ジェネレーションギャップ?!それとも……
最近衝撃的な出来事がありまして。
今日はそれについてちょっとだけ書いてみます。
そもそも何がそれほど衝撃的だったか。
とあるランジェリー愛好家のお若いお嬢さんが、
◆総レース(綺麗なシャンティイレース風の柄だけど価格帯的に安価なラッセルレースであろう)ランジェリーは安っぽくてセクシーじゃない
◆特にアイラッシュレースの縁の糸が出た部分が嫌だ
◆タンガのサイド(ウェスト部分)がレース製なのがフリルみたいで子供っぽくて嫌だ
と仰られているのを目にしました。
レース愛溢れる私からすると意外も意外、色々ビックリし過ぎて困惑しています(笑)
ダメだされていた部分、全部良いやん!
うちやったら大喜びやん!
↑私、大阪出身なので(笑)
と一人ツッコミ(笑)
これってジェネレーションギャップなのでしょうか。
それとも多様性ってことなのでしょうか。
世代間の認識の差ということで考えると、未だにレースに夢を見ているのは年齢層上の世代だけなのでしょうか(笑)←私はまだギリギリ30代ですけど(笑)
20代のお嬢さん方はレースなんて前時代的で古臭い!ババ臭い!と思っていらっしゃるのかしらん。
多様性ということで考えてみると、レースに興味無い・嫌いだという女性がいるのは当然で、それは私も理解しています。
けれど、その「興味が無い・嫌い」という理由は、
●女性らしさやロマンティックだったりする事の「押し付けがましさ」
●透け感のダイレクトなセンシュアリティや媚びている感じ
そういうことが嫌なのかなと思っていました。
でも彼女曰くセクシーさは欲しい。
「セクシーさ」を構成する要素には、女性らしさやセクシュアリティ、センシュアリティが含まれますよね。
ということは「レース」という「物」がもともと含有している女性らしさやセンシュアリティは、彼女の中では「セクシーさ」とは切り離されているのでしょうか。
総レースのランジェリーがセクシーでないとしたら、いったい何だったらセクシーなのか。
もちろんレースを使わないセクシーなランジェリーはたくさんありますよ。
チュールだけでカッティングやパターンの意外性なんかで魅せるとか、そもそも生地を使わず平ゴム等だけでボンデージシックに仕上げるとか。
少し前にアングラから一気に表舞台に現れファッションのトレンドになったラバー製のランジェリーなんかもフェティッシュで素敵よね。
シルクサテンだけで作った洗練されたシンプルなものも案外セクシーかもしれないし。
でもね、それがイコール「レースはセクシーじゃない」に結びつくものなのでしょうか。
カッコイイ女、ハンサムな女はレースみたいな前時代のフェミニニティの権化のような物は要らないという意味なのでしょうか。
ヘルシー=セクシーという意味なのでしょうか。
などと考えが堂々巡り状態で(笑)
なんだか哲学的になってしまって(笑)
私は本当にさっぱりわからないんですよね。
もしレースがセクシーではない理由をご存じの方いらっしゃいましたらご一報を!
ダメだされていたランジェリー自体は私が見るに価格帯(セットで5千円程)としては、デザインも素材も工夫してなんとかお手頃で素敵な物をというのが汲み取れて、その企業努力が素晴らしいなと思ったんです。
総レースでもオバさんぽいものではなくて、上品かつ年齢層広く使えそうでとてもいいんじゃないかなと思いました。
ここ7~8年くらい私自身ではインポートオンリーになっていて、国産はハイエンドブランド以外はウォッチもしていなかったので、案外国産メーカーも頑張ってるやん!と感心したくらいです(笑)
でも響かないっていうのは、素材のクオリティの問題なのでしょうかね。
5千円でシャンティイレースはどう頑張っても絶対無理だから、もう少し高価格帯の本物のリヴァーレース製のものを知れば意見が変わるかしらん。
本日掲載している写真はAgent ProvocateurのFrancoise。
長年APの定番商品で色違いも複数展開されていたのですが、私の手元に来てくれたのは定番色のピンクベースにブラックと、後年発売されたブラックベースにピンクのもの。
残念ながら5年程前に廃番となってしまいました。
こちらはご覧の通り総レースのランジェリー。
フランスの高級リヴァーレース、シャンティイレースで作られています。
シャンティイレースは柄が綺麗なだけでなく、縁の繊細なアイラッシュも魅力の1つ。
特にこのフレンチニッカーなんて!
ときめかない女性なんているの?!
というくらい華奢で麗しいでしょう。
この美しいレースの存在感。
圧倒的。
「アイラッシュが魅力の総レースで、ウェストもフリルみたいなレース付き。」
ダメだされていたランジェリーの要素そのまんまです。
私の大のお好みです❤︎
今は国産でも似たようなウェスト周りにフワッとレースをあしらったスカートタンガやボーイレングスも出ていますが、10数年前はインポートくらいしか無かったんです。
まだ国産だとアトリエで作ってくれるようなブランドでなければ、このレベルのレースは使ってないかな……。
是非お若い方もこういったクリエーションと呼ぶに相応しい綺麗なランジェリーをご覧になってみてほしいなぁ。
きっと価値観が変わると思うのだけれど。
ただのセクシーではなくて、隠しきれない知性が滲み出るセンシュアルなセダクティブな女性になれるランジェリーがあるのだと知ってほしいなぁ。
そしてできれば「セクシー」などという安直な言葉を使わずに、魅力を伝えられる女性が増えればいいなぁ。
※私は日本において使われている「セクシー」という、それこそ安っぽい言葉は嫌いなのです。
今回は他の方の言葉を引用しましたし、セクシーか否かというテーマでもあったので、便宜上使いましたが普段は使わないよう心がけています。
特に素敵なランジェリーには絶対に絶対に使いたくないのです。
そのためにも、Lingerie Evangelistの私は頑張る!(笑)
ランジェリーそのものの美しさや素晴らしさはもちろん、女性としての立ち居振る舞いや佇まいにもランジェリー選びは関わってくるのだと伝えたい。
追伸
奥のブラックベース×ピンクのセットは未だタグ付きです(笑)
定番色よりも後から入手したものなのでなんとなく取っておいたら、すっかりお蔵入り状態……。
こういう子が日の目を見るように、やはり展示スペースが必要だな。
今を生きる私達に役立つためなのはもちろん、後世に遺せる日本のランジェリーミュージアム創設のため、サポートいただけたらとっても嬉しいです。海外の文献蒐集と展示品(アンティークランジェリーやコルセット、ショーピースのオートクチュールランジェリー等)蒐集に役立てます。