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【北米エンタメニュースまとめ】KADOKAWAのアニメ市場戦略、Crunchyroll Expoの運営の挑戦、マンガ大国フランスで“BL専門コミコン”を作った女性

北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。皆様の視点を広げる助けになれば。感想も歓迎です。


業界ニュース

KADOKAWAはいかにアニメ市場を再定義したか

日本の漫画やアニメが海外進出する中で積極的な展開を見せる企業のひとつがKADOKAWA。KADOKAWAのアニメビジネス部門のCEOらがアニメや漫画の情報を英語で発信する「アニメニュースネットワーク」のインタビューに答えた記事です。新型コロナウイルスの感染拡大で実際にアニメ制作が遅れたこと、待遇面の問題からアニメ産業からゲーム産業に人材が流出していること、待遇改善のためにもアニメ市場をグローバルに広げていくことなどを指摘しています。


Netflix、ダークホース・コミックスとの契約を拡大

上記のインタビューではCrunchyrollの拡大について触れていましたがこちらの記事はライバルのNetflixについての戦略です。米中堅出版社のダークホース・コミックスとの契約を拡大し、同社のコミックスを映像化していくというもの。CrunchyrollとFunimationの合併で競争の厳しさが低下するとの見方もありましたが、Netflixもまだまだアニメ市場の有力プレーヤーとして残りそうです。


Viz MediaのPublishing Salesの責任者のサプライチェーン問題などに関する見方

Viz MediaのPublishing Salesの責任者のインタビューです。北米市場のコミックスの販売は2021年に続き、22年は好調に始まり、その堅調さが足元でも続いているそう。過去最大となった21年を上回る勢いとのことです。ただ、サプライチェーンの問題に起因する混乱は続いており、印刷に必要な十分な従業員を確保できていないと述べています。需要に出荷が追い付いていないようです。

記事の中ではニューヨークの紀伊国屋書店がしかけた「Spy&Famiy」の単行本の売れ行きについても。アニメ化が発表される前でしたが、日本での人気やアプリで読まれている度合いを見ながら
「売れる」と判断したとのことです。


音楽とアニメがCrunchyroll Expoに魔法をかけた

こちらの記事では8月上旬のCrunchyroll Expoで日本の複数のバンドが米国デビューを果たしたことを伝えています。アニソンはアニメと一緒に海を渡って海外に広がりつつありますが、アニソンを通じて人気がでたバンドがいいなり海外公演をするのは少しハードルがある。そうしたバンドのライブが楽しめる場所として海外のコミコンは機能しています。なにより音楽があると場が盛り上がる。ということで、欧米で行われているコミコンを活用して、アニソンにもどんどん世界に出て行ってほしいです。


Crunchyroll Expoの運営の挑戦を直接知る

で、こちらの記事はそんな2022年のCrunchyroll Expoの運営にどのような難しさがあったかをCrunchyrollの「Head of Events」に聞いたインタビューです。一時期の感染の勢いは和らいだといえども、新型コロナの感染が依然として広がっていることは事実です。その中で大規模イベントをどう成功させるか。Crunchyroll Expoは2020年、21年はオンラインのみで行われ、22年の対面・オンラインというハイブリッド型イベントにもその経験は生かされました。ファンからのフィードバックを元に、今回のイベントでは音楽フェスティバルとManga Libraryに力をいれたとのこと。


「これなに最高、信じらんない!」マンガ大国フランスで“BL専門コミコン”を作った女性 「腐女子は隠れろ」論争にレイプ問題も

こちらもコミコンに関する記事です。しかもジャパンエキスポやCrunchyroll Expoのようなあらゆるジャンルのアニメ・漫画を扱うコミコンではなくBL専門のコミコン「Y/CON」について。このコミコンがどのように集まり、フランスで誰がBLを読んでいるのかがまとまっています。
実はBL専門のコミコンとしてはかつて北米には「YaoiCon」というコミコンがありました。18歳以上のみ参加可能なイベントで、BLと二次創作が好きな人しかいない空間でした。


NYTimesのベストセラーリストにヒロアカやSpy&Famiyがランクイン

恒例のNYTimesのベストセラーランキング。8月は「僕のヒーローアカデミア」や「Spy&Famiy」がランクインしました。そして「鬼滅の刃」がまだランクインしていることに驚きです。


テクノロジーニュース


ハリウッドの次のヒットはNFTからかもしれない

価格が下落し、取引も低迷しているNFT。しかし次のコンテンツを産む場所としての注目度は落ちていません。こちらの記事はNFTコレクションをベースにしたアニメ制作が進んでいることを伝えるものです。今のNFTはキャラクターをベースにしているものが多いため、アニメやコミックスへの展開に向いています。


追加

この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

個人的には、ピッコマの「チャンネル機能」が気になります。紙の時代、雑誌を通じた出会いはあったはず。それが「単行本を買う」が中心になると、「偶然の出会い」によるファンの獲得は難しくなっていました。アプリとウェブの時代に、再び「同じチャンネルの中で偶然しった作品」という流れができてくれればなと思います。


今週はここまで。引き続きよろしくお願いします。


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