儚きモノたち

近未来、実に近い将来、
古くはベビーブームがあったが、
今は超少子高齢化社会。

そのすぐあとの話。

高齢者多数からと 皆 バタバタと亡くなり、
骨を納める為の空前の墓地の高騰化、
何がそうしたか、誰が何の反応か、

一気に末時代が来た。


とある青年が泣く泣く言った。
「じぃちゃん、ごめん、俺の稼ぎじゃ墓は買ってあげれない。ごめん。」


そして納骨できないまま月日は経った。
青年は、浮き世ばなれした噂を聞いた。
なんでも、世界には納骨を手伝う機関があり
日本にもそれが。。。


青年「チョット⁉︎
その話を聞かせてくれませんか⁉︎」


なんだよ急に!!

まぁ落ち着け。何かの機関に宛先や どういった経緯などを細かく説明して書いて送るんだと。


「その宛先は?」

ほら、ここの新聞記事のところに小さく小さく、
[納骨を手伝います、ハナ」とあるだろ。

「ありがとうございます。
この新聞紙、買います!」

イイよもう読んだから。

「ありがとうございます‼︎」


数日後、約束の地
「寒い、こんな防波堤を指定して納骨?」


そして、幾刻、
一人の少女が現れた。

「え?アナタがハナさんですか?」

違うわよ、ハナは機関名。
私はサクラ🌸
私の他にも全国に、ウメ、バラ、キク、向日葵などがいる。

じゃあ、儀式を始めるぞ。
アクセスの通り亡くなった者に
納骨を通じて もう一度だけ会える。


儀式は一度だけ。

では、、、


バシュッ!!!

「あれ?ここは防波堤じゃ?花?」

サクラが言う。
「花の海で、花海(はなみ)だ。私の結界。
この世とあの世の唯一の浄土の境。」

「キミは。。。」

私は只の墓始まりだ、死神でも天使でもない。
骨を。

「ああ。」

「ほ、本当にまたジィちゃんに会えるのか?」

ああ、最後の一度だけな。

人骨をパラパラと左手に撒いたかと思うと、
彼女の左手は鎖になり、轟音と共に
棺桶が直立した。

サクラは言う。
ほら、最後にもう一度挨拶なり言葉を交わしな。
棺桶は魂の入れ物、餞別代わりだ。


青年は泣きじゃくって、わあわぁ話した。
「爺ちゃんゴメン、墓を買えなくて。」

イイんだよ、イイんだよ。
こうしてまた会えたじゃないか。んー?


数刻後。

サクラが言う。
花海の結界を解く時間だ。


青年は、
「爺ちゃんまたね、また会える日まで」

サクラは静かに言う。
それはない。

青年「???」


じゃあ結界を解くぞ!
っと、その前に対価を頂く。


青年は言う。
「お金は何とか後日、一生かかっても。。」

サクラは言う。
お前は バカか?
チビったような お金の為に私らは動いてない。
記事の内容に書いてあったろ?
我々の報酬は、[✖️✖️✖️]を対価として頂く。
それは、
お金でも財産でも何でもない。
[思い出]を頂く。
お前はじいさんの骨を出した、だから じいさんとの思い出は一切無くなる。


では、もう会うことはないだろう
結界を解く。
「待って!」

待たない。
私や、この防波堤になぜ来たのかも
全て忘れる。
お爺さんとの記憶も。


「待って、キミらの狙いは何?」


さぁーてね。

バシュッぅぅぅ。


青年
「あれ? オレなんでこんな所に?」


サクラ🌸
私達の納骨の意味は
いつまでも納骨に縛られない生き方にさせる為。
思い出に縛られない為。


………サクラ  帰還します。




☆あとがき☆
ここまで読んで頂きありがとうございます。

もうカンの良い方はわかっていると思いますが、

タイトルの
儚きモノ達というのは、墓無き者達
っていうことでした。


私は、夢で見たことを覚えている時があり、
起きた瞬間、何でも書ける内に殴り書きします。
まぁ、芸人さんでいう降りてきた みたいな。

とりあえず、短い文章で どこまで伝わるか
真剣勝負です。

ではまたの機会にぜひ。



八神  八竜


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