あなたのバレンタインより
空心菜おひたちさん、
見ず知らずの私ですが
参加させてくださいね♪
宜しくお願いいたします。
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片思いのラブレターということですが
あて先はやっぱり、大好きトラオさん。
日本語がほとんどできない彼に、
自称、言葉の魔術師(笑)marmaladeの
言葉の魔法は通用しません。
よぼよぼした英語のラブレターではね。
日本語で思いっきり書いてみたかったんです
だから片思いのラブレターです。
だって一生読むことはないから(笑)
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あなたは知っていますか?日本ではセイヨウ人というだけで、愛情表現が豊かで女性をほめてちやほやする、というまことしやかなデマが存在することを。私もあなたと出会うまでは半分それを信じていました。正直言って、あなたはそれほどじゃありませんよね。愛の言葉をささやいたり、最上級の褒め言葉を羅列したりもしませんもの。
最初こそはちょっと物足りない気もしましたが、あなたがとても正直で心に思ったことしか口にしないこと、それにすっかり慣れてしまいました。ですからそんなあなたがたまにぽろりとこぼす言葉に、私はすっかりまいってしまいます。
あれは、そう、私が日本に帰国する1週間前のことでした。私たち一緒に買い物に出かけましたよね。あなたは2階のトイレにいったから、私は1階でお店の中を見ていました。しばらくして、そろそろ帰ってくるかしらときょろきょろしたら案の定あなたの姿が見えました。駆け寄った私に、あなたはそっとこうつぶやいたんです。とっても悲しそうな顔で。「君が帰っても、僕は大丈夫だと思っていたけれど、思っていたよりもずっとずっと難しくて辛い時間になりそうだ」それを聞いて、思わず背伸びして抱きしめてしまいました。この年になって、公衆の面前で、あんな風に誰かを抱きしめることがあるなんて夢にも思っていませんでした。ふたりでぐすんぐすんと鼻を鳴らしながら、おひる何食べる?と話したこと、多分一生忘れません。
あなたはずいぶんと丸く柔らかくなったこと、自分で気づいていますか?絶対にやめて!とあんなに怒っていたのに、最近では私がダーリンと呼んでも嬉しそうにしていますもの。そう、人は似てくるのね。絶対ヤダ!と叫びそうですけれど、本当のことです。お互いの魔法に少しづつかかっているんです。このことは内緒にしておくほうが無難というもの。とはいえ、この手紙は一生読みませんものね。
あなたのバレンタインより
(791文字)
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バレンタイン、英国では男性から女性に
愛をささやく日です。
to my Valentine ってカードを送ったり
お花を送ったり、チョコレートを送ったり。
いただいたサポートは毎年娘の誕生日前後に行っている、こどもたちのための非営利機関へのドネーションの一部とさせていただく予定です。私の気持ちとあなたのやさしさをミックスしていっしょにドネーションいたします。