日本語教師になるには
このnoteでは、「日本語教師になる方法」「日本語教師の働き方」について紹介します。もちろん、ここで書かれていることがすべてではなく、ボランティアや海外に居住しているうちにはじめた人など、いろいろな働き方があると思いますが、「この仕事で食べていきたい人」向け、という観点で書いていきます。
目次
1. 日本語教師になるには
2. 専門学校の選び方
3. 仕事のさがし方
・民間の語学学校
・大学
・フリー
・公的機関の派遣(JICAボランティア、日本語パートナーズ、J-LEAP、日本語専門家)
1. 日本語教師になるには
日本語教師は「自称」でも働ける仕事です。医師や弁護士のように、国家試験はありません。(※2019年5月現在)ですが、プロの日本語教師として働くためには、だいたい下記3つの条件が求められます。
①大学で日本語教育を主・副専攻する
②日本語教育能力検定試験に合格する
③専門学校で日本語教員養成講座を受ける
専門学校でもいろいろなコースがありますが、基本的には「420時間日本語教師養成講座」受講が日本語教師として働く上での条件です。通学期間、実習の有無など、学校によって内容は若干異なります。予算は約50万円。(教材費除く)
費用面だけで言えば「検定試験合格」が一番手っ取り早く、安価ですみます。しかし、言語学や音声学など専門的な知識や、教案の書き方、実際の授業の行い方を独学で身につけるにはなかなか大変かと思います。
2. 専門学校の選び方
私は仕事をしながら、1年ちょっと専門学校へ通って資格を取りました。いくつか学校を見学しましたが、ポイントは、
①通いやすさ(立地、分校の有無、授業の時間)
②実習の有無
③費用
でした。とくに仕事は都内、家は横浜なので、週末は横浜でも勉強できるところを選びました。(といいつつ、結局都内まで出かけることも多かったけど。)
費用はどこもだいたい同じですが、「無期限で再受講可」や「海外で実習」など、内容によりオプション料金がとられるところもあります。
また、雇用保険の被保険者期間が3年以上の場合、「教育訓練給付金」が適用となり、10万円の補助金が下りる場合もあります。これはハローワークで自分が対象であるか、行きたい学校が対象であるかを事前に調べておくことが大切です。
3. 仕事のさがし方
・民間の語学学校
大学や養成講座の学校で求人募集をみたり、下記サイトを使って探すことができます。
http://www.nkg.or.jp/boshu(日本語教育学会)
http://www.e-tsudoi.com/db_job/job/job_bbs_list.php(日本語教師の集い)
http://www.sogakusha.co.jp/kyoshi-kaigai.html(そうがく社)
http://job.nihonmura.jp/(日本村)
http://nihongo-online.jp/(日本語オンライン)
働き方は常勤(フルタイム)もしくは非常勤(アルバイト・パート)で、待遇も学校によって多種多様です。行ける範囲であれば、授業見学へ行って、使っている教材や学校の雰囲気を自分で確かめるほうがベターかと思います。海外の学校は病気の際の保険や赴任時の航空券代(だいたい自己負担だけど)も聞いておきましょう。
「特別どうしてもこの国へ行きたい!」という希望がある場合は、私はその国にコネクションのある人へ空きポストがないか聞くか、語学学校や大学へ片っ端から履歴書を送るようにしています。
・大学
募集を見ると、最低でも修士卒以上、5~10年以上の実務経験が求められる印象です。海外ではその国の公用語あるいは英語が必須であることが多いです。
・フリー
資格や経験の有無問わず、海外で現地人と結婚し教えているひとやオンラインで教えているひと、地域の日本語教室でボランティアと教えているひと、
最近はyoutubeで動画を公開しているひとも多いと思います。
私もオンラインで少し教えていますが、食べていけるだけの収入を得られるのは、一握りの人気講師だけだと思います。いくつか副業をして、やるにはいいのかもしれません。
・公的機関の派遣
ここで紹介する派遣元はJICAと国際交流基金です。とくに自分自身が応募経験のあるものor実際にその役職についた知人がいるものをご紹介します。
①JICAボランティア
いわゆる「協力隊」。年齢や派遣期間によって、「青年」「シニア」「短期」に分かれ、年二回募集があります。私は二回も落ちましたが、大学生でも応募でき、日本語教育に関しては実務経験がなくても応募できる案件もあります。あと地域が選べる(希望どおりになるかどうかとは別として)ことや、高い語学力が求められることがないという点で、比較的応募しやすいのかなと。
日本語教育に関して言えば、「日系」案件があるので、文化伝承教育や子どもへの指導に関心がある方にもいいと思います。
②日本語パートナーズ
こちらも協力隊同様、経験を問わず、年齢も幅広く募集している制度です。「日本語教育の専門知識を問わない」という点では、協力隊よりさらにハードルは低いと思います。ただ、地域はアジア圏に限り、国によっては相応の語学力(英語)が求められる場合もあるようです。
③J-LEAP
年齢制限(満35歳未満)があり、専門知識(養成講座修了、能力検定合格等)や自動車運転免許取得が求められます。地域はアメリカ国内に限り、派遣先でリードティーチャーのもと、アシスタントティーチャー(英語のクラスにいる外国人の先生みたいなイメージ)として活動します。
応募や面接時に英語で対応する場面もありますが、TOEIC700点以下、英語にまったく自信のない私でも、お話をいただいたくらいなので、英語力で採用されてはいないと思います。
④日本語専門家
国際交流基金の拠点や各国の日本文化や日本語普及活動を担う機関へ、専門知識と実務経験をもつ人材を派遣する制度です。条件は修士卒以上、2年以上の実務経験。担当国ないし地域の日本語教師への研修やアドバイス、イベント企画をしています。(国や人によって違うかも・・・。)また、このほか、「指導助手」「上級専門家」もありますが、「指導助手」には過去に私は「養成講座修了予定・実務経験なし」の状態で応募し、撃沈しました。受かった友人は、日本語学校や海外での教授経験があり、面接で将来のキャリアプランを語れたようなので、ひとつ合格の目安であるかもしれません。四大卒以上でハードルが低いものの、ポストは限られた数しかないので、倍率は高いと思います。(たぶん)
で、結局どれがいいの?
という話ですが、人によってやりたいこと、働きたい国、キャリアプランが違うので、私が出会った日本語教師の諸先輩方も経歴は様々です。非常勤日本語教師兼主婦の方もいれば、基金の専門家として約2年単位で国を移動する方、通訳から日本語教師に転職し、大学の日本語クラスの主任になった方もいます。
自分の興味のある進路に進んだ人に連絡をとって、「どうやったらそこに行けるのか」、聞くことが一番の近道じゃないかなと個人的には思います。
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