NetflixがSNSで場面の共有しやすい仕組み、アニメ「AKIRA」の展覧会がフロリダ州で開催、マンガは「世界同時沸騰」へ
日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。
Netflix、SNSで場面の共有しやすく
Netflixが新たな機能を追加しました。SNS上で作品の場面を共有しやすくするできるサービスです。視聴者は動画や映画の自分の好きなシーンを保存して、共有できるとのこと。もっとSNS上でNetflixの作品について話題にしてもらうための仕掛けでしょうか。
漫画では一部のサービスの機能にコマの共有がありますが、このあたりAIとかで著作権上の権利を守る仕組みを確立できれば、共有サービスがもっと広がっていくのではと思います。
Crunchyroll、YouTubeプライムタイムチャンネルで40作品以上を配信へ
タッチポイントを増やしたいのはどのサービスも同じ。CrunchyrollはYouTube上にプライムタイムチャンネルを立ち上げ、作品を配信します。
NJ州、「禁書」を止める目的の法律を可決へ
「禁書」の動きに歯止めはかかるのか。米国ではいま、幅広い州で主に図書館から「不適切」な書籍を取り除こうとするキャンペーンが広がっています。「Book Ban]と表現されます。発行などが止まるわけではないのですが、貧富の格差が大きい米国では図書館というのは情報のアクセスに重要な拠点です。
そんな図書館のスタッフにはその地域の保護者から「この本を取り除け」と強い要請がかかることも。今回のニュージャージー州の法律はこうした横やりを防ぎ、どのような本を棚に置くかは図書館員が決められるようにするものです。このような法律は各州で成立していっているとのこと。
この「禁書」の動きは日本の漫画もターゲットにされているものもあるので、こうした法律が安心して図書館に本を置ける環境につながればいいのですが。
集英社、海賊版対策に注力も、グーグルやペイパル、VISAの協力が必要
日本の漫画・アニメファンが増えるにつれ、海賊版サイトも増加。集英社含め日本の出版社は海賊版対策に力を入れ対応していますが、なかなか難しい。その中で集英社はグーグルやペイパル、VISAに対してサイト運営者の情報開示をするように命令を裁判所に求めたそうです。情報をもとに日本で提訴する、とのこと。まあ海賊版サイトもみなこれらのサービス使っていますからね。
オーディオブックの利用者、米国で電子書籍利用者を超える
車社会の米国ではオーディオブックが普及しています。とうとうその米国でオーディオブックの利用者が電子書籍の利用者を超えたとのこと。米国出版協会の調査です。日本ではこのオーディオブック市場どうなるのか。
展覧会「AKIRA - The Architecture of Neo Tokyo」、米国へ
ベルリンで開かれ好評だった展覧会「AKIRA - The Architecture of Neo Tokyo」が米国へ行きます。この展覧会は、大友克洋原作のアニメ「AKIRA」の舞台である「ネオ東京」の建築物にフォーカスした展覧会です。実は米国では漫画・アニメ関係の展覧会はまだ少ない。欧州のほうが元気です。もちろん日本からもですが、海外で漫画・アニメ・ゲーム関係の展覧会がもっと活発になってほしい。なお会場はフロリダ州の「Morikami Museum」ですが、日本美術のコレクションを持つミュージアムとのことです。
欧州各国の出版社が漫画雑誌「MANGA ISSHO!」を創刊
かなり豪華な座組なのではないでしょうか。日本の漫画の翻訳出版を手掛けるフランス、ドイツ、スペイン、イタリアの出版社が共同で漫画雑誌「MANGA ISSHO!」を創刊するとのこと。実は欧州では漫画雑誌はほとんどなく、漫画といえばいきなり単行本の形ででるのが一般的です。一方で最近の読者は日本の出版社の世界同時配信で定期的に公開される作品に慣れてきています。その中でクリエイター育成もかねて発表の場を作るのではないでしょうか?さすが日本語訳はないですよね。英語訳は出るのかな?
ハローキティ誕生50周年、日本最年少の上場企業社長が挑んだ変革
ポケモンに続き、世界で2番目の「高収入」のハローキティ。その生みの親であるサンリオを、今の創業者の孫の社長がどう変えたかという記事です。サンリオはハローキティの売れ行きに左右される時期が続いてましが、「キティ一本足打法」からの脱却が進んでいます。確かにぐでたまとかも人気ですよね。
米国アニメ市場最前線! 日本発ゲームからグッズまで
最近JETROが日本発のアニメ・漫画に関する情報発信に前向きです。その動きのひとつ。Anime Expoを取り上げていて、よくまとまっています。
マンガは「世界同時沸騰」へ アニメ化待たない攻めの戦略
これまで日本の漫画は、「アニメ放送→漫画が人気→漫画が売れる」というルートで世界に広がっていました。しかしどこの地域にも「先を読みたい」というファンはいるもの。海賊版対策もあり、アニメの同時配信からとうとう漫画も世界で同時に配信し、同じタイミングでファンを盛り上げようとしています。おそらくその最先端を行っているのが集英社なのですが他の出版社もそれに倣おうとしています。最近では少女漫画がネット上で話題になり、急遽英語版と同時配信となる例もありました。もちろん制作側の負担は大きいのですが、ファンファーストを考えるとこういう流れになり、連載を続けるかどうかの判断も世界的なファンを取り込めているかが基準に一つになるのだろうなと思います。
個人的には漫画が好きなので、アニメになっていなくても漫画がどんどん読まれ、キャラクターや世界が広がっていくのは大歓迎です。
「ドラゴンボールダイマ」「ダンダダン」「らんま1/2」、Netflixで人気
秋シーズンから始まった新作アニメ。Netflixでも無事人気のようです。
イタリアでコンベンション「ルッカコミックス&ゲームズ」開催
イタリアで老舗コンベンション「ルッカコミックス&ゲームズ」が開催。コスプレーヤーで盛り上がっています。
初音ミクがベルリンで3度目の欧州ツアー
初音ミクが3度目の欧州ツアー。盛況でなによりです。ペンライトが美しい。もう英語歌詞はあるし、ドイツ語であいさつするし、立派なグローバルシンガーです。
ハーパーコリンズ、ロマンス・ファンタジー漫画を北米でデジタル配信
ハーパーコリンズ・ジャパンが自社の出版したロマンス・ファンタジー漫画を「BisouBisou Comics」のレーベルで北米でデジタル配信。個人的に好きな作品が入っているのでぜひ広がってほしい。うまくいけば紙版の出版もありうるのでしょうか?
SNS、一部の国で書籍の売り上げ拡大に貢献
フランクフルト・ブックフェアにあわせて公開された2024年1~8月の世界の書籍の売り上げ動向を分析したリポート。伸びている国・言語圏もあれば落ち込んでいるところも。書籍でフィクションが人気ということはロマンスやファンタジーを扱う漫画には追い風になりそう。言語圏ではスペイン語
・ポルトガル語圏が好調だそうです。
そして取り上げられている「BookTok」ですが、一部の国でSNSでの書籍の紹介が売り上げ拡大を後押ししていることは事実。日本はどうでしょうかね?
追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。
書店経営の厳しさはつらい。もちろんいまは電子書籍などもありますが、最後の読者とのタッチポイントが弱くなればそれはじりじりと出版社にも逆風になります。その中でも漫画は特にデジタル化が進んでいます。もう売上の2/3が電子とのこと。ますます書店への足が遠のいてしまう。
今週はここまでー。引き続きよろしくお願いいたします。
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