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月桃記

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調 | つりあいがとれる。ととのう。ととのえる。 音声・文章などの展開に感ぜられる気分。
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所有する、とは 、大人になる、とは

所有する、とは 、大人になる、とは

いろいろのものを手放したい
最近よくわたしの中にやってくる気持ち

そこにあるものがわたしに所有されている
、、、
これがどうもむずがゆい、なんかいや
手放したい衝動に駆られる

一方で
所有させないで欲しいというのは
責任逃れな気もする
そもそも所有しているという考え方も少々傲慢だなと思うのに
わたしのものではないままそこにいて欲しいなんて
わがまま極まりないよなあ
少女漫画に出てくるあの最後に

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ソウイウモノニ ワタシハナリタイ

ソウイウモノニ ワタシハナリタイ

久しぶりに時間を取ってきちんとSNSを見たけれど
やっぱりなんだか肌に合わないのです
見れば見るほどに飽きてしまうし
それなのに
本を読むエネルギーまでも吸い取られてしまう

お店のSNSもほどほどに無理なくやっているのだから
他人から見れば
じゅうぶんに離れている側の人間なのだろうけれど

なんかもっとこう、、、
無理矢理背伸びさせたがってくる媒体だったり
個人の感想を世間の感想みたいに表現しち

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子どもたちの生きる世界がきらめいてみえるのは幻想なのか

子どもたちの生きる世界がきらめいてみえるのは幻想なのか

子どもたちの下校の時間
だれかの泣き声が聞こえている

まだ小さな子どもの声らしい
どうしたのかと思っていたら
一度通りすぎたランドセルの別な子が
「早く来て!ほら帰れるよ!」
と。

こういう景色が日々目に入ると
なんだか心が清らかになるんだよな
なんて雑な思考を巡らせていたとき
さっきの“別な子”に
わたしは目をみはることとなる

「ほらいくよ、涙、流さないで!」

え、なんて言った??
“泣

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空

最近「空ける」によく出会う

予定を空ける
書棚を空ける
行を空ける
間は “とる” だったかな

「空」という文字が好きだと思う

何もないがある

そんな特別な感じが好き

限られた範囲を少し空けると
いろいろのものが流れ込んでくる
きみたちは今までどこにいたのかと胸が躍る

空いている人が好きだし
空いているものが好き
空いているところに居たいし
空いている人でいたい

お昼ごろにいつもの喫

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読みたい本がわからない

読みたい本がわからない

五月になると
多くの日本人に忍びよる五月病というやつ

もれなくわたしの元にも
その足音が聞こえている
心の落ち着かないのが
自分でわかる

心の騒がしいときは活字を欲す
読書はわたしの心を
穏やかに 優しい方法で
鎮めてくれる

なのに
読みたい本がわからないことがある

藁にもすがる思いで
手当たり次第に書物を開いていく
どの文字もが
手もとからすべりおちる

連鎖反応のように
次第に心のざわ

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あたらしいわたし

あたらしいわたし

風が吹いて
木々が揺れる
鳥の囀りがわたしの耳に届く

目を瞑って外側に心を向ける
どこかで水の流れる音がする

わたしは自然の中のひとつだとわかる

知恵をもつ生き物でよかったと思う
生かされていることをわかるヒトでよかったと思う

平和な場所に暮らしていることが
わたしにとってこの上ない幸せだとわかった

そんなふうに、今この身体が云っている
こんな日こそ
私史上に記録せねばならない日

04

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出会いの春

出会いの春

雨の日は音楽は流さずに
外からの音を流しこむ 今日の月桃
雨音と文字はなんでこんなに相性がいいのか

出会いはいつも唐突で
わたしの時間では
ほんのひと時で はじめましての瞬間は終わってしまう
あの話もしたかった、これを聞こうと決めていたのに
なんてあとからたくさん思い出されて
新しい出会いの喜びに 心がきゅっとなる

はじめての瞬間は 確かにほんのひと時だけれど
これからのすべての時間のはじま

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言語化、、、可視化?、、表現のこと

言語化、、、可視化?、、表現のこと

言葉にするとかしないとか
できるとかできないとか
そういう事を何度もこのnoteに綴りながら
考えてきた

今日、楽しみにしていた展示で
一瞬だけ言葉に対して晴れ間が見えた
、、ような気がしたから
霧の山道からほんのひと時だけ雲が下になる瞬間みたいな
見えたあの空を忘れる前に
必死に脳裏の画を引き戻しながら 今日また綴る

わたしが想いを言葉にすることを躊躇うのは
伝えきれないもどかしさに敗北して

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あたらしい空気

あたらしい空気

どうやら町の子どもたちに新学期がやって来たみたい
あたらしい空気が流れ始める

店先の木香薔薇が満開になったり
販売している本が少なくなっていたり
揺れる植木を眺めながら風を見たり

どうして新学期とか新年度とかいう言葉は
こんなにもあたらしい空気を纏うのか
悪くない。なんて思ったりして過ごす

この前お客さまが貸してくださった漫画
よかったんだよなあ今日読み返そう
って思うのは今朝で3日目だった

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綿毛

綿毛

風に乗ってる綿毛をはじめて見た
誰にも気づかれずに
風の向かうままに浮かんでた

ちょっとだけ
たんぽぽはるかの気持ちになれた
あしたから四月

0331

春の鬱

春の鬱

いろいろのことが不安になったり心配になったり
これはもう、、生きていけるかなあって
しばらく惰性で過ごしてても
たまたま大好きな人と空の下で話したりすると
なんだか頭がすっきりしてきて
なーんだいつもと同じ大したことないじゃん大丈夫か!
って気持ちになるから
大好きな人とあたたかな自然には
死ぬまで感謝したい

そして、朝目覚めたときに
すべての人や ものや 事に対して
じんわりあたたかい感謝がや

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語り明かしたよ

語り明かしたよ

朝5時

待ち合わせた19時半からずうっと
真剣に “会話” してた
他愛ない話題でも 心地よく丁寧に会話だった
はじめてこんな人と出会ったかもしれない
と、思った

ちょっと喋りすぎちゃったなあって気持ちが
いつまでも来ない
いつまでも心地よい

わたしが心地よく話したってことは
気を遣ってくれたんじゃなかろうか なんて心配もよぎったりする

だけど、約束したから。
この時間を
よかった〜って

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雨

朝から春らしい雨が降っていて
窓の向こうからしとしと聞こえていた

お店について
今日は雨音をBGMに営業しようと思った

水滴を煌めかせて嬉しそうな植木
静かな街と
お湯の沸く音
ストーブが頑張る音

わたし最近焦ってるな

何があるでもないけれど
何もなくてもなんだか焦る春
他人の焦りにもっていかれる春
深呼吸しよう
ひとつひとつゆっくりで大丈夫

本を開いて昨日の続きから
雨音に耳を澄ませる

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すべての国語好きのみなさまへ | 『世界の読解可能性』

すべての国語好きのみなさまへ | 『世界の読解可能性』

とある人から「沢山本を読む人」として聞いた人がSNSで再版を喜んでいた本を
少し前に本屋さんで注文して、今日届いた
月桃までの道程はスキップしちゃいそうになった

「世界」を「読解力」で解くという魅惑的な視点
国語好き特有の 活字欲がざわざわする文章
この歳になっても読んで面白い 所謂説明文に出会えるとは

己の読解経験で生きる すべての人々に届いてほしい言葉たち
本日わたしに受肉いたしました

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