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【市役所職員が思う】井の中の蛙だって大海を知りたい

市役所職員って、採用されてから定年退職するまでの約35年間、その市役所しか知りません

井の中の蛙とでも申しましょうか。



30年前の日本型企業ならどこもそれが普通だったかもしれませんが、
失われた20年か30年かの構造的不況の間に、M&Aなどで、違う仕事のやり方とか、異文化がやってきて、
人員削減じゃない意味でのリストラ、構造改革を経験している企業が普通なんじゃないかなと思います。

創業一族の会社はまた違いましょうが…。


市長選挙でボスが変わることがあっても、
ほとんどの職員が採用から退職まで所属するのが当然、というのが市役所です。
基本的に同じメンバーで仕事を回しているので、なかなか他を知りません。
仕事のやり方はマニアックに深まり、鎖国化が進みやすいかなーと思います。

もちろん、市役所にも人事異動は毎年あって、何年かに一度は仕事や部署は変わります。

人事異動のパターンは、30年以上勤めてたら4,5箇所は異動してることが多いです。

例えば、私の場合、25年間で市民税→企画→下水道→環境→企画、という感じ。


Aさんの場合、財政→教育→病院→財政→企画。
Bさんの場合、下水道→広報→下水道→建設。
Cさんの場合、教育→企画→情報→企画→総務。
Dさんの場合、人事→情報→福祉→企画→総務。
Eさんの場合、人事→環境→人事→福祉→保険。

などです。

市役所の人事異動は、転職か⁉と思うくらいやってる仕事がガラッと変わるものの、結局市役所の構成員はほぼ同じ。
私は席替え、クラス替えと呼んでいます。


企業なら競争相手なので他の企業との交流が少なくても当然でしょう。
市役所は、企業と比べると、他の自治体はそこまで競争相手とは言えません。

わからないことがあれば、すぐに受話器を上げて近隣の自治体に尋ねますし、尋ねられたら教えます。ときにはメールで回答様式を送って、回答してもらったりします。

ある意味、よく情報交換はしているのですが、本当に知りたいことは聞きにくいし、聞けません。

本当に知りたいこととは…?


もっといいやり方がないのか⁉  です。


同じ組織にずっといると、
このやり方が当たり前だと思っていて、もっと他にやり方があるはずだけど、なかなか気づけないんです。


他の自治体の職員さんと、近づきたいなあと思います。

空の高さ、青さ、深さ、仕事の難しさはよくわかったから、大海も見てみたい…


そんな井の中の蛙です。



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