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面会交流支援をしている私から、あなたに伝えたいこと

子どもがいる家庭が離婚をすると、どちらか一方の親が子どもの親権者になります。多くの場合、親権者は同居親となります。
子どもと非同居親が会うことを面会交流と言います。
自分の子どもに会うのに「面会交流」という言葉に抵抗ありますが、日本の民法ではそう言います。

この面会交流が父母の話し合いでスムーズに実現できない場合、第三者機関機関が間に入って調整をします。
お子さんの受け渡しや、付き添い等の支援を行います。

私は2014年から、第三者機関で面会交流支援をやっています。
自分もかつては同じ立場だったので、何か役に立ちたいと思っていたところ、友人から紹介されて始めました。

面会交流で第三者機関が入らないといけないくらいですから、葛藤レベルのきわめて高い夫婦しかいないと言ってもいいでしょう。
そこに挟まれている子ども達をたくさん見てきました。(今でも見ています)

子どもが自分自身の自己肯定感を育むのに、父親と母親から愛情を受けることはとても重要です。
私は、父母に限らず、祖父母、親戚、子育てにはたくさんの大人が関与した方がいいと考えています。

面会交流支援では、荒れる子どももいます。

例えば私の子どものケースでは、私と面会交流した後は、子どもたちが同居親の言う事をきかなくなったそうです。
継母から言われたのですが、一か月かけて「しつけ」をするのに、面会交流後はできなくなって、最初からやり直しだと
文句を言われた事がありました。

また、私の姉も離婚し、一人娘が父親と面会交流を定期的にしていました。
姉は、「父親の元から帰ってくると娘が荒れる 」と言っていました。

荒れる子どもたちの反応を見て 、私はこう思います。
本来は一緒にいられるはずだった、いつも甘えられるはずだった親と、一緒に暮らせなくなった。会った時に甘えられて、嬉しい。その分、日常に戻ると寂しい 。けれどもその気持ちを同居親には言えないから、気持ちを抑えるためにとっている反応だと。
子どもは同居親が、自分が別居親に会うことをけっして良くは思っていないということを察しています。だから面会の時間を過ごして帰ってきてから同居親に楽しかったこと、寂しいと思う事は報告できません。その気持ちの整理をつけるのに、時間が必要なんです。
まして、同居親が別居親の悪口を言うと、なおのこと、子どもの心はぐちゃぐちゃです。
同居親が直接言葉にして別居親の悪口を言わなくても、子どもは親をよく見ていますので、すぐに察します。

現に、私の姉のケースでは、姉自身が、娘の父親である、元夫に感謝できるようになってから、娘の反発が無くなったそうです。自分にはできない事を、父親としてやってくれていると、感謝の気持ちを元夫に持てるようになったそうです。
それまでに7年以上もかかったようですが。
それからは、娘は父親との楽しかった話を母親にするようになったそうです。

自分の家族の悪口を言われたら良い気持ちはしませんよね?
子どもだって同じです。

違う反応を示す子どももいます。

子どもは親の期待に応えようとします。同居親が別居親に対して良く思っていない事に同調することで、良いことをしていると思い込む・思い込まされている子どももいます。
別居親のことを悪く言うことで、同居親が喜ぶと学習し、それを繰り返し続けているうちに本当に嫌いになったかのように、脳が学習してしまうのです。
こちらの場合は本当に怖いです。

子どもへの影響について記事にもなっています。
https://minnakenko.jp/kataoya-sogai-shoukougun-naze-okorunoka-douyattara-sakerarerunoka/

これを片親疎外症候群(PAS)と言います。
実際にPASになった子どもを 、私はたくさん見てきました。

親のエゴによって、大切な子どもが傷つき、その後の成長にも 大きな影響があることを分かってほしい。
相手を変えることは本当に難しいです。
支援者の立場ではもちろんのこと、本人が自らの意思で変えようと思わなければ、状況を変えることは困難です。

離婚後も子どもを中心とした関わり方ができるような親教育や制度が必要だと切に思います。

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