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小さなお話「海辺のもふっとさん」

もふっとさんのお話を
今日はいたしましょうか。

もふっとさんは小さな海辺の田舎町で
生まれました。
それはもう10年も前の話です。

大好きなママがある日突然いなくなって
まだ小さかったもふっとさんは
必死に雨水をなめたり
カエルを捕まえたりして
なんとか過ごしていました。
ですが、まだ小さかったので
どんどん元気がなくなってとうとう
カエルさえも捕まえるもできなくなりました。

ママと暮らした木々の根元にある
草のベットの上で
あったかかったママの腕の中を
思い出しながらうつらうつらしていた
その時でした。

おいちびっこ!
おまえ、まずそうだな!

と、ガサガサした声が聞こえます。
え?まずそうってわたしのこと?
きょろきょろしてみると、
そこには小さなでんでん虫のおじさんが
いました。

おいちびっこ!
おまえ、うまそうになるまで
まってやるから、
おれについてこい!

おじさんは乱暴な口振りでしたが
少し懐かしい感じの声でそう言いました。

もふっとさんは力を振り絞って
ついていくことにしましたが
おじさんは当然のようにもふっとさんの
頭の上によじ登ってきました。
そして頭の上から偉そうに指示を出します。

お、そのたんぽぽ並木をいけ!

そこそこ、まがって!

そのあなをくぐれ!

もふっとさんはお腹が空いて
たおれそうでした。そのとき、

みやぁおん
ふわりん

目の前に大きな猫が現れました。

おい、もふもふっとさんや!
このちびっこ、まずそうだから
うまそうにしてくれ!

大きな猫さんはもふもふっとさんと
いうようです。
短く、にゃっ、となきました。

その日から、
もふっとさんの名前は
もふっとさんになったんです。

そしていまでは
もふっとさんは
二代目もふもふっとさんを襲名して
まずそうなちびっ子を助けています。


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