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次元の異なる少子化対策を考えてみた「学校給食費の無償化」

少子化問題を考えれば考えるほど、
「お金」だなぁと思います。

いきなり脱線しますが、
2024年度の地方創生として国が示した策で
次元が異なるなぁと思ったのは、
東京の大学に在籍する学生が、
就職活動のために地方に行って、
実際に地方で就職することになった場合の、
面接に必要になった交通費1回分の半額、
(私の地域は上限16,000円)を補助する!というもの。

その申請のために、学生はたくさんの書類を用意し、
あれこれ書かなければなりません。
振り込まれる時期は、就職を確認してからという。

「地方創生移住支援事業」という名前です。
喜んだ就活生の皆さんは、ぜひご検討を。
その片道の旅費16,000円のために
どれだけの書類を用意しなければならないか、
ぜひ、調べてみてください。(笑)

狙いは、
若者の就活支援、東京一極集中解消だそうです。
わーい、わーい。対策できそう!
この制度があるから地方で就職する学生、増えるかなぁ。
やっぱり次元が違うよね。

さて。次元の異なる少子化対策を考えてみます。

今回は、「お金」じゃないとしたら、です。

働くお母さん(親)の声を聞いた?

私はこどもを男の子2人、産みました。
女の子を育ててみたかったので、
人数で言えばもう一人いてもいいかな、
と思ってたんです。

仕事はあって、こどもは好きだし。
両親も車で10分のところに住んでいるし、
頑張れば、なんとかなるかな~と。

そのときにはその当時の夫と不穏な空気が流れていたり、
ま、流産などもいろいろありまして、
3人目とはなりませんでした。

2人を育ててみて思ったのは、
保育料はなんとかなりました。
(毎月マックス8万円かかりましたが。)
仕事も辞めなくてすみました。
(両親の活躍と職場の配慮があってこそです)
病院代もなんとかなりました。
(こども医療費の窓口負担ゼロは1才まででしたが)
小学校の1年生の壁もなんとかなりました。
(よく頑張ったのは息子たちかも)
中学で給食はなかったけど、弁当も頑張りました。
(土曜日の部活、夏休みのお弁当も頑張りました。)

どうにもならなかったことは「教育」

諸々、なんとか乗り越えられましたが、
どうにもならなかったのが、
こどもたちへの教育、習い事でした。
英語もスイミングもピアノも習わせたかった。

やっぱり、親はこどもに勉強や習い事はさせたい。
できることを増やし、得意を見つけ、伸ばしてやりたい。
才能を見つけ、自立し生き抜くためにいろんなモノを持たせてやりたいのが、
親の願いです。

なのに、働いているとそれが十分にできないんです。

私はさせてやれませんでした。
お金が問題なのではありません。


私がこどものときは、
習い事は近所の子どもだけで自転車乗って
通っていましたが、今の時代はそうではありません。
親の送迎が当たり前です。

学童や保育所に迎えに行って、
食料品の買い物して、
ご飯をつくって、食べさせて、
早く寝かせてやりたいと、洗濯物を片付けながら、
宿題や明日の準備もしながら、お風呂に入れて、
それはそれは、毎日が慌ただしい生活でした。
そんな私の一日のどこにも、
習い事への送迎時間はつくれませんでした。

やばい、こどもの勉強も習い事もさせてやれない!

土日も一日はぐったり寝てしまい、
一日は家中の掃除やかたづけや買い物で終わってしまい、
いったい、いつこどもと遊んで、
習い事をさせてやれるのか、頭を抱えました。

やばい、お金じゃなくて時間がないのか!

っていう現実に気づいた働くお母さんは、
2人目、3人目、さあ次も、というわけにはいきません。

こどもの勉強も習い事も食事も手を抜けない!と
頑張ってしまうのが「働くお母さん」です。
お母さんが働いてるからこんなこどもになってしまったのよ
とは言われたくないのです。

先日読んだ新聞記事で出生率の少ない南イタリアの母親が
「働く女性が2人以上のこどもを持つなんて無理だ」と
コメントしていたのを読みました。

ああ、わかる~

そしてもちろん、こどもには大学に行かせたい、そう願います。
私も学資保険に入って、備えました。
今の大学は学費が1年間で100万円以上。
こどもの生活費、教科書代、交通費を合わせると、
4年間で800万円以上かかるんじゃない?
と思うと、
例え夫婦ともが働いていても、これは大金です。
ちゃんと子育てをしたいと思う親は、
こどもを何人も育てるの無理、とわかります。

1人で800万円、
2人いたら1600万円、
3人で2400万円。
そんな財力があるかしら。
実は給料、そんなにもらえてない事実・・・

そう、失われた30年は、低賃金の30年です。

今、学生は半分が奨学金と言う名の借金を背負って
大学に通っているそうです。
これは学生にお金がないのではなく、
学生の親世代がお金を持っていないからです。

賃金が安いから、
夫婦とも働く必要がある世の中です。
だから政府は「女性活躍」って言い始めたと
私は思ってます。

働く親ほど、
こどもが小さいときは時間がないし、
こどもが大きくなるとお金がない。

2人産んだ私には、
ちゃんと教育を受けさせてやれなかったと、
心苦しい気持ちが残ってる。
やっぱりこどもは1人が限界だったんじゃないか、という気持ち。

そこに手を入れずに、
異次元の少子化対策って言うのかな。

学校給食費無償化

今、市役所で話題になっている少子化対策は、
「学校給食の無償化」です。
市長選挙がまもなくありますが、
おそらく候補者は「少子化対策として学校給食の無償化、子育て応援!」
って言うでしょう。

いや、そこ?って思います。
当事者なら多少、嬉しいけど、
こどもをあきらめるカベって、給食費だったっけ?

保育料は何万円とかかってたので、無償化のインパクトはあったと思います。
今度始まるなんとか支援金と同じで、
就活の面接一回の交通費半額補助も
嬉しいけど、薄すぎない?
そもそもそこが地方移住のカベなの?

給食費無償化に戻るけど、
親になろうとする人の気持ち、聞いてみた?
確かにちょっとは助かるよ、
でも薄く広くばらまいていただいても、こどもに教育をしてやりたい親の願いに合ってるのかな。
それじゃ市役所も「ばらまきメガネ」じゃない?(笑)
国も地方も、ここーってところに集中して資源投下していただけないものでしょうか。


あ、そもそも、所得が低い人は、
今も学校給食費はかかっていません。

給食費を支払っている所得がある家庭で、
月5000円の給食費を払わなくてよくなったからといって
こどもを育てるのがラクになった、
もう一人産める、と感じるのかな。
確かに可処分所得がその分増えて実質賃金は上がったっていうロジックも可能でしょう。
いや、いや、そもそも、給食費無償化は、親の気持ちを後押し、ラクにしてくれるのかな。

お金の話になりますが、
年間6万円の給食費、9年間タダになっても54万円。
大学の学費、いくらでしたっけ?

たぶん、親世代は、
月5000円の給食費の負担に苦しんでいるわけではありません。
カベを感じているのではありません。

働く親ほど、
こどもが小さいときは時間がないし、
こどもが大きくなるとお金がない。

願いは、こどもへの教育だと思うんです。

大切なこどもに十分な教育ができない、
だったらこどもを産まない、
という選択になっているのでは、と思うのです。
だから、できそうな地域は子育て世帯が流入しているのでは、と。



あともうひとつ。
学校に行かない多様な選択を認めつつある世の中で、
学校に通うこどもの給食費を無償化する、
それが「少子化対策」・・・

かゆいところに手が届かないことが、
次元の異なる少子化対策ではなく、
少しでも親の幸せを後押しするもの、
それが次元の異なる少子化対策というのでは?
と思うんです。


じゃあ、どうするか、
働く母親としてどうしてほしいか。希望は。
これはまた別のnoteで。

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