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RUNNING LEANを読んで担当案件について考える #1

こんにちは、レタスです。
最近の週末は土曜日に10時間以上爆睡、日曜日に読書とnote執筆する過ごし方が定着してきました。休日のどちらかは自分でもドン引きなくらい昼寝しています...。たまには出かけたり運動した方がいいのかなと思う今日この頃です。

今日はずっと気になっていた『RUNNING LEAN』を読んでみて、について書こうと思います。会社の本棚から手にしたのはこの本。

たまたま身近にあったのが上の本↑だったのでそちらから読み始めたのですが、実は『リーン・スタートアップ』も気になっています。まだ読んでいないですが書名はよく聞くので、早めに手をつけたいな〜と思っているところ。


「THE LEAN SERIES」ではリーンスタートアップの著者エリック・リースがキュレーターを務め、各分野の人材が重要なトピックについて執筆した書籍を集めたものです。実践内容まで掘り下げ、読者がすぐに使える情報を提供しています。『RUNNING LEAN』では顧客が必要とするMVPを構築する方法、構築・計測・学習ループを高速化する方法、製品/市場フィットを達成する方法などについて具体的に解説しています。

それで今日は『RUNNING LEAN』を読みながら、その内容に沿って今担当しているサービスについて考えてみようと思います。
今回やりたいのは仮定の話。もしもプロジェクトがまっさらでこれから構築する状態とした時、本の教えの通り実行するなら何していくのか?を一度理解してみたいと思ったからです。場当たり的に力技のエイヤ!でゴリゴリ進行させることも大事ですが、「大筋を描く」ってことが自分はできてないなと思ったので。
本書を読みながら「うわ...これ...大事やわ...」と感じたテキストなども好き勝手拾いながら書いていきます。


「第Ⅰ部 ロードマップ」から

方法論を正しく利用するには、原則と戦術を明確に区別しなければいけません。原則は何をするかを導きます。戦術はどうするかを示します。
Running Leanの本質は、3つの手順に分けられます。
1. プランAを文書化する
2. プランでもっともリスクの高い部分を見つける
3. プランを体系的にテストする

p.3の冒頭がこちらです。原則と戦術。WhatとHow。
Whatに関しては自分がアサインされた時に既にあった企画とその事業部に即したものとします。事業部のミッションは「外国人が日本で働くのを当たり前にすること」、プロジェクトの内容は「日本で働きたい外国人専用のスカウトサービスをつくること」です。
今回本を読みながら考えていくのは主にHowの部分。Whatが決まっているところから、それをどういうプロセスでカタチにしていこう?というフェーズから考えていきます。ここで早々と「仮説と検証」のワードが出てきました。

ビジョンの可能性を最大限に活用するには情熱や決意が欠かせません。ただしビジョンを検証しなければ、独断的な信念の道を進むことになってしまいます。(…中略)強いビジョンは、理念や意義の形成に必要です。しかし、リーンスタートアップは信念ではなく、事実でビジョンを裏付けます。

ビジョンと事実の両方のバランスがないとサービスや製品としての実現、持続は難しいのですね...ビジョンをビジョンで終わらせないためにテスト・検証していくこと。...そのプロセス踏んで来なかったなあ...というか今その渦中にいます(だから今やるんですけど)。
いったん道筋立てて仮説検証を回すのと、「あれ?全然うまく回らない、次どうしよう?どこに手をいれよう?」に直面してから対応するのと、同じことをするのでも全然気持ちが違うことがわかりました。なので外れる前提でも良いので、ある程度計画と対応パターンの分岐を作っておこう...と思い始めたところです。


ビジネスモデルの仮説とリーンキャンバス

「最初の手順は、ビジョンを書き出して、少なくとも1人の人間と共有すること」(p.4)と書いてあります。事業計画書を書いても起業家の訓練にはなるかもしれないけれど「誰かと会話する」という本来の目的は達成できないと。
本書ではテストしていない仮説に基づいて膨大な事業計画書を書くよりも、リーンキャンバス図を書くことを推奨しています。

余談ですけど最近仕事してて「共有」ってめっちゃ大事なキーワードだなと思います。メンバーが近くて会話も多いので、考えが相手に伝わってると勘違いしていたり、個人の頭の中に考えや構成はあるけど他の人に伝わるようになっていない、などが多々あります(身に覚えがありすぎて震える)。
あと、リーンキャンバス。メソッドとしては知ってたんですけどなかなか実践的に触ってみるタイミングがありませんでした。自分が頭の中で整理するために作ってはみたかったものの、プロジェクトが既に発進したあとから作ったところで何か変わるのか?周囲に見せたところでどう活用すればいいんだろう?という気持ちもあり手付かずでした。ですがここではまっさら状態からプロジェクトについて考えられるので良い機会。本と一緒につくってみたいと思います。

こちらにダウンロード可能なテンプレートを見つけたので拝借しました。感謝です〜

リーンキャンバスとはビジネスモデルの概要を1ページにまとめたもの。そのコンパクトな図の中に9つの項目が入っています。リーンキャンバスの主な利点は高速性・簡潔性・携帯性。時間をかけずに書くことができ、限られたスペースに収める必要があるのでうまく要点を抽出でき、1ページなので多くの人への共有が可能になる点です。


「ビジネスモデル」が製品

あなたの「製品」は製品では「ない」(p.6)

あれ...、プロダクトをつくると思っていたものがいきなり製品ではないと言われてしまいました。。ちょっと不意打ちをくらった気分です。
「投資家や(もっと大切な)顧客は、課題のことを気にかけているのであり、あなたのソリューションには(まだ)関心がありません。」と。プロダクトそのものに目が行きがちですが、ビジネスモデル全体が製品...
「リーンキャンバスとは、ビジネスモデルを9つの部品に分解し、リスクの高いものから体系的にテストするものなのです。」ともあります。
プロジェクトにジョインした時は「なんかスカウトサービスを作るらしい」というところから入りましたが、製品ってUIがうんぬん、機能がうんぬん、利便性がうんぬんから入るものじゃなくて全体が俯瞰できてないと成立しないんですね。当初は初めてのUI制作担当でしたし、画面をちゃんと作れるのかな?!でいっぱいいっぱいで、製品についてメタ的にみるなんて程遠かったなあと思います(今もそんなに変わりませんが、、)。

成功する製品を構築するというのは、リスクを緩和するということです。顧客があなたから何かを購入するというのは、あなたが顧客の課題を解決できると思われているからです。
スタートアップのもっとも大きなリスクとは、誰も欲しくないものを作ることです。

どちらもグサグサきます。うぐ...。
もちろんサービスが最初から成功するなんて思っていませんが、時間もお金も人員も投資するのであれば、どうせなら使われるものを作りたい...。また、企画が始まっていた時点で「課題解決になるのだろう」と漠然とした考えだったので、そのニーズや課題解決方法自体が求められるカタチなのか検証していくということも今後念頭に入れたいと思いました。



次に、スタートアップのステージ。3つあります。
1. 課題/解決フィット
2. 製品/市場フィット
3. 拡大



1. 課題/解決フィット
・顧客が必要としているか?
・顧客はお金を支払ってくれるか?
・実現可能か?
定性的な顧客観察とインタビュー技法を組み合わせてこれらの質問に答えていく。そこから適切な課題に対応する最小限の機能を引き出す。MVP(Minimum Viable Product)と呼ばれるものですね。

...顧客観察とインタビュー。リサーチ...。業務で実践的にやったことないんですけどこれは少しずつでも取り組み始めた方が良いのだろうなと。後の章で書いてあるので顧客の潜在層にどうアプローチしたらいいのか、読み込もうと思います。オライリーの『UX戦略』読んでたときもそうなんですけど、市場調査やUX設計に必ずといっていいほど観察やインタビューの項目がでてきます。工数や役割的にもデザイナーがどの範囲まで担えるかにもよりますが、少なくとも必要性を感じた誰かがやった方が良いのでしょう。今はただ読んでるだけなので身に付けたい。
あと、MVPの定義。これって他社さんがゼロイチのサービスを立ち上げる時にどうライン引きをしているのか本当に知りたいのですが、最小限の機能ってどこだよ...頭の中で考えてもわからないよ...と思っていました。しかし当テキストによるとMVPを定めるためにも顧客へのアプローチが必要みたいです...(?)
「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう。」というヘンリーフォードの有名な言葉があります。顧客は自分が求めているものを知っているわけではない、それはそうなんですが「移動が速くなる手段」が欲しいことは答えてくれている。
スカウトサービスであれば求職者側の望むことは「就職すること」であり企業側にとっての望みは「人が採れること」です。それを実現させるためには
・求職者が登録し、
・情報が適切に入力され表示できること、
・企業側が欲しい人材を検索でき、
・その情報を閲覧して対象者を選び、
・スカウトメッセージを打てること、
・そして両者がメッセージをやりとりできること
が必要なのでしょう。(ただ、それが成りたつには【適切な情報】や【欲しい人材を検索】、【両者ともにアクティブ状態である】であるなどの他の条件も付随すると後になって気づいたのですが...。)
このミニマム機能を仮説で決める時の裏付けや、「適切な情報」の適切さって何?「欲しい人材って何基準で探してるの?」を因数分解するときの手がかりが顧客への「観察」や「インタビュー」なのでしょう。その最低限のニーズを捉えて解決するところをMVPとするのかなと(という解釈であってるのかな?わかりませんが...)。顧客の声を鵜呑みにするわけでも、全く聞かずに立ち上げるわけでもないというのがポイントになりそうだなと思いました。

2. 製品/市場フィット
MVPまで作ることができたら、それが誰かに必要とされるものを構築したかを計測します。事業が空回りしていないか(トラクション)、あるいは製品/市場フィットは重要なマイルストーンだそうで、この段階で顧客に登録してもらい、定着させてお金を支払ってもらう。
こちらも定性的、定量的指標があるそうで後の章にまとめられているので読もうと思います。

3. 拡大
製品/市場フィットが終わったら、成長に目を向ける。最適化を目指す。

1~2のフェーズで集中するのは学習とピボット、3のフェーズでは成長と最適化。ピボットは学習を続けながら方向性を変更すること。

ピボットはうまくいくプランを探すことであり、最適化はプランを加速するという違いがあります。ピボットの実験では、ビジネスモデルの仮説を検証して、うまくいくプランを探すことになります。最適化の実験では、ビジネスモデルの仮説を改善して、うまくいくプランに近づけることになります。最初の目的は、軌道修正(またはピボット)です。次の目的は、効率化(または拡大)です。

この区分!もっと早く知りたかったーーーー!

境界線があいまいな感じがするかもしれませんが、これが戦略や戦術の実行に大きな影響を与えます。製品/市場フィットまでは、学習を最大化できるように設計しなければいけません。
最も学習できるのは、期待する成果の見込みが50%のときです。つまり、何が期待できるのかよくわからないときです。

「境界線があいまいな感じがするかもしれませんが」ほんとうにこれ。今の所できていないところを全部「改善」と一括りに言葉を使ってしまっていましたもの。顧客層がどのあたりになるのかすらわかっていない現状では、「学習」にフォーカスしてうまく行くプランを試す、検証する。細かな改善ではなく大胆な成果を狙うべき、と。今後常に改善していくからといってやみくもに手をつけていくのとは違って、段階に適したことを狙ってやらないと効率が悪いんですね...。勝ちパターンを見つけるまではほぼ検証と捉えて良いということでしょうか。
スカウトサービスで期待の結果がわからない変更点やピボットってなんでしょう...? 思いつきですけど、現在企業側の会社情報や求人情報を載せていないので、それが掲載されたとき求職者の反応や再帰率などのアクションが大きく変化するかどうか?等を試すことも一つでしょうか。
アイディアや仮説は実際に試してみて、結果が予想とどの程度ずれていたか確かめること、その原因を考えて次回の策を打つ、また実験するという学習、再構築をどんどん実行しないといけないようです。
社内でそのナレッジがあまりなく苦労していますが、私が直面した分の経験だけでもデザインチームにシェアして、他のプロジェクトでも活かしてもらおうと思います。


つらつらと書いていたら今回の記事では全然リーンキャンバスまで行けませんでした笑、でも序章でサービスのメタ的な捉え方や、開発フェーズのとらえ方について知ることができたのはよかったです。問題の分割とか大枠を掴むことって大事ですね...。
先の見えないものに対して自分がどこの地点にいるのか全くわからないと、見通しって立てにくい...。こういう概要が書いてあるだけでも「今はMVPのこの部分までいたってないということか」「今集中すべきはピボットだからとりあえずここまでできることを考えればいいのか」など少し落ち着けそうな気がしました。。


『RUNNING LEAN』、もっと読み進めようと思います。
次回に続きます。それでは!