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お客様からの反応に「がんばったことが報われた」と思う。拍手をもらった瞬間の震えるような幸福感は忘れない。

「進撃の巨人」-the Musical-で主人公エレンの親友であり共に調査兵団入りを目指すアルミンを演じて2023年の幕を開けた小西詠斗。同じく1月放送スタートのドラマ「REAL⇔FAKE Final Stage」への出演もあり、自身の芝居に磨きを掛けている小西が刀剣男子・堀川国広として出演する「映画刀剣乱舞-黎明-」が公開に。日本映画史に新たな“黎明”を告げる戦いが繰り広げられる本作への想いも含め、“今”の小西詠斗にフォーカスする。

■アルミンの成長を見せるのと同時にアルミンに成長させてもらいました

——今年は1月に「進撃の巨人」-the Musical-に出演されていました。挑戦も多い、大変な作品だったかと思いますが、今思うとどんなカンパニーでしたか?
 
小西詠斗 「進撃の巨人」はカンパニーのみんなも優しくて、熱量も高いですし、「みんなですごいものを作っていくぞ」という一体感も大きかったです。稽古期間に新年を迎えたのですが、とても充実した気持ちの中での幕開けとなったなと思っています。
 
——アルミンを演じる際に意識したのはどんなことでしたか?
 
小西 原作はもちろん大事にしたいのですが、原作のアルミンを模倣するということではなく、その空間、その場所でセリフを投げかけられ、投げかける瞬間にアルミンとしてなにを感じるかを大切に、そこで湧き上がった感情に素直にお芝居をしたいと思っていました。作中でも最初はすごく弱かったアルミンがエレンやミカサに影響を受けて、最後は兵士として立つ。その場面でしっかりと説得力を持ったお芝居をしたいと思いましたし、僕自身も殻を破って、アルミンとして心臓を捧げるポーズをすることができたのではないかと思います。アルミンとしての成長を見せると共に僕自身もアルミンに成長させてもらったなって思っています。
 
——公演が終わったあとにはどのような感覚がありますか?
 
小西 ほっとした想いと同時にすごく寂しさを感じてもいます。大変な時間でしたが、やれることならまたアルミンとして生きたいなって思っています。熱量がすごくある作品なので、毎公演全身全霊でアルミンの壮絶な生き様に対して体当たりしていくような感覚だったんです。説得のところでの魂を震わせるような叫び。全身を使って、体力を余すことなく出していかなければたちうちできない作品だったので、そこに向かっていくことがとにかく大変でした。ただ、ずっと充実感も感じ続けていました。嬉しいことにお客様からたくさんの反応をいただいて…。毎日満員でしたし、初日と千秋楽以外の日であってもスタンディングオベーションもたくさんいただきました。その瞬間の、震えるような幸せと充実感は忘れられません。頑張ってきたことが報われたなと思いました。

■実は刀剣男子の中で一番怖い存在だと思っている堀川国広のはなし

——アルミンをはじめ常に様々なタイプの役柄を演じる小西さんですが、2019年から演じているのが舞台「刀剣乱舞」の堀川国広です。ご自身が演じるからこそ「こうありたい」という堀川国広像というと?
 
小西 役作りとしては、原作に答えがある作品なので、しっかりと原作と台本からキャラクターを捉えていく作業をしていくのですが、僕的な解釈で言うと、新選組の中で堀川くんが一番強いんじゃないかという結論に至ったんです。普段は可愛らしく見えるのですが、実は新撰組の刀の中でも一番怖くて、副隊長の刀としても一番冷酷。絶対に芯を曲げない。もしも時間遡行軍に改編されそうなときに立ち塞がるのが土方歳三だったとしても、その土方を斬れるのは兼さん(和泉守兼定)ではなく堀川くんだと思っていますし、そういう部分を常に自分の中に置いて芝居をしていこうと思っています。
 
——そして「映画刀剣乱舞-黎明-」が公開されます。本作のみどころを教えてください。
 
小西 渋谷の街中に刀剣男子がいる姿を見て欲しいです。自分も見ていてわくわくしました。あとは映画だからこそ殺陣での音やエフェクトがすごいんです。殺陣の一振り一振りにエフェクトが入っていますし、すごくカッコよく編集していただいていて見ていて興奮しました。「こんな風になるのか!」とわくわくしました。お芝居でいうと映像では現代が舞台となりますし、舞台公演よりもよりリアルな世界観になると思うので、より人間味のあるお芝居にしようと考えました。舞台のように声を張ったりしなくても、舞台以上のリアルな人間らしさを出すことを意識しました。平面の舞台上とは違って、森の中や深夜のまっくらな中、足場が悪くて地面に踏ん張れない場面での殺陣もありましたし、立ち回りをしていて滑ることもあって、実際に戦っていた時代の人たちはこんなコンディションでの戦闘だったったのだと、これまで考えたこともなかったようなことを気づかされました。
 
——特に注目して欲しいのはどんなところですか?
 
小西 殺陣の中に堀川くんの冷酷さや邪道さを僕なりに詰め込んで乗せました。その気迫が見える瞬間を見て欲しいです。あとは堀川くんならではの俊敏で小回りの利いた殺陣を楽しみにしていただきたいです。
 
——確かに刀剣男子たちの殺陣には動きだけではない、感情も載っていますよね。
 
小西 そうなんです。ぶんぶん振り回しているだけではないですよね。堀川くんも無駄のない、背筋の伸びたスマートな動きで、身軽にジャンプも見せながらの殺陣ですから。あとは「絶対に殺してやる」という感情も乗せて、殺陣をやりました。ぜひそのあたりも注目しながら映画を見ていただきたい
です。

【リーズンルッカ’s EYE】小西詠斗を深く知るためのQ&A

Q.春にやりたいことを教えてください。

冬にスノボに行きたい、と思っていたのですが、結局行けないまま春が来てしまいました。春にやりたいことは「富士急ハイランドで遊ぶ」です。特に「絶望要塞」という謎解きアトラクションに挑戦したい!前に行ったときには1日で40回くらいやって、クリアできなかったんです。聞いたら、数人しかクリアできていないらしくて。僕もいつかクリアしてみたいです。

Q.この春に新しく始めたいことを教えてください。

ジムに行ってみたいです。友だちには定期的にジム通いしている人も多いですし、23歳にもなったので、もっと体を作っていきたいんですよね。まずはジムの会員登録をするところから始めようと思います。

<編集後記>

ミュージカル「地縛少年花子くん-The Musical-」の花子くんや歌劇「桜蘭高校ホスト部」のハニー先輩など可愛らしさある役を演じてこられた小西さんの、芯の強さと迫真の熱を感じさせた「進撃の巨人」はまさにアルミンとの共存だったのだと取材で教えてもらいました。

<マネージャー談>

取材は2月でしたが、この頃から口を開けば「花粉が〜」と言っているくらい、花粉に苦しめられている小西です。この日は外でも撮影したので、鼻水との戦いでした。
「舞台『刀剣男子』維伝 朧の志士たち」で堀川国広を演じたのは、小西が19歳の頃。今回の「映画刀剣乱舞-黎明-」では、4年経ち成長した姿をお見せできるのではないかなと思っております。是非劇場でご覧いただけたら嬉しいです!

【プロフィール】
小西 詠斗(こにし えいと)
2000年1月21日生まれ。広島県出身。2019年俳優デビュー。2019年11月~2020年1月 「舞台『刀剣男子』維伝 朧の志士たち」で堀川国広役に。以降多数のテレビドラマ、舞台に出演してきたほか、2020年からは日本テレビ系「ZIP!」流行ニュースキテルネ!リポーターを務めるなどマルチに活動している。近作に「進撃の巨人-the Musical-」のアルミン・アルレルト役、ドラマ「REAL⇔FAKE Final Stage」の菅原陽翔役などがある。「映画刀剣乱舞-黎明-」は2023年3月31日より公開。
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取材・文/えびさわなち
写真/宮下祐介


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