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京大模試全国1位が教える、受験前日当日の過ごし方

受験生のみなさま、こんにちは。いよいよ国公立2次試験まで残すところわずかとなりました。各々、志望大学の合格に向けて直前の追い込みをかけているだろうと思います。今がおそらく、学力のピークを迎えていることでしょう。しかし、その実力を本番で出せるかどうかは別です。緊張、寒さ、突然の体調不良、トラブル……受験当日には多数の不確定要素があり、期待どおりの力を発揮できないことが往々にしてあります。

そこで本noteでは、そのような受験本番で、できるだけ実力を最大限に発揮する「当日の過ごし方」を紹介したいと思います。この記事がみなさまの合格に貢献できれば、この上ない喜びです。

みなさまの貴重な時間を奪うのは大罪に値しますので、下記の目次から、気になるところだけを読んでください。


私が受験生だった頃の実績

どこぞの馬の骨が受験について云々語っても、受験生のみなさまには信じてもらえないでしょうし、逆に邪魔なノイズになってしまうかもしれません。まず初めに、ある程度の信頼を持ってもらうために、簡単な実績を紹介します。

・現役時、京大オープン実戦ダブルD判定→京大落ち
・浪人時、京大実戦で総合点全国1位
・京大合格


浪人時代の京大実戦

この実績を取るに至った経緯や勉強方法については、また今度別の記事で紹介したいと思います。伝えたいことは、受験においては、2回に渡る本番の経験と、ある程度の実績がありますので、今回教える内容を参考にしていただければ幸いです。

前日

前日にすべきなのは、睡眠時間を確保すること
全員に共通するのは、これだけだと思います。
「受験3日前からは過去問を解いても意味ない」
「今までの復習しかするな」
など、さまざまな言説がよく入り乱れていますが、ここらへんは個人の勉強方法や考え方によって違いますので、各々好きなように勉強してください。ちなみに私は、問題に対する感覚を鈍らせたくなかったので、前日でも明日の科目の過去問(冠模試の過去問)をバリバリ解いていました。

睡眠時間が十分に取れていると取れていないでは、冗談抜きに点数が変わります。身体面では、とっさのひらめき、注意力、答案作成の詰めなど、さまざまな場面でパフォーマンスが低下します。精神面では、「睡眠時間が短かった」という事実を当日抱え込んでしまい、実力を発揮できないのではないかという、ある意味プラシーボ効果にような不安を抱いてしまいます。

パフォーマンス、メンタルの両方に関わってくる問題ですから、必ず睡眠は十分に取ってください。最後の暗記事項の詰めとかより、睡眠の方が大事です。

なお、緊張のせいで寝つきが悪くなることが予想されますから、いつもより1、2時間くらい早くベッドに向かいましょう。

会場に到着するまで

ここではあまり注意することはありませんが、強いていうならば
会場に早く着きすぎないこと

ここで実体験を1つ。
京大は試験開始が9:30からで、確か8:30くらいに集合だったような気がします。現役の時は、京大に行ったことが全然なく不安だったので、確か8:00ジャスト付近に大学に着き、係の人の案内を待っていました。

集合場所に設定されていた総人広場は、最後の詰めこみで参考書を開いている受験生であふれかえっており、座れずに立ったまま勉強する人も多くいました。寒空の下、みんな自分より頭がよく見えて、本当に受かるのかと萎縮した記憶があります。受からなかったんですけどね。

しかし、そんなことはどうでもいいと思えるくらい、キツイことに気がつきました。それは、
寒すぎる
ということです。ポケットから手をだして、参考書のページをめくるのもはばかられるくらいでした。さらに悪いことに、集合時間の8:30になっても何の声もかからず、そこから少し経ってアナウンスがあっても、受験番号順に教室に呼ばれる形式でしたので、番号が後ろの方の私はそこでも待つことになってしまいました。

結局、少なくとも40分以上は待つことになって、手のかじかみも震えもひどくなりました。それが最初の科目である国語にも尾を引いてしまい、文字を書く速度がいつもの2分の1になるわ、字は汚くなるわで最悪でした。

これは京大の受験ですので、大学ごとに違いはあると思いますが、あまりにも早く着きすぎると私のようになる可能性があります。したがって集合時間の15分前くらいがベストではないかと思います。もちろん、これは電車のような定刻に着きやすい交通手段を使うときのストラテジーであって、バスみたいに遅れやすい乗り物を使うときは余裕をもって向かいましょう。

あと寒さを和らげるために、カイロは必須です。これがあるとないとでは、リアルに1科目の辛さが段違いになります。

教室に入室してから試験が始まるまで

教室に入って自分の受験番号が書いてある席に座ったら、何よりもまずシャーペン、消しゴムを取り出して「いつでも」答案を書ける体制を整えましょう。シャー芯がきちんと入っているかどうかのチェックも忘れずに。そして念には念をいれ、トイレにも行っておきましょう。

1科目が始まるまでそんなに猶予はありませんので、前日にまとめたノートや単語帳、参考書などなんでもいいですが、サラッと流して復習しておきましょう。そんなに追い込んで最後の詰めをやっても、おそらく的中などはそんなに無いと思います。したがってカイロで指を温めて手のかじかみを改善させることを優先させます。

試験が始まる直前では、共通テストであったように「無」の時間が存在します。そのときに大切なのが、
少しでも落ち着くようなマインドを持つこと
です。やはり人生を変える瞬間に立ち会っているときのプレッシャーは半端ではありませんし、今すぐこの教室から出て、家に帰りたくなります。しかしここで緊張や不安を大きくしてしまうと、それこそ5分後には始まってしまう「人生を決める時間」で納得のいくパフォーマンスを出せずに、のちのち後悔します。よってこのリスクを少しでも回避するため、私は以下のような言葉を頭の中でくり返し唱えていました。

・どうせ数時間後には帰りの電車に乗ってる
・試験は「もう一人の僕」が自動でやってくれる
・試験中、わからないところがあっても、その「もう一人の僕」がなんとかしてくれる

特に下2つは絶大な効果を発揮します。みなさんも模試や共通テスト本試で経験がおありかと思いますが、試験中は無我夢中、必死に目のまえの問題を考えます。そのとき「普段の自分」はどこかに行っていませんか?代わりに「試験を解く自分」というもう1つの人格が立ち現れていませんか?

そうです。結局、試験を受けるのは「もう一人の僕」なのです。よってこれから始まる本番のことは全部彼に任せて大丈夫です。
「どういうことか」の問題も、彼が勝手に傍線部周辺から解答してくれます。
「〜であることを示せ」の問題も、彼が勝手に飛躍なく論証してくれます。
「文章を英訳しなさい」の問題も、彼が勝手に使える表現で書いてくれます。

つまり試験前の「普段の自分」が緊張や不安を抱く必要はないのです。ただあなたは「試験中の自分がんばれ〜」と思いながら、座っていればいいのです。

以上が始まるまでに意識してほしいことです。
なおこれは京大にフォーカスした話になりますが、京大は試験前に試験官に言えば(というかその専用の時間がある)水を試験中に飲んでもいい許可が降りますので、必ず申請しておきましょう。焦ったら水を飲んでリセットです。

試験中

ここはみなさんが事前に考えてきた戦略で臨んでくれれば結構です。ベタですが確実に言えるのは
決して諦めてはいけない
ことです。試験中「あーこれわかんね落ちるわw」と思っても、決して投げやりになってはいけません。大学の採点基準は明らかに模試とは違いますし、大体甘いので、思ったより点数は来ます。なので、自分の持てる最大限の力を最後まで注ぎこみ、解ききりましょう。

なお、試験中に「普段通りにいかん!わからん!」と思っても大丈夫です。試験本番はやはり過去問演習とは別格で、独特の「空気」が漂っています。いくら完璧に準備してきたとしても、この特別な場で100%の力を出せるわけがありません。他の受験生もそう思っているので安心してください。
あなただけがハンデを背負っているのではなく、全員が背負っていますので、実質イーブンです。

休み時間

休み時間の過ごし方は非常に重要です。各々がこれまでの模試や共通テスト本番で確立してきた過ごし方があって、それがベストならそうしてくれればいいのですが、私が強くオススメするのは
仮眠をとること
です。2次試験はこれまでの模試や、あまつさえ共通テスト本試とも異なり、おそらく人生で一番頭をフル回転させる時間です。1科目解いただけでも、極度のプレッシャーと脳の酷使のダブルパンチで、えげつないくらい脳に負担がかかります。どれくらいかというと、脳がオーバーヒートを起こし、熱さと痛みを感じます。明らかに脳が悲鳴をあげているのがわかるのです。その脳を休み時間に仮眠をとって休ませましょう。

私が実践していたのは、まず終わって速攻トイレに行って帰ってきます。次に、昼ご飯のパンを速攻で食べ、机に突っ伏しながら目を閉じます。この際、脳にブドウ糖を供給してあげたいので、寝ている状態をキープしつつ一口チョコレートを口に運びます。つまり寝ながら手だけ動かしてチョコをつかみ、食べるという形になります。最後、集合時間の5〜10分前にもう一回トイレに行きます。

これが仮眠をとる上で、最も効率的なのではないかと思います。15分〜20分程度寝た後は、次の科目の勉強を始めます。なお私がそのような勉強で意識していたのは、「次の科目の頭に切り替える」ことです。具体的には

・国語なら過去問なり実際の文章を読む
・数学なら実際に手を動かして、計算多めの問題を解く
・英語なら長文を何個か読む

といった感じです。特定の分野を勉強しても(例えば英語なら、単語帳を見返すなど)出なければ意味がないですし、何より直前で得た知識は、曖昧に覚えているという点で本番ではノイズになりかねません。それよりかは、上のような方法で科目間で頭の切りかえを行い、その科目全体の地力を上げるようにした方がいいです。要は次の科目に脳を「慣らす」のです。

ちなみに、屋外に出てご飯を食べたり、散歩するのは個人的にはオススメしません。なぜなら、これもまた寒さによりパフォーマンスの低下を招く恐れがありますし、なにより貴重な時間がもったいないです。10分あれば長文1コ、余裕で読めます。気分転換や休憩という外出の目的は、仮眠で満たせますので、わざわざ外に出る必要はないかと思います。
(普段から外に出ており、それが自分にとって最高の休憩であるという方は、普段通りそうしてください)

次の科目が始まる前、また「無」の時間がありますが、ここでも机に突っ伏して、少しでも脳を休める時間を確保しましょう。周りの人はだいたい起きて正面を向いていますが、気にしなくて大丈夫です。与えられた時間を余すことなく、最大限に活用しましょう。大体3〜5分前くらいに起きればよいです。
*完全に眠るのはやめましょう!あくまで仮眠なので、意識は残しておくように!

試験後

お疲れ様でした。速攻帰って休みましょう。2日目がある人が注意することとして、
Twitterを見ない
ようにしましょう。あれはノイズでしかありません。易化難化など、無数の主観が入り混じった地獄です。そこで一喜一憂するよりも、明日の科目の勉強をしましょう。

なお、その勉強も早めに切り上げて寝ましょう。多分脳が死んでます。しっかりと休みをとってください。1日目死んだなーと思った人も、萎えてやる気なくすとかは辞めてください。人生がかかっている場面で、受かる可能性を0.1%でも積み上げるのは至極当たり前のことです。先ほど言ったように、大学の採点はブラックボックスで予想できませんし、まあ割と耐えていることが往々にしてあるので、2日目が終わるその時まで諦めないようにしましょう。

おわりに

長かった受験生活も、あと本当に残りわずかです。あと少しだけ頑張れば、辛かった勉強から解放されて、自分の好きなことを思う存分できるようになります。ですから、悔いの残らないよう、全力でラストスパートかけてください。

この記事が受験生のみなさまに対し、少しでも当日のパフォーマンスを向上させることに寄与することを願っています。

また別の記事で会いましょう。

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