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ブラック・ジャック展に行ってきた。徒然なるままに感想を。

「医者はなんのためにあるんだ」

六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビューで開催している、手塚治虫ブラック・ジャック展に行ってきました。

なになに?はい、そうですね。

控えめに言って最高でした。

…で終わったら元も子もないですよね。

でも、ブラック・ジャックにガチ恋勢の皆さんなら分かってくださるのではないでしょうか。
QRコードをかざして入場してから出口のその一瞬まで、どこもかしこもブラックジャックだらけ。ちぇんちぇーだらけなんです。
まず、その時点でもう最高ですよね。

今回は原画が500点以上の圧巻ボリューム、確かに360度どこを見渡しても漫画のワンシーンで溢れていました。

劣化が進んでいる箇所は修正されており歴史を感じましたが、展示そのものはどちらかと言うと文字通りコミカルな見せ方で、不思議と古さを感じませんでした。

世界観にどっぷり浸かってついつい読み耽ってしまうのですが、あくまで一部抜粋。
物語のオチまでは読めないもんだから、焦らされてウズウズしてきて少し辛かったです(禁断症状かな?)。

どうも自分以外の人たちも似たような感じで、漫画に夢中になりすぎて隣の人にぶつかる事件が続出。笑

手塚作品がいかに人を引き込むかがよく表された空間でした。

あと、展示物の量に対して少しスペースが狭かったのもあります。
今回は隣の「北斗の拳展」とブースを半分こにしていたらしく(ディズニーの時はまるまるワンフロア使ってたのに)、その影響かもしれません。

ちなみに、私は家に帰ってから急いで本編を読み直しました笑

子供の頃は怖くて読めなかった手塚漫画。大人になって電子書籍で試し読みしてからどハマりして、一気にブラックジャック全巻を読んだ記憶があります。

それでも普段から漫画を読むほうではないので、この展示で久々に漫画の内容をおさらいしました。

物語一つ一つの名場面を見て、ブラックジャックの台詞一つ一つに胸を打たれました。

心臓がごとっと重くなって、5センチくらい体の奥の方に沈む感覚。

これが、今回の1番の収穫です。
そして、この1行のためにこの記事を書くことにしました。笑

あと物販コーナーに出て周りを見渡してから初めて気がついたのですが、やたら黒ずくめの服を着た人が多かったんです。
自分も含め。
(私は普段から黒ばっか着てるだけなんだけど)
その黒も、たまたまとか適当にって感じではなくて、ゴスロリチックなワンピースやモード系な服など、意図的に黒を基調としたコーデをしている方々が目を惹きました。

私はそういうの見ると、ついつい西洋占星術に当てはめてしまうのですが。
彼女たちのコーデは明らかに冥王星系のコーデだったんですよね。
いや、ブラックジャックだから黒っていうのは分かってるんですよ。
そうではなくて。

そもそも手塚治虫は蠍座で、月と冥王星が蟹座でおそらくコンジャンクション。
他にも冥王星が印象的なアスペクトがあります。
彼の作品、ひいては彼の人生そのものに投影されている"不死鳥"や"再生・復活"というキーワードがぴったりのホロスコープなんですよね。

ブラックジャックも、手塚プロが倒産してから書き始めたものだそうで、まさに失墜からの復活を象徴しすぎた作品。主人公の名前に冥王星のイメージである黒が用いられているだけでなく、ブラックジャック自身の(というか手塚作品に出てくる登場人物全般の)顔つきも、どこか影のあるセクシーな、蠍座そのものといった容姿。

もっと言うと、第一話に出てくるデビーという心優しい男の子がいるんです。
彼は母親と2人で小さな洋服屋を営んでいたようですが、金持ちの道楽息子を助けるために無実の罪を着せられ死刑になってしまう。
だけど、そこで泣きながらママに放った一言に衝撃を受けました。

「ママ、僕はただでは死なないよ。きっと帰ってくるよ」

言いますか?
めちゃんこかわいい顔した、いかにもか弱い青年が。
私が漫画家なら「ママ、いいんだ。僕、受け入れるよ。誰かのためになるならいいんだ。」くらいの優しさ全開ベクトルにしちゃうと思うんです。

もちろん話の流れのためかもしれないけど、手塚作品の登場人物は、一人一人がこうした強さを持っています。
時代背景も関係しているかもしれないけれど、手塚治虫の生き様そのものが投影されているのではないか、と私は思いました。
そしてこの生き方って、まさに冥王星がよく効いている"ただでは転ばない"、"地獄の底から蘇ってくる"生き様なんですよね。
(ジョジョなどにもしばしば見受けられますね。荒木飛呂彦も火星蠍座で冥王星が効いている)

読者は、無意識にそれを感じ取っている。
というか、その艶やかで恐ろしいほどの魅力に共鳴し、あるいは魅せられている人たちがファンなんだろうな、と。

それは最後のメッセージコーナーでも確信しました。
ブラックジャックに向けてメッセージ書けるコーナーがあったんですね。
小さな付箋にみなさんイラストやメッセージを書いていました。

いや内容よ笑

完全にガチ恋じゃん。

そんなメッセージが多くて、私としては「やっぱりライト層より濃いめのファンが多いのね」という感想になったのでした。

いろいろ書きましたが、やっぱりブラックジャック最高だな。

駆け足になりましたが、展示会から日が経たないホットなうちに書きたかったんです。

みなさんもぜひ足を運んでみてください。

https://blackjackex.roppongihills.com/


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