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物語の変態

…困った。

「好きな顔のタイプって、なんですか?」と聞かれて、「うーん…」と言ったきり、なんにも答えられなかった。この質問、実はいつも答えられない。

綺麗だなぁとか、整ってるなぁと思う顔の有名人はたくさんいるが、どれがタイプかなんて、とんとわからない。タイプってなんだろう?

綺麗だなぁとか、整ってるなぁと感じる顔の共通点だろうか?日本人もいれば、外国人もいるし、男性もいれば、女性もいる。可愛くたって、カッコよくたって、整っている人は、いる。全然一貫性がない。パス。 

そもそも、私が有名人に疎いから、タイプのサンプルが浮かばないんだろうか。

アーティストとして好きなのは、RADWIMPSの野田洋次郎さんとか、米津玄師さんとか。竹野内豊さんや、豊川悦司さんは、声が渋くてカッコいいし、映画『マイ・インターン』のベンは、ユーモアと柔軟性が素敵だし、小説『図書館戦争』の堂上教官は、部下としてついていきたい。

なんだか、顔の話から逸れてきてしまった。

そんなことをグルグルと考えて答えの出てこない私に対して言われたのは、「人に興味がないんですかね?」の一言。実はこれも、言われたのは初めてじゃない。

「人に興味ないよね」と、度々言われる。

でも、人に興味なんてなかったら、1時間もだれかにインタビューして記事を書くなんて仕事はやってられないと思うんだけど、どうだろうか。たぶん、保育士(前職)だって、やってられない。

一つ仮説として、私はもしかしたら、人そのものには興味がないのかもしれない。その人がビジネスで大成功してようと、絶世の美女だろうと、すごいなぁとか、綺麗だなぁくらいの感想しか出てこない。

ただ、その人がどんな人生を生きてきて、なにを考えて、どんな選択をしたのか。どんな想いや願いを抱えているのか。そのストーリーには、ワクワクする。

「もともと美容師を目指して勉強していて。」

なるほど。

「でも、つまんないなと思って辞めちゃって。」

あら

「それで、とりあえず好きだった喫茶店に入り浸って、タバコを吸いながら、コーヒーを飲んで本を読んでいたら、これでいいなと思って。タバコ農家にも、小説家にもなれそうにないから、コーヒーの焙煎機を買いました(笑)」

え、焙煎?

「今は、フードアートのギャラリーを開きたいと思ってます」

なんだそれ!?

そんな感じで、興味はつかない。
私は物語の変態なのかも、しれない。

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上記の話は、インタビューさせてもらったときの一幕です。


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