#息子と美術部 2018 ベスト5×二人分

今年もいろいろ美術館やギャラリーなどを見て歩いたのでまとめてみます。
私のベスト5と、息子(現在5歳。鑑賞歴4年半)のベスト5、それぞれをピックアップ。

<私的BEST 5>

江之浦測候所

杉本博司さんの世界観がこれでもかと散りばめられた贅沢な空間。海景が並んだ「夏至光遥拝100メートルギャラリー」、光井戸、光学硝子舞台…。それぞれが素晴らしいのはもちろん、細部に至るまで拘り抜かれたこの敷地全体がただただ見事で、心から満ち足りた時間でした。できれば季節が変わるたびに訪れたい場所。
※中学生未満不可のため息子はパパと留守番。いつか一緒に行きたい。

寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽@サントリー美術館

写真不可(サントリー美術館はだいたいそうかも)でしたが、ため息の出るような美しい器の数々でうっとり。野々村仁清「白釉円孔透鉢」をはじめとする器や茶入れなどと、その近くに展示されている絵巻や和歌などとの組み合わせで、時代背景を読み解きながら鑑賞していく楽しみがあった見事な展示でした。

所蔵名品展 尾形光琳 国宝「紅白梅図屏風」@MOA美術館

杉本博司ファンの私と、びじゅチューン効果で光琳の「紅白梅図屏風」を生で見たくなった息子の意見が合致し、熱海へ(温泉にも行かず)。国立博物館かなと思うような国宝、重文の数々。そして、それらの美しさを十二分に引き出す美術館の構成・照明・ガラスなどの凝り具合が杉本さんらしく、素晴らしかった。息子の一番のお気に入りは、本阿弥光悦の「樵夫蒔絵硯箱」でした。

上田義彦 Forest 印象と記憶 1989-2017 @gallery916

閉廊間際になんとか滑り込み。上田さんご自身のギャラリーということもあって、彼の写真と同様に、とても静かで落ち着く、とても居心地の良い空間でした。もっと早くから足を運んでいればと後悔したものの、きっと、またこことは違う空間を準備されているはずで、それを楽しみに待とうと思います。

建築の日本展: その遺伝子のもたらすもの@森美術館

丹下さんの代々木競技場、谷口さんの鈴木大拙館など、主要な建築模型はかなりの数ラインナップされていて、息子に説明しているうちに本物を巡る旅に出たくなるような展覧会でした。やはりハイライトは千利休の原寸大模型「待庵」の中に入れたこと。高層階に待庵があるギャップがなんともいえなかったのと、意外と光が入る空間で、想像していたより広かったのが印象的。

<息子的BEST 5>

デザインあ展 @富山県美術館、日本科学未来館

好きすぎて2会場とも行きました。富山県美術館は、立地も素晴らしいし、内藤廣さん設計の美術館自体も素敵で(屋上には公園も!)、わざわざ遠方から行った甲斐がありました。もちろん、展示も体験型が多くて楽しめるものばかり。東京会場に行く頃にはひらがなが読めるようになっていたので、展示内容はほぼ同じでも、楽しみ方が広がったようでした。

もしかする未来展@国立新美術館

東京大学生産技術研究所による工学×デザインのさまざまな作品(プロトタイプ)がとにかく楽しい展示。どうやって動いているのか、仕組みも気になるようで、触れる作品は、ただ遊ぶだけではなく、裏もひっくり返してみたり、かなり興味深そうでした。

俵屋宗達 "風神雷神図屏風" 海北友松 "雲龍図"@京都 建仁寺

ずっと「風神雷神図屏風」が見たかった息子の希望で京都へ。海北友松の「雲龍図」や、枯山水等も含めて堪能できたようでした。

特別展 縄文 1万年の美の鼓動@東京国立博物館

サクサク見てもかなりのボリュームで見ごたえ十分。改めて縄文時代にこんな技術・文化があったことに驚愕。火焔型土器は力強く、土偶も様々なバリエーションがあり、見ているうちにこちらの想像力が膨らんでくるような内容で、思わずどう使われていたのか想像を語り始めた息子に周りのお姉さまがたがリアクションするような場面も。

酒器の美に酔う展@静嘉堂文庫美術館

びじゅチューンを見た息子のリクエストを受け、静嘉堂文庫美術館に曜変天目茶碗を見に。本物が見れて良かった!と感動(もちろん私も)。用変天目茶碗の解説ムービーも熱心に最初から最後まで見てました。
※展示物は撮影不可。

<その他2018年に見たもの>

その他と括ってしまうのは惜しいものも多数ありますが、きりがないので、ざっと羅列してみます。

墨と金 狩野派の絵画 @根津美術館

くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質  @東京ステーションギャラリー

第10回 恵比寿映像祭 @東京都写真美術館

MeCA Media Culture in Asia @表参道ヒルズスペースオー、ラフォーレミュージアム原宿

アール・デコ・リヴァイヴァル! 旧朝香宮邸物語  @東京都庭園美術館

ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代にむけて  @水戸芸術館現代美術ギャラリー

Houxo Que "Apple" @3331 Arts Chiyoda

木島櫻谷 "近代動物画の冒険" @泉屋博古館分館

蓮沼執太 "〜ing" @資生堂ギャラリー

Virgil Abloh "PAY PER VIEW" @Kaikai Kiki Gallery

WOWが動かす世界 @スパイラルホール

こいのぼりなう! @国立新美術館

トーハク×びじゅチューン なりきり日本美術館 @東京国立博物館

ryoji ikeda "concert pieces"@スパイラルホール

AUDIO ARCHITECTURE 音のアーキテクチャ展 @21_21 design site

ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 @三菱一号館美術館

藤村龍至 "ちのかたち 建築的思考のプロトタイプとその応用"  @ギャラリー間

イサム・ノグチ 彫刻から身体へ @東京オペラシティアートギャラリー

ゴードン・マッタ=クラーク展 @国立近代美術

田根剛 "未来の記憶" @ギャラリー間

新素材研究所 新素材×旧素材 @建築倉庫

神々のやどる器 @泉屋博古館分館

とらやの羊羹デザイン展 @虎屋 赤坂ギャラリー

駒井哲郎 -煌めく紙上の宇宙- / コレクション展 @横浜美術館

アメリカンドリーマー ミリアム・ハスケル 〜渡辺マリ コレクション〜 @アクセサリーミュージアム

来年も息子と一緒にいろいろ素晴らしい展示に出会えますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?