マガジンのカバー画像

月桃記

47
調 | つりあいがとれる。ととのう。ととのえる。 音声・文章などの展開に感ぜられる気分。
運営しているクリエイター

2024年4月の記事一覧

読みたい本がわからない

読みたい本がわからない

五月になると
多くの日本人に忍びよる五月病というやつ

もれなくわたしの元にも
その足音が聞こえている
心の落ち着かないのが
自分でわかる

心の騒がしいときは活字を欲す
読書はわたしの心を
穏やかに 優しい方法で
鎮めてくれる

なのに
読みたい本がわからないことがある

藁にもすがる思いで
手当たり次第に書物を開いていく
どの文字もが
手もとからすべりおちる

連鎖反応のように
次第に心のざわ

もっとみる
あたらしいわたし

あたらしいわたし

風が吹いて
木々が揺れる
鳥の囀りがわたしの耳に届く

目を瞑って外側に心を向ける
どこかで水の流れる音がする

わたしは自然の中のひとつだとわかる

知恵をもつ生き物でよかったと思う
生かされていることをわかるヒトでよかったと思う

平和な場所に暮らしていることが
わたしにとってこの上ない幸せだとわかった

そんなふうに、今この身体が云っている
こんな日こそ
私史上に記録せねばならない日

04

もっとみる
出会いの春

出会いの春

雨の日は音楽は流さずに
外からの音を流しこむ 今日の月桃
雨音と文字はなんでこんなに相性がいいのか

出会いはいつも唐突で
わたしの時間では
ほんのひと時で はじめましての瞬間は終わってしまう
あの話もしたかった、これを聞こうと決めていたのに
なんてあとからたくさん思い出されて
新しい出会いの喜びに 心がきゅっとなる

はじめての瞬間は 確かにほんのひと時だけれど
これからのすべての時間のはじま

もっとみる
言語化、、、可視化?、、表現のこと

言語化、、、可視化?、、表現のこと

言葉にするとかしないとか
できるとかできないとか
そういう事を何度もこのnoteに綴りながら
考えてきた

今日、楽しみにしていた展示で
一瞬だけ言葉に対して晴れ間が見えた
、、ような気がしたから
霧の山道からほんのひと時だけ雲が下になる瞬間みたいな
見えたあの空を忘れる前に
必死に脳裏の画を引き戻しながら 今日また綴る

わたしが想いを言葉にすることを躊躇うのは
伝えきれないもどかしさに敗北して

もっとみる
あたらしい空気

あたらしい空気

どうやら町の子どもたちに新学期がやって来たみたい
あたらしい空気が流れ始める

店先の木香薔薇が満開になったり
販売している本が少なくなっていたり
揺れる植木を眺めながら風を見たり

どうして新学期とか新年度とかいう言葉は
こんなにもあたらしい空気を纏うのか
悪くない。なんて思ったりして過ごす

この前お客さまが貸してくださった漫画
よかったんだよなあ今日読み返そう
って思うのは今朝で3日目だった

もっとみる