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【子育て】ヒゲ息子、決意表明する

ヒゲ息子は中学3年で受験生だ。
受験生の上に、「なんちゃって」とつけたいぐらい自覚がない。

コロナで4月から学校に行けなかったし、まあ、そこは仕方がないとしよう。

しかし、後悔だけはしないようにと、一応毎日、私は彼に「受験生だからね。」と言ってきた。

今週からいよいよ学校が始まった。
そして早速、ヒゲ息子の口から驚くべき発言があったのだ。

「母ちゃん、俺、今までは適当だったけど今年は頑張る。」

急に真面目なトーンで言うから、構えた。
めっちゃ、構えた。

そして私は、おぅ、ついにその時が来たか、と嬉しく思い、ヒゲ息子の次の言葉を待った。きっと、周りや先生からの刺激で、エンジンがかかったのだろう。

なんとも学校はありがたい。
たった3日行っただけで、ヒゲ息子を変えてしまうのだから。拝んでも拝みきれない。

ヒゲ息子のキラキラする瞳には希望が見えた。
ひとまわり大きくなった気がした。
あぁ。信じて良かった、とホッとした。

うんうん、言ってごらん、と頷きながら言葉を促す。

「俺、まじで今年は恋愛頑張る!」

ふーん。恋愛かー。青春だなぁー。いい、いい。

っておい!
今なんて?

目をしばしばさせて、ヒゲ息子を下から仰ぐ。

ヒゲ息子は片方の手を腰に当てて続けて言う。

「俺、今年こそ渋谷行く。」

どう飛んだ?恋愛からの渋谷にはどう展開したのだ?
ヒゲ息子は大丈夫なのかと本気で心配になる。

さっきの感動からの急降下だ。

渋谷に行けば恋愛できると思っているのか。
渋谷に行ったとて、ヒゲ息子はヒゲ息子だ。
私の先程の感動を返していただきたい。

そのあと、他にもいくつか今年頑張るという決意表明があり、ひとしきり述べた後、ヒゲ息子はそういえばという軽い感覚で、一番最後に勉強もまあ頑張ると言った。

こらこら。取ってつけるでない。

恋愛宣言が堅くて歯が折れそうなりんご飴だとしたら、勉強頑張る宣言は食べる前からふわふわして口の中に入れようものなら一瞬で溶けるわた菓子みたいだ。

ヒゲ息子は誰と恋愛するつもりなのだろう。
いや、少し寂しくて私は取り乱したのかもしれない。

しかし、随分と大きな夢のように語ったその渋谷は、我が家から30分である。

ヒゲ息子よ、明日にでも行ってこい。

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