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経済感覚格差

原田ひ香の小説『三千円の使い方』を読みました。

以前よりお金について考えることが多いです。
若いころはいずれ収入が上がってくると思っていましたが、あとどのくらい働けるか期間が見通せてきたからかもしれません。

病院で働いていた時に、高齢の患者さん(女性)がお金のことで、大きな声で家族とお話されていたことがありました。一家の主として、私よりも年上の息子さん達をしかりつけるように話していた。
お金を持っていることがその人のパワーになっていると感じました。

この小説は70代のお祖母さん、50歳代の息子夫婦、そして20歳台の娘、一人は既婚、一人は未婚の家族のお金に対する気づきの本です。
世代的には息子夫婦の妻、智子の年代ですが、専業主婦なので、年齢は違っても娘世代の経済感覚を身近に感じます。
お金を節約することを潔しとしない人もいるし、目標のためにいろいろな策を練る人もでてきます。
お金が足りなくてという節約小説ではなく、登場人物は何を大切にしたいかを考えて、自分のお金の稼ぎ方、使い方の感覚を見直おしています。選択、比較という言葉が何回かでてきます。友人との比較で、みじめになったり、本当に価値があることを再発見する中でお金の使い方を選択していく主人公たち。

100万円の借金を何もないことのように感じる人もいれば、小さな金額でも割り勘で支払いたいと思う人もいる。
今日の題で経済格差ではなく、経済感覚格差としました。お金はリアルなようで感覚だと思います。
持っているお金をどうとらえるかは人それぞれ違います。

私はお金を儲けるのが好き、働いてお金を稼ぐという行為が好きなようです。以前にそれを友人に話したら、「お金があるのにどうしてもっと儲けたいの?」といわれて驚いたことがあります。
お金があれば考えなしにいくらでも使っていいとは思えず、ブランドだからとバッグや洋服を購入するのは私にとっては無駄です。
でも、何もしないで過ごすよりは収入につながる活動をしていたい。
それって自然じゃないの?
友人にとってお金は何となく見ないで済ませられれば済ませたいもののようです。得したいと思うのははしたないということでしょうか?
同年代の人でもこれくらい差があるお金の感覚。
これを経済感覚格差と名付けてみました。

『三千円の使いかた』がその人の生き方を表している。
三千円をどう活かしますか?

noteで書評、いくつか出ています。samiさんの書評はこちら。
noteライターさんの心に響く本なのかな?


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