見出し画像

「人材育成に努める」と上司が言うと、もやっとしちゃう

たとえば、
「市役所の職員の態度が悪い」という指摘は、
ずーーーーーーーーっとあります。

じゃあ、昔はよかったのかというと、
私が市役所に入った約30年前は、
もっと悪かったと思います。
いや~、本当にひどかったと思う。

周りの人の、無愛想な態度にぞっとした私は、
そんな風には対応しないと決めました。

私は誰にでも丁寧で親切だったから、
窓口で対応すると、お礼しか言われませんでした。
目の見えない人からも
耳の聞こえない人からも
外国語しか話せない人からも。

「はいっ」(笑顔)って返事するだけで、
ほっとしたような、
喜んだ顔をしてくれました。


新人で配属されたときから今も、
市役所で対応するときの心がけは、
「この人を今日一日幸せにしよう!」です。

その人を一生幸せにすることはできないけど、
慣れない市役所に来たその日だけでも、
市役所に来て良かったと思って、
家に無事に帰っていただきたい。


つまり、今日一日、幸せにしようと。

だから、印鑑廃止については、
コロナ禍前に取り組みました。
「印鑑いるの?」そんな問いからです。
コロナで一気に進んだところはありますが。

「赤色の丸いのがなぜ必要なの?」と
疑ったこともない人たちを相手に質問すると、
若い職員もぽかーんとしてたなぁ・・・
「大切なのは本人の意思じゃないの?」
と言っても、ぽかーんとしてたなぁ。
「何のために窓口であなたが対応してるの?」
と言っても、ぽかーんとしてたなぁ。
本人がそう思ってる、願ってることを確かめることが窓口の仕事なのでは?
名前の後ろに赤い丸いのがあると、
なんか役所の書類デザインとして、落ち着くもんね。
様式のすべての項目、埋めたくなるよね。
そしていつの間にか、
申請書類を書かせるのが仕事になってるよね…


私がこういう考え方に至ったのは、
誰かから教えてもらったわけではありません。
私がなぜだろうと考え、
そうしようと思ったのです。
私がもしもお客だったら、っていうだけです。

今は窓口にいませんが、
たまたま窓口に出たとき、
「よくここまで来られましたね!」という気持ちで、
対応しています。

たまに事務作業が続いて眠くて仕方ないときとか、
市役所内での人の動きを観察しようと思うとき、
玄関フロアに立ちます。
誰に言われるでもなく、自主的にね。
そのときには、
窓口の職員の様子を見てみたり、
お客さんの動きを見てみたり、
職員やお客さんに話しかけてみたり。


玄関に立っていると、
お客さんに話しかけられますが、
「よくここまで来られましたね!」という気持ちで、
お出迎えし、ご案内し、後ろ姿をお見送りしています。

何度も言いますが、
誰から指示されたわけではなく、
自分がしようと思ったことをやっています。



「市役所の職員の態度が悪い」という指摘を、
市議会で議員が指摘すると、
必ずうちのトップの皆さんは、
「人材育成に努める」と答弁されます。

答弁として間違ってはないと思うのですが、
それはたとえばどんなことなことだと思っているのか、
質問したいなあと思うのです。

もう、何年、何回繰り返してらっしゃるのかしら。

それで何をやったのでしょうか。

接遇研修とか、
ナントカカントカ研修、ですよね。

その研修で「人材育成」はできると?
できたと?

研修で他人の時間を奪えば、
なにかやった、達成感はあるでしょう。

「人材育成に努める」と、答弁されるたび、
どういうことなんだろうと首をかしげています。


実際の現場では、
先輩、周りの人の立ち居振る舞いを見て、聞いて、
経験して、学んでいきます。

きっと、
約30年前と比べて職員の窓口での態度が
少しずつ良くなっているのは、
少しずつ職員が気づき、
変えてきた結果じゃないでしょうか。


人材育成には、いろいろあって、
その1つは、
職場の先輩がやってみせることだと思います。
そして、どう思うか。
何を感じるか。
やってみると、どうか。
やらせてみると、どうか。

育つ、とは。
子育てと同じでは?

気づきがないと、
考えないと、
やってみないと、
行動は変わらないと思います。
育たないと思います。

仕事をやって見せる。
仕事をさせてみる。

親の言うことは聞かないけど
親のやることは見てるでしょ?

接遇の態度が悪いと言われるなら、
それを良くしたいと思うなら、
自らやって見せるとか、
その苦労を聞いてみるとか、
してみればいいのに。

「よくしていこう!」と行動すればいいのに。

今までと同じことをしてるから、
今までと同じ事ばかりおきるのだと思う。

何もしてないから
いつまでも同じ事を言われる。

もしかすると、
何をやっても「態度が悪い」という指摘は
絶対になくならないから、何もしない!のかも。
そうならそれで素晴らしい覚悟です。

いつまでたっても、
「役所の文書はわかりにくい」と言われるし
「職員の態度が不親切」と言われることは、
絶対ですもんね。


あ、そうそう。
いつかね、退職するまでに、
役所の文書を、スキルアップしたいんです。



それにしても
職員に「研修」に出席させれば、
人材育成なのかなぁ。

でも、うちのトップは、
「人材育成は私の任務」とやる気たっぷりに感じます。
「人事の研修係長も経験した」ともおっしゃるし。

ただ、「人材育成」の発言頻度と、
人事課から割り当てられる「研修」が
正比例で増えていくことに、
なんだかとっても疲れます。



このたび、過労で倒れたので、
働き方を変えようと思います。
生き方、働き方を
少しずつシフトチェンジしたいと思います。
そうやって私自身が変わることって
きっと、大切だと思います。

前にも同じようなことを、noteしてました(笑)💦


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?