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母のジェーン・エア

母のジェーン・エア

母の本を整理しています。
大のロマンス好きだった母は数年前まで、ノーラロバーツ、キャンディスケンプなど読破していました。
最近は本屋で本を選ぶこともなく、本も読んでいるのか読んでいないのか。
それでも、たくさんの本を自室に置いていました。
今回、入院したのをきっかけに、文庫本を断捨離しています。

その中で珍しい本を見つけました。
それが、シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』

なんと昭和5年発行の改造社世界大衆文學全集第61巻『ヂェイン・エア』
上巻だけ。
旧仮名遣い、横書きも右から書いてあります。表紙の次には著者と翻訳者(遠藤壽子)の肖像画のような写真が差し込まれています。

母から聞いた話では
戦争が激しくなってから、母の母の親戚が都会から母が住んでいた浜辺のまちへ疎開してきました。
親戚のおば様に足が不自由な方がいて、その方から何冊か小説を借りて読むのが楽しみだったとのこと。
医者をしていた母の父はすでに亡くなっていて、母の母も病気がちでした。
戦前に読んだのか、それとも戦後に偶然手に入れた本を手元に置いておいたのか。
今となっては、記憶があいまいになっている母に確かめることもできないのですが。

遠藤壽子さんは1930年に翻訳をしたとWikipediaにはありました。
この本が初版なんです。
ジェーンは自立したい、自分で考える人生を歩みたいと思っている主人公です。
母は昭和7年生まれ。
父親を10歳で、母親を30歳前になくて、女性医師として働き続けてきました。
働いて自立すること、人生を楽しむことの大先輩。
ジェーンと母が重なります。

https://open.spotify.com/episode/4KVarJk8FIfrzlHyn0hX0u?si=b905529662e7470b


音声配信『志保の本棚』配信中です。本の紹介です。
noteとのコラボ企画。ジェーン・エアのこと話しています。
applepodcastでも聴けます。

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