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⑥要介護認定申請へ

最初は、訪問看護師さんが来るのをかなり警戒していた母でしたが、看護師さんの人柄に触れ、少しずつ心を開いていっているようでした。

しかし、薬を飲んでも、母の認知症は止まるどころか、進行し続けていました。

父の病状が悪くなるのとリンクするように、母の症状は悪化していきました。

当時一番困ったのは、父の病院とのやり取りに齟齬ができてしまうことでした。

母が、父の病院や訪問看護師さんから聞いた大事な案件の日時や内容は、全て間違っていました。

なので、取り急ぎの連絡先は私とするしかありませんでした。

母はこれが全く気に入らず、なぜ妻である自分を差し置いて娘のお前が何でもするのだとご立腹。

母をなだめつつ、仕事中に止み間なくかかってくる病院からの電話対応と、病院へ行ったり先生の話を聞いたり看護師さんとやり取りしたりの毎日に、へとへとでした。

正直、この時の母は、私の仕事を増やしていたと言っても過言ではありません。

そんな私の様子を見た夫と義母は、これはもう、要介護認定の申請をするべきだと言いました。

認知症の進み方が、自分たちの知っている範疇を超えていると言うのです。

こんなに忙しい時じゃないとダメ?

と思いましたが、この時、父はだんだん歩けなくなっていました。

母も、膝や足が痛いと言い、家の中で壁に手を押し付けて支えるようにしながら歩き、時折立てないようなしぐさもしていました。

2人して、今すぐにでも手すりが必要な状況でした。

父は、医療保険の方が使い勝手がよく、かつ、介護認定を申請しても、申請が認められる頃には旅立っているかもしれない・・・という鬼気迫る状態です。

ならば、ふらつく母が、介護認定を申請することで、手すりを取り付けることができるのではないか、ということでした。

介護認定を申請中の段階でも、介護用品を借りることはできるとのこと。

とってもとても忙しくて、目が回るような状況で、あまり気のりはしませんでしたが・・・なんとか時間を作り出して、資料をそろえて届け出ました。

こうして手すりを借りる中、母の介護認定の審査委員が、市から派遣されてきました。



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