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パニック障害とダンス教室①

昨日は地元の市民講座で開催されているなんちゃって社交ダンス教室の最終回だった。
なんちゃってと言うのは、初歩も初歩、大初心者のクラスで6回のコンパクトコースだからである。ダンスには全く興味のない旦那をしょっ引くわけにもいかず、一人で参加している私。幸いクラスにはもう一人、個人で申し込んだ女性がいていつも彼女とペアで踊っている。

このコースも最終回に至るまでにいろいろとあり・・・。
まず私はパニック障害およびやや対人恐怖症というものもあり、初めての人や場所が大の苦手。初日など朝から早く目が覚めてしまい、大丈夫かなと一日中不安な気分で結局1回目は休み。ダンスは好きだけど人は怖い。本当にジレンマである。

その次の回は何とかなったが、3回目の日、どうにも体がこわばっていて、気分も重い。どうしよう、コースの最中にパニックになってしまうかもしれない。
考えた挙句、やはり先生に正直に打ち明けることにした。講師の先生は50代ぐらいの白髪交じりの女性なのだが、ハキハキものをいうタイプで、パニックなんて言おうものなら眉をひそめられるかも。全然理解されなくて、捨て置かれるかもな、とびくびくしながら、もうそうなったら仕方がない、私にとって一番つらいのは隠しておくことなのだから、と覚悟を決め、自転車で教室へと向かう。

着いても増々不安な気分は高まっていくばかり。全身の神経が尖って手足の筋肉が収縮してくる。これは早く言うしかない。
教室に入った私は、先生を外へと呼び出し、
「あの、前もって言っておきたいことがあって・・・。実は私、パニック障害持ちで、時々パニックになるんです。気分が悪くなったら少しの間出ていきますからどうか心配しないでください」
と一気にまくしたてた。すると先生は・・・。

「まあ・・・」
と目を見はり、次の瞬間、
「オーマイゴッド。なんてこと。わたしもよ。私も長年パニック障害をわずらっているのよ。今もあるわ。私なんて3回も入院したんだから!」
と思いがけないことを言うではないか!
ドイツ人女性らしくシャキシャキした人で、クラスでも冗談を飛ばしたり、男性参加者をからかったりしていたから、精神的不調とは無縁な人だと思っていたら、まさかこんな身近に経験者がいたなんて。
先生は、
「だからあなたの気持ちとてもよくわかるわ。無理しないでね。私にできることがあれば、何でも言ってちょうだい」
と言って、私をハグしてくれた。
ホッとして少し緩んで涙が出そうになった。
思い切って言ってよかったー。

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