです。原子力発電のリスクなんか考えたこともなかったですし、そもそも原子力発電の仕組み自体全く無知でした。
2011年になって初めて放射能のこと、原子力発電の仕組みのこと、福島に原発がきた経緯のこと、原発に関する交付金について学ぶようになりました。

今年、北海道の寿都町と神恵内村で高レベル放射性物質最終処分場誘致の件が大きく取り上げられました。放射性物質が人体に安全な物質に変わるまで10万年を要するのですが、それを70代の町長が誘致を決めて(正確には文献調査受入)、「あとは次の世代で考えてね」と問題を先送りしています。最終処分場の建設までは30年以上かかるとも言われています。さて、実際に影響があるであろう次の世代とは誰のことでしょうか?今の子どもたちです。

福島の時もそうです。福島に原子力発電所を誘致して多額のお金を受け取った世代はもう今はほとんど鬼籍に入っています。しかし、2011年の事故で実際に苦しんでいるのはその子ども世代、または孫世代です。老い先短い人たちに将来を食い物にされないためにも、子どもたちには必要な教育であると思います。


それでもカリキュラムに入れられないのか?

 学校教育現場が大変であることは重々承知です。細かく指導要領が決められていて、いつまでにどこまで学習が進んでいなければならないというめやすがあることも事実。新しい学習なんて入れられる余裕がないよと文科相あたりは言うかもしれません。

でも、水素がHで酸素がOでなんてことを習うよりも、徳川家康が江戸幕府を開いたとか習うよりも、子どもたちが将来生きていく上でもっとずっと重要なことだと思うのですが、どうなのでしょうか?

H2Oなんて知らなくても、江戸幕府なんて知らなくても生きていけますが(誰かにバカにされるリスクまでは知りません)、お金や社会の仕組みについて知らないと命に関わることは大いにあります。

それでも教育カリキュラムに入らないのは、国民の多くがお金について知識を持たれると困ったり、政治について考え出されると困る人たちが社会の中枢にいるからなんじゃないかとついつい邪推してしまうのです。

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