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駆け出しスタートアップのインターンは危険かもしれない話

大企業・中小企業・ベンチャー企業、企業の規模は問わずインターンを募集する事は一般的になりましたね。

インターンはいいぞ!系の記事とか体験記とかは比較的多いのですが、
あまり企業側でのインターンの失敗とか、ネガティブな要素を含む記事は少ないなと感じたので書こうと思います。

今回の記事では、大企業や安定している中小企業ではなく、駆け出しのスタートアップでインターンをした経験談から書いています。
また、あくまで主観での感想の一意見である事はご留意ください。

また、わかりやすさのために「失敗」という言葉を使いますが、
採用に関した事に対してではなく、仕組みや環境を整えれなかった私たちの問題という意味での失敗です。


初めてのインターン生

私も大学院生の時に短期のインターンを2つ。長期(確か4ヶ月くらい?)のインターンを1つ経験しました。
結果、修士論文の研究テーマが決まったり、そのまま就職に繋がったので大きな転機だったと思います。

なので、インターンに対して否定的な立場ではありませんし、
実際にインターンを通じて企業に就職し、幸せに働いている友人が周りにたくさんいます。

実際にLiboraを設立した時に真っ先にインターン生を探しました。
結果として検索評価に関係するオープンソースのシステムを開発してくれ、Liboraの財産を残してくれました。
(現在、最後の修正中で後日公開となります)

ですが、そこに到るまでには参加してもらう立場としては多くの失敗をしてしまいました。


インターンに対するスタンス

何を失敗と捉えるかは、何を正しいとしているかに依存するので、
失敗談を語る前に私個人のインターンの捉え方について共有したいと思います。

ある程度の規模以上の企業が行うインターンは、採用目的・広告目的が多く、特に大手企業だとその傾向が強いように思います。
また、学生側にとっても、就職したい企業や業界に関わる機会を得れるので、win-winの関係だと思います。

学業を圧迫すると言う声に関しては、短期と長期で抱えている問題が異なると考えているため、

短期:1つ1つの企業の問題というより、いくつものインターン(というかほぼ採用試験)を受ける必要がある現在の就職システムの問題が大きい。
長期:インターン受け入れる企業が学問に対する敬意を持ち、配慮する必要がある。

というスタンスです。
総じては、本人が休学してでもインターンを通してビジネスを学びたい!みたいな強い意志がない限り、学業が全くできなくなるほどインターンで頑張る必要はないと思っています。


一方で、小さな企業だと、大手と同じく採用目的等でインターンを行う事もありますが、
単純に労働力として期待している企業も少なくないと思います。

企業によって異なりますが、基本的には社員よりもインターン生の方が給料が安くなります。
また、スタートアップに長期でインターンに参加する学生は、時間に余裕がある事が多いです。

そのため、圧倒的に人手の足りないスタートアップにおいては安価で戦力となってもらえるため、労働力としてのインターンを募集する結果になるのだと思います。

この点に関しては、
人手が足りない中で労働力を安く求めるのは経営として正しいと思います。
なので、学生を企業で雇って、力になってもらう事は良い事だと思いますが、
あたかも成長できる印象を与える綺麗な言葉として『インターン』を使ってしまっている企業があるところに違和感を覚えています。


成長を支える余裕がない!

では、そんな崇高な思想を持って臨んだインターン採用がどうだったかというと、
受け入れ側の企業としては改善しなければならない点ばかりでした。

一番の理由はタイトルの通り、余裕がない事です。

インターンに限らずですが、
スキル面であれ、スタンス面であれ、人に成長してもらおうと思うとなかなかに大変です。

特に社会人経験のない学生では、
いつの間にか当たり前になってしまっているビジネス上の知識や知恵もないわけで、
時にはゼロから教えなければなりません。

私の力不足を承知の上でですが、
駆け出し始めたスタートアップは、自社のプロダクトやサービスを伸ばす事に全てをかけなければ!というくらい追い詰められています。

その結果、
・ 雑な指示になってしまう
・ レスポンスに時間が空いてしまう
みたいな事が起こってしまいました。

超人的な人がいるチームであれば話は違うかもしれませんが、成長をサポートする時間を捻出するのが難しく、どうしても「見て学べ」的な状態になってしまう。

「見て学べ」は一つの方法ではありますが、住み込みレベルの密な関係にならない限りは難しい方法だと思います。
結果、インターン生には負担をかけてしまったと猛省しています。


最後に

Liboraでの初めてのインターン生は、メンバーの一人がものすごく頑張ってくれた結果、
一人で検索評価に関するオープンソースを作成し、公開できるところまで成長してくれました。

ただ、これはそのメンバーの頑張りによるもので、再現性がないため、
Liboraでは、成長をサポートする環境を整えれるようになるまで、インターン生を募集する事を止める事にしました。
そこに責任を持てるようになった段階で改めて、協力を募ろうと思っています。


繰り返しになりますが、あくまでこれはLiboraでの経験を通じて感じた私個人の感想であり、
世の中には始まったばかりの企業でも良いインターンを提供している会社さんも存在しています。

なので、スタートアップで長期インターンを探している学生が読んでくれているのであれば、
「本当に成長を支えてくれる環境が用意できるのか?」
というのを考えた上で探してみてもらえたらなと思います。


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