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宮脇咲良とProduce48(Part1)

(このnoteは、一つ前の投稿の読後に読まれることをお勧めします)

衝撃的な「さくらたん」の覚醒・・・さくらたんに一体何があったんだろう。何を見て、何を経験して、何を感じたんだろう。確かインスタで見た彼女の言葉「本当に韓国に行って人生変わった」

IZ*ONE加入前、48G時代

IZ*ONE加入前の48G時代のさくらたんは、どこか無理をしている印象があった。HKTでは「可愛い」ツインテールの妹センターから、ショートカットになって少し大人っぽくなったものの、宮脇咲良ってこれだ、というキャラクターがない。当時のAKBはまだまだ神7と呼ばれるメンバーがいた時代で、売れているメンバーは皆が皆キャラを持っていた。例えば塩対応のぱるるみたいに。そんな中、妹系さくらたんから脱したさくらたんには、キャラがなく、埋もれていた印象だった。顔は可愛いし、ファンに対する言葉選びも完璧、誰かのためにプロジェクトで注目を集めたぐぐたすの投稿も完璧。ある意味典型的な優等生の「アイドル」。でも、だからこそ、何か外れている、人とここが違う!と言えるところがない。HKTではもちろん目立った存在なのだが、そこから出られないというか、それ以上になれない感じ

AKBとの兼任になりAKBシングルの「希望的リフレイン」で初のダブルセンターとなるが、AKBのメンバーに遠慮しながら踊っているなあ〜と、側から見ていても無理に頑張っている感があった。何というか、笑顔が自然じゃなくて、硬い、表情筋が緩められてない感じ。

希望的

過去のさくらたんを振り返るのに、今たまたまたかみなのお説教部屋でのさくらたんを見たら、先程述べたキャラのことを話しており(本当に動画見る前に上の文章は書いたんですよ!!笑)、やっぱ自分でも悩んでたんだなあと思った。

宮脇咲良でいたい、けど、宮脇咲良は、「無」・・・でも私のままでいたい。この人に惹きつけられるというような人になりたい。どうすればいいの・・・

どれだけHKTを率いるリーダーになっても、AKBでセンターという役を与えられても感じる「私なんかが・・・」という感情。それこそが宮脇咲良を支配していた、縛っていたものであり、彼女が捨て去りたいものだった。


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参考)AKB48シングルで、単独センターを務めた「君はメロディー」(2016年)
もちろん顔は可愛いんだけど、表情が硬い

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参考)画質が悪いが、Produce48に参加する半年前のMステにて。渡辺麻友の卒業ソングということもあるが、出番も少ない。頑張って宮脇咲良を演じている、作り出している感がある

初めて出会った「センターで輝く私」

センターという役を任されはするが自分に自信がなく、アイドルとしてこれからどうしていけばいいのかわからない・・・宮脇咲良でいたいけど、宮脇咲良じゃ埋もれる。そんな彼女にアイドルの神様から与えられたプレゼントがproduce 48だったと思う。番組開始時の自己紹介でも「私はアイドルを7年やってきたけど、自分に自信がない。いつも支えてくれるファンがいない場所で、自分がどこまでできるのか知りたい。やる気と根性だけは誰にも負けません」と言っているが、この一見サラッと流してしまいそうな、言葉を選ばずに言えば「ありきたりな」コメントも、過去のさくらたんを考えると、本当に心から出てきた、変わりたい理由だった。
正直、なかなか開花しないというか、自分の描くアイドルになれず、くすぶっているアイドルなんて、数え切れないほどいると思う。そんな中、異国の地で、合宿所に缶詰になり朝から晩まで歌とダンスを鍛えられ、言葉の通じない人と共同生活し、競い合い、打ち勝てたらデビューできる、そんな機会が与えられる人はどれくらいいるだろうか。まずそんな環境に自分を放り込めるチャンスが、宮脇咲良の前にやってきた、それだけで彼女は何か持っていたと思わざるを得ない。

Produce48での彼女は、文字通り体当たりだった。正直、こんなに知名度があるにもかかわらず、プライドを捨てられるメンバーが48Gにいたのかという感じ。一番最初にクラス分けを振り分けられるオーディションでも、松井珠理奈以外の他のメンバーが全員ユニットとしてパフォーマンスする中、一人でステージに立ち、黒い天使を歌い、踊りきる。パフォーマンス前に審査員は「目に炎が宿っている」「粘り強さが見える」と呟き、彼女の覚悟は感じ取っていたものの、やはり結果としては歌もダンスも他の韓国の練習生と比べ、劣っている。それでも、Bレベルという複数の審査員(講師)を差し置いて、「私を信じて、さくらをAにして」というぺ・ユンジョン講師。結果、さくらたんはAレベルと評価され、Aグループに所属となる。(ここでさくらはAに値しないと視聴者からものすごいブーイングがあったらしいが、내꺼야(ネッコヤ)という曲を与えられた後の、3日後の韓国語・日本語でのダンス・歌審査を見て、やはりさくらはAだという空気が出来上がったようだ)

この評価でAグループとなったために、Produce 48初の楽曲「내꺼야(ネッコヤ)(PICK ME)」のセンター候補になった。この曲のセンターは、Bグループ以下の練習生の投票によって選ばれるのだが、初回の投票(Aグループに振り分けられた全員がセンター候補)の時点で、宮脇咲良とイ・カウンが同点一位となり、二人の決選投票で宮脇咲良がセンターに選ばれる。このセンターが決定した時に、イ・カウンに抱きつき、「カウンちゃんの方がすごいのにごめんね」と泣きながら謝る姿が印象的だった。
48Gではスタッフの意向によってセンターが決まる。実力もないのに、何で私なんだろう、私でいいのかな・・・でも、やるしかないから、他の人には申し訳ない・・・と悩みながら、居心地の悪さを抱えたまま与えられたセンターで踊る。センターでない時には、あまりスポットライトが当たらない、先輩方(AKB)の引き立て役のような立ち位置。自分から前に行くこともなく、与えられた場所で静かに自分の役目を全うする。

でも、今回のさくらたんは違う。今回は、自分からセンターを掴みに行った。歌詞も自分で考えたオリジナルの韓国語を差し込み、「センターは私のもの(ネッコヤ)」という幕も自作して、練習生の前でパフォーマンスする。そんな泥臭いこと・・・。何やってるの?と笑われかねないことも、「印象に残ればいい。人と違うことをして、少しでもみんなが笑顔になってくれればいい」と、センターを掴むために、自分の持てうる力を全て注ぎ込み、95人の練習生・仲間に選ばれてセンターになった。その違いが、さくらたんに大きな自信をつけてくれたのは言うまでもない。


その後、さくらたんをセンターにしてパフォーマンスした내꺼야(PICK ME)」



・・・もう、さくらたんの輝きが尋常じゃない。

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本当に輝いている。オーラというより、文字通りさくらたんからキラキラが生まれている。笑顔が、本物の、心からの笑顔。半年前には、上記に添付したMステの無理をして笑っているような顔だったのに。その後のproduce48のエピソードで、グループ別(約5,6人)に色々な曲をパフォーマンスする際にも、グループ内で、練習生の話し合いでセンターを決めるが、さくらたんも立候補し、その際に言った言葉「(내꺼야の時に)一番笑顔で、センターで輝いている自分がいたので、またセンターに立ちたい」が忘れられない。

Produce48では上記のセンター争い以上にさくらたんに降りかかってくる様々な試練があるのだが、日本でのスケジュールをこなしながらも、他のフルタイムで練習している練習生と戦っていくために、睡眠時間を削って練習し、どんなに辛辣な言葉を講師から言われても、自暴自棄になることも諦めることもなく、歌とダンスのレッスンが受けられるだけでありがたいと、宮脇咲良の全てを賭けていた。この、カッコつけず言い訳せず、とにかく自分の出しうる全てを出し切る、オールインする過程で、既に宮脇咲良は「無」の宮脇咲良から、決してスキル的に一番ではないが「歌もダンスも自分史上最高」の宮脇咲良になった。番組構成上、半ば強制的にそんな彼女が直接視聴者に見られることになったのは、視聴者としても心揺さぶられる体験だったと思う。

Produce48での내꺼야以降のエピソードは個別に見ていただくとして(今までのさくらたんにはない、blackpinkのかっこいい曲に挑戦していたりして良い)、センターで輝いている自分を見つけたさくらたんが、IZ*ONEとなってどう変化していくのかを、次の投稿ではお話しできたらと思う。

さて、今回も長くなってしまいましたが、オタクの勝手な垂れ流しにお付き合いいただき、ありがとうございました。


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