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『秋元康と「冤罪が…」』

労働生産性の話ではありません。痴漢についての考察です。日本の職場環境の改善について、発信していこうと思って始めたnoteですが既にぶれ始めています。

でも、痴漢問題と職場のセクハラ問題(接客業務の方へのハラスメントも含め)ってどこか根っこが同じなような気がします。

「痴漢」という英単語を思いつきません。辞書サイトで調べると、molester (性的ないたずらをする人)とか pervert(異常な性行為をする人)とかでてきますが、この単語を聞いて、「電車の中で見ず知らずの女性を(性的な目的で)触る人」を想像するアメリカ人はいないでしょう。

別にアメリカに性的異常者がいないとか、少ないとかいう話ではなくて、「公共の場でこのような犯罪をする環境がない」、という事だと思います。強姦や暴行、誘拐や、先生やスポーツのコーチがこっそり子供にいたずらしていた、なんてことはしばしニュースになりますが、公共の場で(犯罪を)見て見ぬ振りをする人が圧倒的に少ない。ゆえに、痴漢という捕まるリスクが大きすぎる犯罪は存在しない(多分。)

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痴漢の話題になると、ほぼ必ず「いや、でも冤罪ってこともあるし…」と言い出す人がいます。そもそも、痴漢という犯罪そのものがなくなれば冤罪もなくなるのだから、冤罪を恐れている人は率先して痴漢防止に協力するべきではないかと思うのですが、ともすると「冤罪の方が大問題」だみたいなことを言いだす人までいます。

その昔、「♪この人はCHIKAN、大きな声で…」という曲がありました。おニャン子クラブの曲です。(今調べたら、「おっとCHIKAN!」という1986年にリリースされた曲で、現在ではほぼ放送禁止になっている作品らしいーWikipediaより)

20代30代の人にとっては、秋元氏といえばAKBや坂道グループのプロデューサーという印象かもしれないですが、40代、50代にとっては「おニャン子クラブ(しかしすごいグループ名)」を作った人でもあります(Wikipediaによるとフジテレビ、夕やけニャンニャンとの共同企画で仕掛け人ではないらしい。)彼女たちの曲の作詞も手掛けています。

この痴漢冤罪捏造ソングがオリコンで1位になったのは1986年なので、この頃の中高生が今、40代、50代になっています。 まさか、この曲を聞いて「全ての痴漢は冤罪である」と思った人はいないでしょうが、「世間には痴漢冤罪をでっち上げて面白がる女子が存在するらしい」となんとなく認識してしまった人がいるのではないかと思うのです。

この曲の歌詞にあるような女子やおニャン子クラブのメンバーが女子学生のデフォルトイメージになっている大人も存在していて、痴漢の話題になったときのステレオタイプイメージに少なからず寄与しているのではないかと考えたりもするのです。

「痴漢冤罪をでっち上げて面白がる女子。」本当にいるのでしょうか? 被害にあった女子のほとんどが恐ろしくて声も上げられないというのが現実のような気がします。

秋元氏が商品化しているようなアイドルが女子学生のデフォルトではないですし、すべての女子学生が彼の手掛ける歌詞のような価値観の中に生きているわけではありません。

全ての女子が自分の容姿や若さの商品化に興味があるわけでもない。

痴漢がなくならないのは秋元氏のせいであるというつもりはありませんが、「冤罪がー」の存在の一端はあの曲にあるのではないか、犯罪行為自体の矮小化にも繋がっていたのではないかなどと思ったりするのです。

秋元氏のつくり上げたビジネスモデルは大当たりをしたといっても差し支えないでしょう。でも、その陰でいろいろな問題も生み出しました。彼は賢くも、そのような批判には反応せず、ひたすら次のビジネスを展開してきました(よく、これだけ色々なバリエーションの女子アイドルの売り方を思いつきます。)しばし、メディアをつかって感動ストーリーなども織り交ぜながら、しばし、社会的メッセージ性のある曲なども織り交ぜながら、少女たちが自己責任で彼のビジネスモデルに乗っかているかのような演出にも成功しているように見えます。

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痴漢の話に戻ります。

痴漢は見て見ぬ振りをする人々が一定数いることで成立する犯罪です。被害に気付いた時、助けを求められた時に、反応できる人がマジョリティーになればなくなるはずです。電車の中で多数の乗客が目撃者として機能できれば撲滅できるでしょう。

例えば、中高生には学校で、被害にあったら、見かけたら、どのように対処したらよいか(捕獲は無理でも、被害者に話しかける、友達のふりをして間にはいるなど)、例えば、乗客や駅員には鉄道会社が専門家を招いて、被害者への接し方や通報の仕方などをレクチャー・トレーニングする。対応できる人を増やしていけば、なくせる犯罪ではないかと思うのです。

まとめると...

秋元氏には痴漢撲滅チャリティーソングをつくっていただき、その収益でトレーニングを促進・主催する費用を賄えばよいのではないかという提案です。

よろしくご検討ください。

つぎの投稿は、労働生産性問題に戻ります(多分。)

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