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La La Landのあの曲をじっくり考えてみた

こんにちは:)最近再び映画『La La Land』のサントラを聞いています。映画館で一度観ただけですが、観ている時のわくわくした気持ちと、終わった後のなんともいえない気持ちは今でも覚えています。

今日はその『La La Land』から“Audition (The Fools Who Dream)”という曲をじっくり考えてみたいと思います!この曲はどの曲よりも「なんか深い..!」(語彙)という感じがしてずっと気になっていました。完全なる誤解釈だと嫌なので、DMM英会話の『La La Land』が好きという先生と一緒に意見交換したりもしました。今考える自分の解釈を紹介したいと思います*

歌詞全文→和訳→解釈の順番で書いていくので、よかったら「自分だったらどう訳すかな〜?」と考えながらまずは読んでみてください:)わたしは翻訳家でもなんでもなく、ただの英米学科卒なんですが、お楽しみいただければ幸いです◎

1. 歌詞全文

My aunt used to live in Paris
I remember, she used p come home and tell us these stories about being abroad
And I remember she told us that she jumped into the river once, barefoot

She smiled

Leapt, without looking
And tumbled into the Seine
The water was freezing
She spent a month sneezing
But said she would do it again

Here's to the ones who dream
Foolish as they may seem
Here's to the hearts that ache
Here's to the mess we make

She captured a feeling
Sky with no ceiling
The sunset inside a frame

She lived in her liquor
And died with a flicker
I'll always remember the flame

Here's to the ones who dream
Foolish as they may seem
Here's to the hearts that ache
Here's to the mess we make

She told me
"A bit of madness is key
To give us new colors to see
Who knows where it will lead us?
And that's why they need us"

So bring on the rebels
The ripples from pebbles
The painters, and poets, and plays

And here's to the fools who dream
Crazy as they may seem
Here's to the hearts that break
Here's to the mess we make

I trace it all back to then
Her, and the snow, and the Seine
Smiling through it
She said she'd do it again

2. 和訳 

叔母は昔パリに住んでいて、家に帰ってきては海外の暮らしについて話してくれた
ある時川に飛び込んだ話をしてくれたことを思い出す、裸足で

彼女は笑って

飛んだ、何も見ずに
そしてセーヌ川に転がり落ちたの
水は凍てつくように冷たくて
1ヶ月くしゃみが止まらなかったけれど
またやりたいわと言った

夢みるものに乾杯
愚かに見えるかもしれないけれど
痛む心に乾杯
わたしたちのはちゃめちゃに乾杯

彼女は感情を捕らえた
果てしのない空に
額縁に入った夕日

彼女は酒と共に生き
揺れて消える火のように死んだ
その炎をいつも思い出す

夢みるものに乾杯
愚かに見えるかもしれないけれど
痛む心に乾杯
わたしたちのはちゃめちゃに乾杯

彼女は言った
少しの狂気が鍵なの
世界に色を与えるの
それがどこへ連れて行くかって
だからこそわたしたちが必要なの

反逆者たちよ
小石が生むさざなみよ
画家よ、詩人よ、役者よ

夢みるものに乾杯
狂っているように見えるかもしれないけれど
裂ける心に乾杯
わたしたちのはちゃめちゃに乾杯

今でもあの時を思い出す
叔母と、雪と、セーヌ川
彼女は記憶越しに笑って
言った、またやりたいわと

3. 解釈

翻訳どうでしたでしょうか?ご自身で考えていたものと同じところ、違うところはありましたか?

文字に起こして気がついたのですが、この歌詞は詩の要素がつまっています。

例えばrhyme(脚韻)の要素。

Leapt, without looking
And tumbled into the Seine
The water was freezing
She spent a month sneezing
But said she would do it again

Here's to the ones who dream
Foolish as they may seem
Here's to the hearts that ache
Here's to the mess we make

ボールド(太字)にした箇所は、韻を踏んでいます。細かい部分で言うと、looking, freezing, sneezingやSeine,againのところ、そしてdream, seemache, makeのところですね。ぱっと見綴りが違うので気づきにくいかもしれませんが、声に出してみると分かりやすいです。

また、alliteration(頭韻)の要素もあります。

So bring on the rebels
The ripples from pebbles
The painters, and poets, and plays

この部分のpainters, and poets, and playsのところですね。また、普通の文章だと”painters, poets and plays”というかと思いますが、間にandを挟むことでrhythm(リズム)を生み出してるかな、と思います。また、この箇所はrebels, ripples, pebblesの部分もrhymeかなと思います。

続いて内容ですが、この詩を端的に表すと「夢を追うアーティストたちに乾杯!」だと思います。この歌を歌っている主人公のMia自身も女優を志して、何度オーディションに落ちてもまた挑戦し続けました。この歌に出てくる叔母も女優でした。

何度も出てくる以下の部分からは、"Here's to~"(~に/を讃えて乾杯)とあるように、何度挫折しても夢を追い続ける人を讃えています。最後の行で“we”と言っているので、彼女自身もその夢を追う人だと分かります。

Here's to the ones who dream
Foolish as they may seem
Here's to the hearts that ache
Here's to the mess we make

以下の部分は解釈に悩みました。

She captured a feeling
Sky with no ceiling
The sunset inside a frame

叔母はどんな感情を捕らえたのか?果てしない空は、無限の可能性のmetaphor(隠喩)?額縁におさめた夕日は、映画の終わりのシーンのように、彼女の晩年を指すようにも思えます。幸せな人生だったのでしょうか。

一般的な人の求めるような安定した生活ではなく、アルコール依存症になりながらも自分の情熱を追って女優として生きた叔母。風邪を引いても、懲りずにまた冬のセーヌ川に飛び込みたいという台詞からは、何度もの挫折をものともせず、自分の情熱や夢をつかむために困難に自ら飛び込んでいく姿勢を感じます。

最後の”Smiling through it”からも分かるように、きっとたくさんの失敗も挫折も後悔しない、やり切ったと思える幸せな人生だったんでしょうね。この曲を聞いただけで、Miaの叔母さんは危なっかしいけれど、目が離せないような魅力的な人だったんだろうなぁと想像できます:)

愚かだとか、狂っているとか言われたり、一般的な人の生き方に逆らっていると思われがちな、夢みる役者やアーティスト。ただ、そんな人たちがいるからこそ、わたしたちの世界は色で満ち溢れているんでしょう。この映画がそうであるように。

最後までお読みいただきありがとうございました:)それでは!