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Educational Design×保育園|仕事も人生も楽しむチームを目指してーVision共創プロジェクトVol.5【ファシリテーター植竹】

自己紹介

はじめまして。Learning in Context(以下、LiC)の植竹です。
現在、千葉県にある某保育園さんと一緒にVision共創プロジェクトに取り組んでいます。僕はこのプロジェクトで、ファシリテーターとして、場の進行とプロジェクトの設計を担当しています。
プロジェクトの目的やねらいに向けて、対話を促すファシリテーターの視点で参加者の変化やプロセスを書いていこうと思います。

これまでの振り返り

今回のプロジェクトは現場で働くスタッフの声をもとに、保育園のあり方やそこで働く保育者のあり方、大切にすべきことを整理して、運営やマネジメントの方向性を示すことを目的としてしています。

スタートラインは「保育園は誰のための施設だろう?」という問い。いかがでしょう?画面の前のみなさんもすこし考えてみていただければ。

プロジェクトメンバーは同じ園で働く園長、保育士、そして栄養士の計5名と、プロジェクトのプロセスを記録・可視化するドキュメンテーター、そしてファシリテーター植竹です。社会背景や世界の動向、教育の今日的意義などを踏まえて保育園,保育者がどうあるべきか、一人ひとりの想いを対話を通じて、他者理解と合意形成を繰り返しながら、保育園をよりよくしていく方法について考えています。
7月にスタートしたこのプロジェクトもすでに全7回のうち5回が終了。
第4回で「子ども観(子どもとはどんな存在か)」「保育園のコンセプト(どんなスタンス・方向性を持つか)」を話し合い、それらを踏まえた保育を実践してもらいました。

今回のプロジェクト・得た学びと共有知

前回「大人のサポートのもとに、子どもたちは自分で考え、物事を構築することができる」という子ども観にたどり着き、それを踏まえて保育に取り組むとどんな発見や気づきがあるのか。それぞれの実践の共有を行いました。

すると「いつも笑顔で応える」をテーマにしている保育士さんは子どもの様子から、笑顔じゃない表情をした方が子どもの心に寄り添える場面もあるかも知れない、ということを発見し、またある保育士さんは室内で走って転んだ子どもが、次はどうすべきかを自分で考えられるよう、質問や投げかけをしながらコミュニケーションをしました。
一方で、いつも反射で保育をしていて、意識して保育することそのものが難しかった、という発見も。
でも、いつもとなにが違ったんだろう、もしかしたら一緒だったんじゃないか、いつもも十分やれている、と考えてしまうメンバーも…。

「もったいない! とてもいい発見・学びがあったことに気づいてほしい!」
学びは決して「覚えたこと」や「できるようになったこと」だけじゃない。
経験の中で感じたことや「自分の無意識」を意識することも学びの大切な一面です。すぐに何かが変わるわけではないかもしれない。それでも、その経験から考え、次のステップにつなげていくことはできるはず。



振り返りもそこそこに、今回のメインテーマ
「保育園のミッションはなにか?」という問いに。
保育園の社会的使命といってもいいかもしれません。

そこでさまざまな問いを。
「『保育士』という言葉を使わないで自分たちの仕事を説明するなら?」
そこから生まれた「子どもたちが将来困らないように…」という言葉、本当にとても大切な言葉。
これまでのプロジェクトで考えてきた未来の社会で子どもたちが必要になる力や心を育むということにつながっています。
そして、これから出会う様々な人に公平に接することのできるようになってほしい、そんな願いがメンバー全体に共有されました。

その過程で「来年誰が担任を持つかもわからないから、来年くらいまでしかイメージできない」という気になる発言も。
その真意は…? 園内で何を大切に、どんなことを子どもに提供するのかが共有されていないということなのかもしれません。

実はここにVisionを共創する価値が隠れています。
キーワードは、組織的・計画的保育の実現。園として何を共有し、どんな多様性を認めるのか。保育士一人ひとりが主体的に働き、働きながら学ぶことのできる組織づくりにつながります。

まとめ

今回は、これまで以上に答えのない問い、これまでの保育観を変えていく過程でクリエイティブ・カオスともいえる「生みの苦しみ」が強く出た時間でした。自分たちはこのままでいいのだろうか、子どもたちのためにもっとできることは…?そんなモヤモヤも多く見受けられました。
残り2回のプロジェクトで、そのモヤモヤを取り除き、チームも個人も自信を持って保育に臨んでいくために、じっくり言葉を交わしあいながら、保育園全体で取り組むこと、そしてそれぞれがどのように保育に取り組んでいくのか、他者の声と自分の心の声に耳を傾けながら考えていきます。

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