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【北米エンタメニュースまとめ】「ブルーロック」が現実に、劇場版アニメが海外市場で躍進、「Cool Japan」を忘れて「Your Japan」戦略を

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


「ブルーロック」が現実に 日本の対スペイン戦のゴールはアニメそっくり

今回のワールドカップでは、惜しくも日本は決勝トーナメントで敗退しました。しかし予選で優勝候補の一角にもあがっていたドイツやスペインを破ったことは世界を驚かせました。それは日本の漫画・アニメファンも同様です。

サッカー漫画は傑作は多いですが、今回英語圏でのワールドカップを見ているファンからよく名前が挙がったのが「ブルーロック」。ちょうどアニメ放送中ということもあり紹介した記事のように、特にスペイン戦のゴールを「ブルーロック」に登場するゴールを思い起こす人もいました。


劇場版アニメ、海外市場で躍進

日本アニメの人気の広がりにあわせ、劇場版アニメも日本以外の国で堅調に売り上げを伸ばしています。

こちらは「五等分の花嫁」の米国の興行業績について。公開からスタートの3日間で50万ドルとのこと。なかなか堅調な滑り出しといえるのではないでしょうか。

こちらは「ONEPIECE FILMRED」の中国の興行業績です。こちらもなかなか好調な滑り出し。そういえば日本ではすっかり気に入った作品に複数回行くというトレンドができましたが、日本以外ではどうなのでしょうか。

当然ですが新海誠監督の最新作「すずめの戸締り」も日本以外での公開が決まっています。前作「君の名は」のようにヒットが期待できそうです。


「Cool Japan」を忘れ、「Your Japan」戦略を

非常に面白く、示唆に富む記事でした。内閣府公認Cool Japanアンバサダーを務め、『日本はクール!? 間違いだらけの日本の魅力発信』という書籍を出版したベンジャミン・ボアズ氏の考えを紹介する記事です。

ボアズ氏はゲームを通じて日本文化に出会い、大学で日本語を勉強して来日しました。そのボアズ氏による、漫画やゲームを含む日本文化をいかに世界に広げるかという戦略の提言です。

彼曰く、日本政府のCool Japan戦略は、焦点がずれているとのこと。すでに日本の文化が「Cool」であることは浸透しているとのこと。あとはそうした人々とつながり、彼らが好きなものを手に入れられるようにすることが必要だと主張しています。何がCoolかはすでに理解されており、政府が何がCoolかをアピールする必要はないとも説明します。むしろ、日本がCoolだと知っている人々とつながり、彼らが自分たちの興味を持つことにたどり着ける道を提供することが必要だといいます。クールジャパン機構のファンドが厳しい批判にさらされているいまこそ、耳を傾ける価値がありそうです。


「チェンソーマン」11月月間の大人向けグラフィックノベルの販売で1位

恒例のNPD BookScanの11月の大人向けグラフィックノベルの販売ランキングです。アニメ化の効果か、「チェンソーマン」が1位。ほかの既刊も軒並みランクインしています。またすごいのは「鬼滅の刃」の1巻がまだランクインしていること。まだ買い始めている人がいるということですね。


『犬王』、アカデミー賞長編アニメ映画賞の選考対象作品に

https://s.cinemacafe.net/article/2022/12/07/82345.html

湯浅政明監督の映画『犬王』がアカデミー賞長編アニメ映画賞の選考対象作品に選ばれました。実際に受賞になるかは不明ですが、これをきっかけに海外での上映が増えてほしいです。

VizMedia、ジェトロの商談会に参加

ジェトロ(日本貿易振興機構)は、「AnimeJapan 2023」と連携して開催する海外企業との商談会には、北中南米、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ各国・地域から企業がオンラインで参加します。北米からは集英社・講談社系の漫画の英語版出版に実績があるVIZ MEDIAが参加する予定です。ただ、タイやドイツ、フランスから複数企業が参加していることを考えると、北米の市場規模からすればもう少し参加してもいいのでは?と思ってしまいます。


コスプレは若者文化じゃない!米国ポップカルチャーの最前線「ロサンゼルスコミコン」レポート

日本の漫画家やアニメ制作会社の参加が相次ぐ海外のコミコン。実際の雰囲気はどうなのかと気になる方に参考になる記事です。記事にあるとおり、老若男女が参加するまさにお祭りです。コミコンで楽しめるのは日本の漫画やアニメだけではなく、アメコミやアメリカ映画も同様ですが、日本の漫画やアニメが好きな人にはぜひ参加してほしいです。日本以外の地域で、日本のアニメや漫画がどう受け止められ、楽しまれているのかを実感できます。


「アニメ制作継続は視聴者数で決まるように」プロダクションIGのCEOインタビュー

https://www.animenewsnetwork.com/interview/2022-12-05/production-i.g-and-studio-wit-president-george-wada/.192199


プロダクション・アイジーの社長に就任した和田丈嗣がアニメ・ニュース・ネットワークのインタビューに答えました。配信プラットフォームとの契約ができるようになったことで、シリーズ製作の先行きが見通しやすくなったこと、シリーズの制作が続くか決まる要因が、DVDの売れ行きからプラットフォームでの視聴者数に移ったことなどを説明しています。



追加

この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

個人的には、BTSをプロデュースなどするHYBE社による、日本の男性グループ「&TEAM」ともコラボするWebtoon及びWeb小説の10か国に同時展開が気になります。

菊池さんのnoteにもあるように、日本企業は小さくはじめてヒットの兆しがでるとフランチャイズ展開をしていきます。これに対し韓国企業はスタートから複数のメディアに展開する例も少なくない。もちろんこれまでの長期間の投資があって、一定程度のファンベースがあるからできるという側面がありますが、個人の時間をメディアの間で取り合いとなっている中で、消費者が関心を持ったときにいかに広く深くその関心を取り込めるベースと持っておくかという点で、ディストリビューションが重要になってきていることを踏まえると、韓国企業のように複数のメディアに展開しておくことは意外に重要なのではないかと思います。

今週はここまでです。引き続きよろしくお願いします。

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