期待のワクチン。。。その2

前回の「期待のワクチン。。。」https://note.com/lhc_junko/n/nb0711e4d85f1を書いた後、副反応について書かれた論文を読みましたので、そのことについて少し書いておきたいと思います。

重大な副反応とは

英国や米国でワクチン接種が開始されました。臨床試験で接種されたのが数万人、それよりももっともっとたくさんの人達に接種され始めています。

それによって、わかってきた副反応について、早速論文が出ています。
これまでの通常のタイプのワクチン（死菌、弱毒菌などを入れたワクチン）では、100万人に1人くらいに出現する結構重大な副反応として、「アナフィラキシーショック」というのがあります。

この「アナフィラキシーショック」というのは、急性アレルギー反応の1つで、治療されないと死亡することもあります。日本では、食物や吸入に起きたアナフィラキシー反応で、毎年50-70人くらいの人が亡くなっているものです。

ショックを起こす原因物質

この副反応の起きる頻度が、既にいち早く新型ワクチンの接種の行われ始めた国で出現し始めているのです。先ほど書きましたように、これまでのワクチン接種でも100万人に1人くらいはこのショックを起こしていました。でも、新型ワクチンではおよそ10万人に1人くらい起きているというのです1)。その頻度は約10倍です。そして、その原因としては、ワクチンの主成分と言うよりも、添加剤であるポリエチレングリコール(PEG)（ファイザー社などのワクチンに入っている）あるいはポリソルベート(Polysorbates）（モデルナ社のワクチンに入っている）ではないかと考えられています。

これらの物質はこれまでのワクチンには入っていませんでしたが、今回の新型のワクチンには使われています。それは、菌やウイルスの死んだものや毒性を弱めたものではなくて、mRNA（メッセンジャーRNA）やベクター（遺伝子を細胞に送り込む役割をはたす人工遺伝子など）が入っているために、これらが注射された後細胞内に取り込まれやすくするために脂質が含まれているのです。

なぜって、細胞膜は脂質とタンパク質からで来ているので、細胞膜を通過させるためには細胞膜と親和性のある脂質が必要だから。そのために、これまでのワクチンには入っていなかったのに今回のワクチンには加えられているのです。

このPEGやポリソルベートに対する抗体を持っている人には、アレルギーが起きる可能性があるということです。このPEGやポリソルベートなるものを、私たちが体内に入れたことがあるかどうか、どうすればわかるでしょう？実は、これらの物質は、これまでのワクチンには入っていませんでしたが、実に様々な注射薬に入っているのです。薬の成分を細胞内に取り込みやすくするため、使われているのです。

PEGは、炎症を抑えるためのステロイド剤や貧血の治療薬、超音波検査の時にコントラストを付けるために注射するやくざいや抗がん剤に含まれています。
ポリソルベートは、抗糖尿病薬、抗炎症薬、抗真菌剤、抗腫瘍薬、乾癬の薬や抗リウマチ薬、などなどあらゆる薬に含まれています。
ただし、いずれも注射用の薬剤なので、病気で注射を打ったことのない人はあまり心配しなくてもいいかも？心配な場合は、自分で調べてみて2)！

あなたの選択は？

効果については、前回の記事https://note.com/lhc_junko/n/nb0711e4d85f1で書きましたので、その上でワクチンの効果に期待したいという方は、ワクチン接種を考えてもよいと思います。

でも、上に書いたような薬物による治療を受けたことのある方は、十二分に注意して下さい！少なくとも、万が一にでもアレルギー反応が起きた場合に、対処してもらえるような医師のいる病院などでの接種が、絶対必要だと思います。リスクを冒したくないと思うならば、「受けない」ことを選択する勇気を持ちましょう。

1) Mariana C.Castells, et al. The New England Journal of Medicine 2020, DOI: https://10.1056/NEJMra203543.

2) Aleena Banerji, et al. Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practice 2020, doi: https://doi.org/10.1016/j.jaip2020.12.047.

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