第４. 罪状 ４－１. 「取締役等の特別背任（会社法第960条）」「業務上横領（刑法第253 条）」: 職位を悪用した「予約配車」という賄賂

４－１. 「取締役等の特別背任（会社法第960条）」「業務上横領（刑法第253 条）」: 職位を悪用した「予約配車」という賄賂
1. ここでは「C会社」の「所長（被通報者２）」がおこなった「予約配車を賄賂として使用する」という「取締役等の特別背任（会社法第第960条）」と「業務上横領（刑法第253条）」の罪について述べますが、その前に、一般的なタクシー営業方法について簡単にご説明致します。
2. タクシーの営業方法には「駅待ち」、「無線」、「流し」、「DiDi」アプリ、「予約配車」などがありますが、一番効率よく売上を上げる方法が「予約配車」です。「時間貸し」である「貸切」も、「予約配車」の範疇に入ります。
3. 「予約配車」は、タクシー利用者が前以て営業所に電話をし、日時と場所、行先を指定しますので、売上がいくらになるのか営業所内で予め分かります。
4. 営業社員は「駅待ち」のようにアイドリングで時間を浪費したり、「無線」、「流し」、「DiDi」のように走り回る必要がないので、「ラクして儲かる予約配車」は、営業社員らが欲しがる仕事です。
5. 通常、乗車一回あたりの売上金額は680円から千円台ですが、「予約配車」の場合、迎車料金込みで売上金額は20分程度の走行で2,500円以上、遠距離往復二時間拘束の場合数万円以上になります。
6. 「C会社」における「昼勤務」タクシーの売上金額は、出庫6時30分、入庫16時30分の場合、1万円未満から2万円台を推移しています。
7. 毎月締日前になると、営業社員らは皆必死で売上を上げようとして長時間働き、売上が足りず困っている時に「予約配車」を所長（被通報者２）から与えてもらえれば、「足切り」にあわずに済み、給与が大きく変わるので、「予約配車」を与えられている特定の営業社員らは、被通報者２に大変感謝しています。
8. 被通報者２は、「C会社」の全ての「予約配車」について、どの営業社員を従事させるのかを決定する「実質的」権限を有しています。
9. 「主任」や「班長」などの役職、また新型車両を貸与されている営業社員らは常にニコニコして機嫌よく、被通報者２の「ご機嫌とり」をし、業務以外の情報収集をおこない被通報者２に報告し、高額の「予約配車」をもらっているようです。
10. 被通報者２は「運行管理者資格」を有していないようで、もしそうであれば「予約配車を割り当てる法的権限を有していない」はずですが、実際には被通報者２が「独断で予約配車割当を決定してきた」ことは、「C会社」で勤務している全員が認識している事実です。
11. 「C会社」にもう一人いる「係長」、Pさんという方は「運行管理者」なので、「Pさんが予約配車を決定したことにしろ。」、と被通報者２から脅されているようでした。
12. P係長は「⚫⚫さん（被通報者２)とその『グループ』から数々の嫌がらせを受け、2021年初め退職した『前任者』の代わりとして『C会社』にA会社⚫⚫営業所から転勤してきたばかりの方である」と、通報者は他の乗務員たちから聞きました。
13. 「Pさんは病気で退職されていたところを、⚫⚫（被通報者２）がパソコンを使えないから、パソコンが使えて『運行管理者』の資格があるPさんが、会社から頼まれ身体に無理して勤務している」、と通報者は他の乗務員から聞きました。
14. 通報者と「P係長の前任者」は面識がなく、通報者はそのお名前も分かりませんが、「運行管理者」であった前任者が「パソコンを使えた」こと、被通報者２とその取り巻き連中から「散々嫌がらせを受けたために『C会社』を辞めた」こと、被通報者２が社長に「『前任者』の悪口を吹き込んでいたこと」などを、「クーデターグループ」以外の営業社員らが口々に言っています。
15. P係長は通報者の面接時、通報者がオーストラリアで滞在していたことやドイツ語を話せると知って、「私の娘はオーストラリアで留学して、娘婿は今ドイツで駐在しているんです。」と嬉しそうに言いました。
16. 「私も同じ新人なので、まだ営業所全員の名前も覚えられてなくて。ここの営業所のことはなんにも分からないけど、よろしく。」と通報者の入社時に、P係長が言いました。
17. P係長は大変優しく真面目な方で、高齢ベテラン乗務員たちからも「⚫⚫（被通報者２）とは、全然違う。Pさんは『正しい人』や。」と言われており、「クーデターグループ」以外からの尊敬と信頼を受けていました。一方、「クーデターグループ」の被通報者３は、「あの人が、そんなことを言ったの。」と言って、いつもP係長の言動を警戒し、見張っていました。
18. 「正しい人」である、とベテラン乗務員たちから噂されているP係長が、通報者に「あの予約配車（疎明資料2-3-1、 2021年⚫月⚫日付「乗務記録簿」の「報告」欄参照）は、私が決定した。貴方を『信頼』しているから。」と言いました。
19. 入社30年以上のベテラン乗務員達を差し置いて、入社一ヶ月あまりの新人に対し「『信頼』しているから『予約配車』を与えた」などと、P係長は、被通報者２が「クーデターグループ」について頻繁に使用している「信頼」という言葉をそのまま使って、虚偽発言をしていました。
20. P係長はおそらく前任者と同じく、被通報者２と「クーデターグループ」から日々脅迫を受けているようで、次第に被通報者２の悪事を庇うようになっていきました。
21. 「C会社」において、「予約配車」の「割当」が「各営業社員に均等に配分されていない」こと、「特定の営業社員だけが予約配車を得ていること」、また「会社の利益にとって合理的に配車されていないこと」に通報者が気付いたのは2021年⚫月⚫日でした（上記疎明資料参照）。
22. 同日朝、通報者は突然「予約配車」を任され、自分の待機場所から20 分以上かけて当該「予約配車」場所に行った際、当該「予約配車」場所と同じ町内にある待機場所でタクシーが5台も客待ちしていたのを見かけ、「なぜ会社はこの客待ちタクシーに、同じ町内の予約配車を与えないのか？」と驚き、衝撃を受けたのです。
23. 当該「予約配車」は週3回の「定期予約配車」で、今年で三年目になります。「予約配車」場所と同じ町内で待機している営業社員らに聞いたところ、待機タクシー6台のうち「予約配車」を与えてもらったことがある乗務員は、「Qさん」という方だけでした。
24. Qさんは定年退職後の「ドライバー転職組」で、ドライバー経験が5 年位だそうです。他の五名は、当該「予約配車」場所と同じ町内で30年以上待機営業してこられた、ベテラン乗務員ばかりです。
25. 被通報者２による「不合理な予約配車割当」に見られる「特定営業社員の優遇措置」の基準は、営業社員の年齢や経験、能力や待機場所は関係がなく、「『クーデターグループ』からの業務外の命令を喜んで聞く乗務員」、又は「学歴と職歴が高い裕福な転職組」や、「女性である」、ということです。
26. 傾向としては、経験豊富なドライバー達、自分で車両整備が出来るドライバー達が「クーデターグループ」から敬遠されています。彼らは「予約配車」を与えられたことがないから、「クーデターグループ」メンバーではないことが分かります。
27. 翌日の2021年⚫月⚫日夕方、通報者が事務所で入庫処理をしていたところ、通報者の背後から突然耳元で「⚫⚫、行きたいか？」と被通報者２が囁きました。
28. 通報者はいきなり至近距離にいた被通報者２から耳に息を吹きかけられて驚き、「⚫⚫なんか知りません！」と怒って大声で返事をしたところ、被通報者２がニヤニヤしながら、「カラで行くんとちゃうでえ。ヒト積んで、行くんやでえ。」と言いました。
29. その言葉で被通報者２が「高額の予約配車」を通報者に与えてくれるつもりであることが分かり、通報者は「行きます、行きます。⚫⚫、地図で調べますよ。」と喜んで返答したので、「もうちょっと、待っといて。」と被通報者２はニヤリとして言いました。
30. 通報者が⚫⚫の場所を調べてみると、⚫⚫にありました。⚫市から⚫市までの往復となると、運賃が数万円の「高額」になります。
31. その時、「高額予約配車」は被通報者２からの「賄賂」、被通報者２の「職位と権力を利用した賄賂」であることに、通報者は気付きました。
32. 通報者の給与は「勤務開始から三ヶ月の保証期間内」にあり、他の営業社員達のように「予約配車」で売上を上げようと頑張らなくて良い事を被通報者２は理解しているのに、通報者に「⚫市から⚫市往復の数万円の高額予約配車」という「賄賂」を与え、恩を着せようとしていることが分かりました。
33. 被通報者２から通報者への「予約配車という賄賂」が2,500円から数万円に突然上がった理由は、一回目の「予約配車」の時、通報者が「乗務記録簿」報告欄に「配車のやり方が不審である」旨記載したことと、被通報者２と３の「事務所内性行為」現場を目撃したのに、本人たちにも黙っていたからでした。
34. 上記「⚫⚫往復の高額予約配車」について被通報者２から申し出があったことについて、通報者がP係長にこっそり相談したところ、Pさんは「所長（被通報者２）からそんなことを言われたの。それが本当の事だとしたら、誰に配車するか勝手に決めるなんて、大問題だな。それは私が所長（被通報者２）に、注意しておくよ。⚫⚫の予約はまだ話だけで、決定もしていないのに。」と驚いて言いました。
35. しかしながらP係長は被通報者２と３からいじめられているので、被通報者らに何かを注意したり命令したり出来る力がありません。
36. Pさんは、「●●のお客さんが女性ドライバーを希望しているのは事実だから、そう言われたのかな。」と通報者に言いました。
37. どのような意図でタクシー利用者が女性ドライバーを希望するのか、その客自体が被通報者２の友人かも知れない、と通報者は思い、「予約配車は危険だ」と認識しました。
38. 「C会社」における売上金額数万円の「高額予約配車」は、主任や班長らが独占しています。主任や班長の多くは8時30分という遅い時間に出庫し、長時間勤務せずとも「C会社」内で最高レベルの給与を得ていると通報者は思料します。彼らはいつも妙に機嫌よくニコニコしており、他の営業社員らに飲み物を買い与えるなどして、妙に羽振りが良いのです。
39. 「賄賂」と認識した上で、被通報者２から一度でも「賄賂」を受け取れば、今後も繰り返し「賄賂」を与えられ、次第にマインドコントロールされていくであろうこと、その内「見返り」を求められ、差し出さねばならなくなるであろうことが、通報者にも分かりました。
40. 女性が被通報者２から「賄賂」を受け取った代償は、「賄賂」の金額に応じた「女性の身体」でした。
41. 通報者はタクシー乗務をするようになってから、多くの男性乗務員と出会い、男性客と会話をすることもありましたが、被通報者２ほどの「セクハラ人物」は、見たことがありませんでした。
42. 被通報者２は通報者に対し「化粧をして来い」と被通報者３を使って命令したり、「パンティストッキング、履いてないやろ」と聞いてきたり、通報者の身体を触る場所を最初は肩10回、腕5回、腰3回、という風に、段々部位をエスカレートさせるなど、やり方が順序正しいので「やり慣れている感」がありました。
43. 通報者に「賄賂」を贈ることにより、「ボディータッチ」からさらに「セクハラ」をエスカレートさせようとしている被通報者２の意図が、通報者には見てとれました。
44. また通報者は当時、被通報者２と３が朝の事務所内で勤務時間中、性行為を行っているところも目撃していました（疎明資料５「公益通報」34～47番参照）。
45. 通報者は、被通報者２が自分に与えようとしている「高額予約配車が賄賂である」ことに気付き、はっきり断ろうと思いましたが、「賄賂の申し出」を断って被通報者２を怒らせたら、被通報者２が通報者の営業車両にさらに傷を付け、修理代を給料から天引きするであろうことを、他の乗務員達から聞いて知っていました（疎明資料9、32～45番参照）。
46. 被通報者２から「明示的な賄賂の申し出」と同時に「暗示的な脅迫」も受けていた通報者は、どうすれば被通報者２を怒らせずに「高額予約配車」という「賄賂」を断ることが出来るのか考え、翌日通報者の公休日 2021年⚫月⚫日早朝、自宅付近で待機している乗務員たちに相談しに行き、その後自宅に戻り、被通報者２を怒らせないよう細心の注意を払いながら、「予約配車は今のところは遠慮させて頂きたい」という内容の手紙を書きました（疎明資料2-2-1参照）。
47. 2021年⚫月⚫日早朝、公休日に通報者は周辺のゴミ拾いをしながら自宅近くの「⚫⚫」待機場所まで歩いて行き、被通報者２のセクハラ行為と賄賂（予約配車）について、Qさんとその他ベテランの乗務員たちに相談しました。
48. Qさんが「クーデターグループ」の一員として、通報者の言動を被通報者２に逐一報告していたことを通報者は知っていたので、「予約配車ぐらいで手篭めにされたらかなわんわ！」などと、Qさんに被通報者２について散々文句を言いました。
49. Qさんは、「何であの二人（被通報者２と３）が、付き合うてるって分かったの？」と通報者に尋ねました。
50. 通報者が彼らの不倫関係に気付いた理由は、それまでに彼らのオフィス内性行為を目撃していたからですが、それには言及せず、「私がR班長（被通報者３）に言った言葉を一語一句、所長（被通報者２）が全部、その日の内に知っているからですよ！」と答え、詳しく説明しました。Qさんはその言葉に頷き、微笑んで、否定しませんでした。
51. 「クーデターグループ」の使命の一つは、グループへの「誘い込み対象者」の言動を見張り、被通報者２に逐一報告する事なのです。
52. 「これだけ文句言うて騒いだら、所長（被通報者２）はもう私に予約配車しようとはしないでしょう？」と通報者がQさんに尋ねると、Qさんはいつも通り静かに微笑みながら、「しないやろね。」と返答しました。 Qさんの言葉にはいつも重みがあり、「クーデターグループ」のメンバーであっても、通報者は「Qさんの良識と良心」を信頼しているのです。
53. 通報者は、その夜遅くまで自宅で「ヤケ酒」を飲んだ為、翌日2021年⚫ 月15日午前5時30分、アルコールチェックでアルコールが検出され、出庫を諦めた結果、「C会社」のG社長と会うことが出来、面談して頂き、前日書いた手紙を社長に直接手渡す事が出来たのです。
54. 通報者は、被通報者２に知られて困ることは上記手紙に書くことを避けたので、口頭で、「所長とR班長（被通報者２と３）が愛人関係であることは営業社員ほぼ全員が知っている」こと、通報者は被通報者２からセクハラを受け「高額予約配車という賄賂」の申し出を受けていること、嫉妬で通報者を敵視している被通報者３からパワハラを受けていることなどを社長に伝えたところ、社長は非常に静かに怒り「二週間だけ待って。結果を出すから。」と仰いました。
55. 社長は現在79歳で、⚫⚫県⚫⚫市から「C会社」まで毎日始発電車とバスで通勤しています。社長の出勤時刻は朝7時半頃、退社時刻は15 時半頃で、通報者はそれより早い時刻に出庫し、遅い時刻に入庫するので、入社以来、社長と話をする機会がありませんでした。
56. 通報者は2021年⚫月15日の面談時、社長に「C会社」の「予約配車割当の不合理さ」を説明し、「割当理由」を尋ねましたが、社長は「おかしいなあ、そんなはずはないけどなあ。」と仰って何もご存知ないので、「予約配車は全て被通報者２に一任されてきた」こと、運行管理者資格のない被通報者２が違法に「予約配車割当」を決定し、「クーデターグループ」への「賄賂」として利用してきたことが、通報者に分かりました。
57. 通報者の場合、賄賂のうち「予約配車」は2021年⚫月15日社長に相談し、社長が被通報者２に注意したようで、それ以降「予約配車」をされずに済みました。 被通報者２は、旅客運送事業を営む上記「株式会社」の「整備管理者」であり、「係長」であり、「所長」でしたから、「会社法第960条」に規定された「事業に関する特定の事項の委任を受けた使用人」です。
58. 「会社法第960条 (取締役等の特別背任罪）」前段及び第7項において「事業に関する特定の事項の委任を受けた使用人」が「自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、10年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」旨定められています。
59. 被通報者２は、「予約配車」場所付近で待機している営業社員にではなく、別の場所で営業している社員に「予約配車」を「特別に秘密裏に依頼」します。 通報者にそうしたように、被通報者２は特定の営業社員だけに行き先を耳元で囁き、他の人たちに知られないよう「予約配車」を与え、恩を着せて、言うことを聞かせるのです。
60. 「クーデターグループ」の営業社員は、「予約配車」場所まで時間とガスを余分に使って行くので、これを目撃し気付いた他の営業社員たちから、不審がられているのです。
61. 被通報者２の「予約配車割当」方法は、営業社員らにとって不公平であるだけでなく、企業運営に不可欠な「経済的合理性」を欠き、各営業社員の「売上を減少」させ「会社の利益を減少させている」から、「株式会社に財産上の損害を加えて」います。
62. 「C会社」の「所長」が「株式会社」の利益を無視して「特定の選ばれた社員だけに」「C会社」の「予約配車を与えている」という事実は、業務日誌や各営業社員の予約配車受注状況や売上など、「C会社」の記録開示と、営業社員らの証言などの捜査により、明らかになる事実です。
63. タクシー事業所の「所長」であれば、各営業社員の経験や能力、待機場所から「予約配車」場所までの距離など、「会社の利益向上」に配慮して「予約配車割当」を公正に行ってしかるべきところ、「会社の利益を度外視する不合理な予約配車割当」をおこない、また「運行管理者」資格がないのに違法に「予約配車割当」をおこなってきた被通報者２は、その「所長としての任務に背く行為」をおこない、「特定の営業社員（「クーデターグループ」）だけに予約配車を与える」という「第三者の利益を図り」、その見返りを当該社員に求めることで「自己の利益を図り」、過去数年間にわたり「故意に『C会社』に財産上の損害を加えてきた」ことは、明白な事実です。
64. 「賄賂」の目的で株式会社の「予約配車」をほしいままに第三者に与え見返りを得る行為は「業務上横領罪（刑法第253条）」を構成します。