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おだやかに ある

残しておきたい出来事が
あれやこれやと続いて
あっという間に秋分が来た

すこしのあいだ子猫と暮らした
自分のことはすべて放り投げて
この手の中にある
小さな命を守ることしか考えられなかった
子猫はそんなことなど露知らず大きな欠伸をしていて
とても愛おしいと思った

広島尾道と岡山児島を訪ねた
大好きな場所
不便で豊かに暮らすのなら
児島がいいとずっと思っている

4年越しにいきたかった本屋へ赴き
好きな作家さんの絵を買いたいなと思ったりもして
幸せな旅だった

雷のすごい夜があった
なんだかいやに強いのではなくて
空から龍が降りてきそうな
静かに唸る雷鳴
耳障りのよい雷だった気がするのは寝ぼけ眼のせいなのか

午後の月桃
大好きな秋の夜長
朝の月桃もよいけれど
やっぱり夜もよくて
これから涼しくなっていくのがとても楽しみです

今朝、救急車を呼んだ
祖母が悶え這うわたしを見て手を震わせていた
救急を呼ぼうとしていてもなお
大切な人を不安にはさせたくないと、そんなことを思った

救急隊員がとてもあたたかな人だった
「大丈夫、大丈夫」「そうだね、苦しいね」「素敵なお仕事ですね」
唸り身を捩るわたしにそう言っていた
意識が飛ばないよう絶えずわたしを喋らせていただけなのだろうけれど
あんなにあたたかな「大丈夫」をもらったのは久しぶりで
深呼吸できた、心が安らいだ、すこし痛みすらおさまった
お兄さんがたの方がよっぽどかっこいい仕事だよと思った
「あれ、前も会いましたね」と言われて
そこは冷静に“それは嫌だな”とも思ったけれど

弱いものに寄り添う仕事はなんだってかっこいい
弱いものを安心させることは簡単そうでとても難しい
月桃もそんな場所でありたいとそう思った
わたしも彼らみたいな人でありたいとそう思った

宮沢賢治と金子みすゞが
アニミズムという同じ思想にいることを知った
名前をつけて括る行為は好みではないのだけれど
やっぱりわたしはこういう人たちが好きだと思った

金子みすゞは、宮沢賢治と並ぶアニミズムの巨匠である。アニミズムは、あらゆるものに生命を認める考え方だ。動物や植物をはじめとして、場合によっては石までも生きているとする世界観である。

みすゞの作品を発掘した矢崎節夫はみすゞの童謡を「小さいもの、力の弱いもの、無名なもの、無用なもの、この地球という星に存在する、すべてのものに対する、祈りのうただった」と言っている

声に出して読みたい日本語 | 齋藤孝

『隣の席の、五十嵐くん』という漫画に出会った
相変わらず広告の漫画に片っ端から釣られるわたし
久しぶりに純粋に好きな漫画、甘酸っぱい青春漫画

好きの指針を変えながら
青春漫画はいつまでも読んでしまうんじゃないかと思う
やっぱり人が人を好きになる姿ってこうあってほしいな、なんて
夢を見ていたいわけで
わたしもまだすこしばかり乙女なのかもしれない

児島の朝については
短いことばをあらためて

0922

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