「月曜断食」と「犬種」のお話。
「月曜断食」で9ヶ月かけて5キロ減
コロナ禍もまだ他人事気分だった今年の2月。なんとなく思い立って、流行りの「月曜断食」をはじめて、11月の現在、細かなアップダウンを繰り返しながら、5キロ痩せた。
「月曜断食」とは、メソッド本もあるし、雑誌でもかなり取り上げられているのでご存知の方も多いと思うが、簡単に説明すると、
月:水のみ 火〜金:糖質オフ、夜は野菜のみ 土日:好きなもの食べてよし
というもの。食べる量とか、細かなルールはあるが、大体こんな感じ。月曜以外は、糖質の低い酒なら飲んでいいというゆるさもありがたく、私には合っていると思う。多くの経験者が語るように、私も今や毎週月曜日の断食デーが待ち遠しいくらいだ。1日食べなくてもいいから、手間が省けて楽だなとすら思うようになった。
しかし、はじめは結構キツかった。空腹の気持ち悪さと、穀物が少ないために引き起こされる便秘に苦しめられた。コツをつかめていない3月頃、強烈な便秘で1時間トイレに篭り、のたうちまわったあの夜が忘れられない。
血糖値と便秘の救世主、蜂蜜と糠漬け
断食をしていると、午前中は割と平気なのだけど、午後、激烈に飢餓感が襲ってくる。頭も痛くなるし、一日中眠い。メソッドでは、スポーツドリンクをちびちび飲めとあるのだけど、私はあのスポーツドリンクの味が好きではない。
そこで、蜂蜜を舐めることにした。せっかくなら体にいいものを、と、オーガニックのRAW蜂蜜を、飢餓感がきたらペロリと舐める。家にいると、結構な頻度で舐めている。仕事先では、瓶を取り出して熊のプーさんをやるわけにいかないので、「蜂蜜100%キャンディー」という飴にお世話になっている。これで、断食デーは楽々乗り切ることができるようになった。
月曜以外の平日もご飯が食べられないので、便を押し出してもらえない。さらに食物繊維ばかりを摂りすぎて便がカチカチになり、肛門をコルク栓でフタをされたようになってしまったのが、前述の3月の夜のこと。死ぬかと思った。
水分を多く摂ってみたり、ヨーグルトや甘酒を食したり、いろいろやってみたのだが、ようやく行き着いたのが、「糠漬け」だ。
火曜から金曜の朝食は、ヨーグルトと果物など、腸に良いものを食べるというメソッドなのだが、そこに、糠漬けを加えてみたところ、すこぶる調子がよくなった。乳酸菌ってすごい! 浅漬けのきゅうりをポリポリ1本分くらい食べるのだが、噛みごたえもあるし、ダイエット中の空腹感も抑えられる。
本当は年末年始の前に、後2キロほど痩せておきたいところだけど、すでにプレ忘年会のようなものがあちこちでスタートしていて(写真は先日友人たちと開催した「ピンチョスパーティー」のもの。7人が2品ずつピンチョスを持ち寄ったのだが、自分たちでもびっくりするくらい豪華なテーブルが生まれた。これは仕込みが楽だし、映えるのでオススメです。)、ちょっと難しいかもしれない。とりあえず、5キロ減をキープしようと思っている。
だからっておばさんが少し痩せたところでさ
「ええっ、春ちゃん、5キロも痩せたの!すごい!」
なんて久しぶりに会ったママ友などに言われるのだけど、まあ、ちょっと待って。そう言うあなた、私よりまだ10キロは軽いですよね。私はそもそも、今年の正月は相当体重を積んでおり、前から見ても横から見ても、大樽のようだった。それが5キロ痩せて、ワンサイズ下がったとて、樽は樽のままだ。
いまだに、スタイルのよい女性とすれ違った後、エスカレーターの鏡で自分の姿(特に横から)を確認すると、別の生物のように見えて、凹むこと多々。
先日も、カフェでのモデルカット撮影に同行しながら、カメラマンの背中側に立って見ている時、もはや自分が歴史上の人物になったような気がした。
最近の女子高生たちはますます手足が長くなっていて、集団でいる様を眺めると、逆にあちらからは、私なんか「博物館にある江戸時代の人の衣類」のように小さく見えているんだろうなと想像したりする。日本人も確実に体型を進化させているが、昭和40年代生まれの私は、中でも特に乗り遅れたクチだ。
おんな友達とよく話すことがある。
一生ダイエットがテーマの私たちが、仮にあと10キロ痩せたところで、冨永愛になることは不可能だ。手足が短く、首も短く、肩から背中にかけて肉がのりやすい体型の私。バストは大きいが、それが利を生んだことはあまりない。
そんな私と、冨永愛とでは、「同じヒトではあっても、ヒト種が違うのだ」と。
犬種があるように、ヒトの体型も異なる
でっぷりとして足が短いイヌ。ほっそりとして首が長いイヌ。
ブルドッグも、ピンシャーも、同じイヌだが、イヌには明確な犬種がある。
これと同じように、ヒトにも、色以外の分け方があっておかしくない。
冨永愛は、さしづめ、 イタリアングレーとか、サルーキのようなほっそり系の種か。私は、なんだろう、チャウチャウとか…そのあたりか。
残念ながら、生まれついたヒト種はその後変えることができない。私はこの体型を50年近く続けており、このまま終わるしかない。
私は冨永愛のような体型に憧れる。いや、冨永愛ほどでなくてもいい、せめて、首が細長く、胸と背中が薄い体になってみたい。そして、ウエストにトップスをインしたまま、ティムホーワンで飲茶を食べてみたい。そして、何も食べなかったかのように薄い体で颯爽と店を出て行きたい。
しかし、それは今生にはかなわぬ夢だ。「置かれた場所で咲きなさいby渡辺和子」の精神で、この種を受け入れて行きていくしかない。
もしかしたら、冨永愛だって、小さくてかわいく見られる誰かに嫉妬したことがあるのかもしれない。ないかも知れんけど。いや、あると信じたい。
イヌも、あの犬種に生まれてりゃな〜、とか思うことがあるんだろうか。ま、ないか。
人は何歳まで痩せたいと思うのだろう
息子が夕飯の後にお菓子をガブ食いしているのを横目で見ながら、「いつの間にか、あんなお菓子食べられなくなってしまったな」と思う。カプリコも、おにぎりせんべいも、コンソメパンチも、大好きだった。銀紙に入ったマドレーヌが好きだったし、レディボーデンやビエネッタを丸ごと食べようとしたこともある。
好きなお菓子を好きな時に好きなだけ食べられた子どもの頃が、懐かしい。
もういいトシになって、おしゃれも何もしなくなったら、お菓子を好きなだけ食べてやろうか、なんて思うことがある。
だけど、だ。
「40・50代になったら、ダイエットとか関係ないんだろうな。だってもうおばさんだし」
若い頃、私はそう考えていた。あれから三十年。おいおい。いまだにやってるよ!!断食までしてよ!!!
と、いうことは、である。おそらく、70・80代になっても、それこそ無理なダイエットはしないかもしれないけれど、「痩せていたい、綺麗でいたい」と思うんじゃないだろうか。うん、きっと思うんだろう。
だから、どんな体型に生まれついたとしても、自分自身がせめて洋服を脱ぎ着する時に嫌な気分にならない程度に、痩せていたい、と思い、私は今朝も糠漬けを食べている。
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