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「ありがとう」を何度も何度も

ウェディングプランナーはモーニング姿のお父様、留袖姿のお母様の様子を見るのが好きな人が多いものです。
それは緊張感と清々しさが入り混じった表情をされる親御様の姿を見ていると、なぜか少しグッと来てしまうことがあるからです。
結婚式は新郎新婦お二人だけのことではないですからね。それぞれのご両家の新しい繋がりの生まれる日。
新しい家族の誕生の日になるのが結婚式です。

結婚式の当日を迎え、最初に到着するのは新郎新婦のお二人。
時には新婦とお母様が一緒に到着して、新郎様は少し時間を置いて来られる場合もあります。
お支度の時間はどうしても新婦様の方が時間がかかるものですし、入籍済みのお二人でも前日はご実家で過ごされるという方も珍しくはないからです。新しい人生の門出の少し前、きっとその夜は家族水入らずの時間を噛み締めるように過ごされる方が多いことかと思います。

大人になるまで育ててくれた親御様へ感謝の気持ちを伝えるのか、いつも通りに懐かしい夜の時間を一緒に食事をしたりテレビを見たりして過ごすのか。
それだって本当に本当に掛け替えの無い時間だったときっと感じるはずです。

やっぱり結婚するということは特別な出来事だから。

新郎新婦様の目線で物事を考えてみるのと、親としての目線で我が子の結婚を考えるのではやはり見え方も違ってくるものです。
今回は、少し親御さんの気持ちになってこのnoteを書いてみたいと思います。

明け方の空は少し雲が多い天気。前日は晴天だったのに今日はちょっとどんよりだなと思いながら日曜日を迎えました。

新婦のお父様はモーニングにお衣装を変えて控室にやって来ました。なんだかちょっと落ち着かない雰囲気で。
比較的時間に余裕を持ってお見えになっていたこともあり、控室はまだほとんどゲストは到着されていませんでした。
お着替えなどのお荷物をクロークで預かると、ソワソワしながら既に額には大量の汗が。
”同じ父親の気持ち”では無いけれど、こんな日に落ち着いていられる方がすごいことだろうなと感じながらクロークでのやり取りをさせていただきました。
この結婚式が離れ離れになっている家族が6年ぶりに揃う日。そう新婦様からも聞いていました。
久しぶりに再会した妹さんは夜に到着して募る話をしていたせいか、お父様はほとんど寝れなかったと笑いながらお話してくれました。

嬉しい気持ちが”ほとばしる”様なお父様。そんな風に見ていました。

家族が好きで、娘さんの結婚が嬉しくて仕方なくて。
それがなんだか次第にみんなに伝えわって来ました。

挙式のリハーサルにご案内する少し前
「そろそろご準備お願いします」
と声を掛けると
「まだ大丈夫だよね?」
と喫煙所にそそくさと照れ笑いを浮かべて移動して。

妹さんと一緒にご案内を改めて声掛けすると
「あ、そうか!じゃ、行くよ」
と吸いかけのタバコを消す。
ちょっと不器用な気遣いがこちら側としてはなんだか微笑ましくて優しい気持ちにさせられました。
モーニングに漂うタバコの匂いはお父様の匂い。
これはこれでなんだかいいものなんだろうなと感じました。

お父様は挙式でバージンロードを歩き、新郎様にバトンタッチした時も本当に嬉しそうにお二人を見つめて笑顔でいらっしゃいました。
ほんのちょっと目元に涙を浮かべながらエンドロールを見ていらっしゃったのを、どれだけの人が気付いていただろうか。

新婦のお父様というのは一体どんな気持ちになるのだろうと自分ごととして考えることがあります。

寂しい気持ちなのか。それともやっぱり嬉しい気持ちが大きくなるのか。

まだ先のことながら考えただけでもジーンとしてしまう感覚。それを思うと、目の前でこうやって嬉しそうにしていらっしゃる姿はなんだか眩しく見えてしまいました。そして結婚式を迎えることが出来たから見れたこのお父様の嬉しそうな表情。

そんな笑顔は結婚式の日にはたくさん溢れています。人の喜びに触れる時間。感情を湧き上がる瞬間が結婚式には秘められています。

披露宴がお開きになりゲストがみんないなくなったフロア。

お着替えを済ませたお父様が最後にクロークにいらっしゃいました。
本当に良かったよ」「結婚式っていいね
そう仰ってくださりました。こちら側が照れてしまうほどにお父様のお言葉はありのままおお気持ちを何度も何度もお伝えしてくださり、結婚式をつくることの本当の意味とやりがいを感じることが出来ました。

結婚式はいいことなんだ。

新郎新婦様からではなく、お父様からその言葉を聞くことはが出来たのは掛け替えの無いありがたい経験。静かなフロアに響く「ありがとう」の声が今でも忘れられません。

なんだか名残惜しくてお父様とエントランスから駐車場までご一緒に歩かせていただきました。終始笑顔で何度も「ありがとう」と仰るお父様。

また来てくださいね

そうお伝えして挨拶をしてお見送りをしました。また新郎新婦様とお父様でここで会いたいなと思いながら、遠く小さくなっていくお父様の運転する車を見送りました。

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静岡県浜松市にあります、ル・グラン・ミラージュでは毎週にnoteを更新しております。
具体的な会場のスペックよりも人の心や想いを綴る内容で書き上げるものにして、結婚式の素晴らしさや大切にしたいものをお伝えていきたいと始めております。

《ONE & ONLY》

ここにしかない結婚式を。ここだから叶う結婚式の時間を。
これからも実際の結婚式から私たちが感じたものを多くの人に伝えられたらいいなと思っております。

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