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所有が生まれ、神が育って、移動した。


狩猟採集は平等でした。
得た食べ物は、村に持ち帰り、村人で平等に分けました。
ただ不安定でした。自然の恵みは取れる量もランダムで保存もできません。

農耕民は安定しました。
耕作面積に対して、予想できる収穫量になり、保存できることで生活のリズムも生まれました。
ただ所有の概念が生まれて、保存する貯蔵量や所有する耕作面積など格差が生まれました。
所有するから主従関係が生まれ、奪い合う戦争が生まれました。


よく、欧米人は狩猟民族に対し、日本人は農耕民族で、暴力性が違うと評論しますが、これは全く間違ってます。
狩猟の時代はどの民族にもあり、後に農耕民族、遊牧民族などになっていきました。
暴力性は所有が生まれてから起こったことです。(アイヌの発掘調査では、人の殺し合いの跡は発見されておりません)
乱暴に分ければ、日本など温暖な地域は農耕民族、荒野など作物が育ちにくい地域は遊牧民族です。

遊牧民族は、荒野に生える草をヤギやヒツジに食べさせて移動し、そのヤギやヒツジの乳や肉を人間が食べます。
農耕と遊牧の違いは、定住か移動で、所有に関する概念は同じです。
遊牧民族は移動する分、他部族との接触が多く、交渉がうまく、戦争も強いところが生き残ります。定住の農耕民族は場数の差で交渉が上手くないのは当然です。日本の外交ベタ、中東の商い上手はこれです。

現在で言う、温帯湿潤な日本や東南アジアなど米の生産国は他国を攻める文明はありません。定住だから。
一方、中央アジア、中東、東ヨーロッパなど荒野の遊牧民や麦生産国は、他国を攻める移動侵略の文明です。
旧約聖書の登場人物は遊牧民が多く、移動侵略の物語です。

その旧約聖書のカインとアベル。
遊牧民(=アベル)と農耕民(=カイン)の争いで、最初の殺人と嘘であります。ここで、遊牧民の農耕民に対する優越性を正当化する解釈になってます。

白人が生まれたコーカサス地方からアーリア人が、東に進み今で言うイランインドを制圧、西に進んで今で言うヨーロッパ国人となりました。
ちなみに、インドのカースト制は、西から来たアーリア人がバラモン(司祭者)、クシャトリア(王侯、武士)として上に立ち、元々の原住民がバイシャ(庶民)、シュードラ(隷属民)などと支配階級分けされました。
また、ヒットラーのアーリア人優生学は、金髪碧眼の純血と言ってましたが、元のアーリア人は同じで数千年かけて環境に合わせた肌の色に分かれていきました。
そのアーリア人がイランで起こしたゾロアスター教が一神教の元になったと言われてます。
この一神教も、もともとは多神教で、その中の1人の神と契約を結ぶのが一神教です。
多神教VS一神教という概念も、誤解を与えてます。一神教の神が創造主とは後付けです。
旧約聖書の神も、唯一無二の神ではなく、多くの神の中から、私だけを信じなさいと言ってます。それが契約です。
(よく日本人が契約の概念がないと言われますが、それは当たり前です。もともと神の恵みのもとにいる日本人と、契約の元に恩恵が得られる神との違いです)
そのユダヤのヤーウェ、それにレジスタンスしたイエスのガッド、いや私が本当の預言者だとムハンマドのアッラー。
キリスト教とイスラム教が他国侵略能力が高く、それによって一神教が世界を占めましたが、本来は地球上全て多神教です。
ローマもギリシャもキリスト教になる前は多神教です。
ブリテン島や北欧なども、いまだに多神教が残って、キリスト教とミックスされてます。

日本も弥生時代から大和政権の時は他民族国際都市で、農耕民族になった弥生時代から戦争が生まれ、大陸文化の仏教が政権の進出に利用され、自然信仰の多神教からミックスされた多々神教になりました。
神道も、日本独特のものだと誤解してますが、民俗信仰のアミニズム精霊と、中国大陸の道教と、シルクロード文化などオールミックス。
日本仏教は別の宗教くらいオリジナリティーあふれてます。


よく日本人批判で、クリスマスのキリスト教から数日後に神道で盆彼岸に仏教と、信仰心がないとしますが、私は全く逆だと思ってます。
すべての神や宗教を受け入れ、占いや風水や鬼や龍なんでも信じ、縁起が悪いと言霊を信じ、スピリチュアルやオカルトまで信じる、信仰心の集大成が日本人だと思います。
お盆も仏教のようで仏教でありません。仏教は霊やあの世を否定してます。お盆は日本のアニミズムと中国大陸の道教のミックスです。

そんな超多々神教の日本人が、集合信仰の個別抽出でバラバラ感あるのに他人の目のは、共有する特定信仰がない故かもしれないと考えたりします。
だからこそ、一緒に田植えの時期を村で合わせる同調が、唯一の共有信仰の文化かもしれません。

駆け足で人類の表の歩みを書きました。
だいぶ端折ってますが流れはこんな感じだと思います。


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