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ミュージカル「メリリー・ウィー・ロール・アロング」で現在から過去へ!?平方元基と笹本玲奈の自分時間はアクティブに。

数々のミュージカル作品に出演してきた平方元基と舞台のみならずドラマでも活躍を見せる笹本玲奈。二人が共演するミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』ではどのような関係を見せてくれるのか。アクティブな二人の自分時間の過ごし方についても聞きました。

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■突然のしっぺ返しは人生あるある!?

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あの時、もしこうしていたら?
『メリリー・ウィ・ロール・アロング』はニューヨークで成功を夢見る3人の若者たちの物語だ。スティーヴン・ソンドハイムによる美しい音楽も魅力だが、なんと言ってもこのミュージカル、時間が現在から過去へと時系列に逆らって進んでいくのが面白い。つまり3人の今の姿があり、彼らがどんな人生を歩んできたのかを逆再生で観ることができるのだ。
なんともユニークな観劇体験ができること間違いなし!のこの作品、主役のフランクを演じるのは、多くのグランドミュージカルで活躍中の平方元基だ。

「フランク・シェパードはもともと作曲家でしたが、映画のプロデューサーに転身し、富と名声を得た人物です。一見、華やかでカリスマ性もあるけど、優柔不断で周りに流されやすい男。何かを選択する時には何の気なしに選んでしまい、“本当にそれでよかったのか?”と後に苦しい思いをすることになります。
ふらっと浮気をしてしまい、妻と裁判で争うことになり、友情に甘えていたせいで、親友のチャーリーはもちろん、ずっとそばにいてくれたもうひとりの親友のメアリーにすら別れを宣告されてしまう。甘い選択をしながらもそれなりに派手な人生を歩んでいたら、突然のしっぺ返し!みたいな状況。これって人生のあるあるじゃないかなって思うんです。そちらを選んでは人生がダメになるとうっすらわかっていても、選んでしまう人間の心理。それでも前を向いて生きていくしかない。本当に葛藤の多い役ですね」(平方)

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そして親友3人組の紅一点メアリー役には、舞台、ドラマでの活躍が目覚ましい歌姫・笹本玲奈。

「メアリーは大学生の頃は物書きを目指していて、願い通りに小説家になり、ベストセラーを出しました。しかしヒットしたのは一冊だけで、その後一文字も書けなくなってしまいます。依存体質で、スランプに陥るとお酒とタバコに走ってしまうという面もあって。フランクのことが大好きで、それもある種の依存なんだと思います。愛情が強すぎるゆえに自分が何とかしなきゃという思いもあるんでしょうね。でも、結局はフランクに振り回されっぱなしの人生なんですよね」(笹本)


■人生を一緒にさかのぼるからこそ、最後の感動が大きくなる。

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 フランク、メアリー、そしてウエンツ瑛士が演じるチャーリーの3人を軸に物語は進む。現在から過去へと遡る流れで演じるのは難しくないのだろうか。

「いつもならシーン毎に稽古をして、それを積んでいき、経験してお客さんと共有するんです。でも『メリリー』ではシーンが進めば進むほど若くなるので、経験をまっさらにして忘れていかなければなりません。ラストシーンで、これから向かっていく未来に対して台詞を言うことが、稽古を重ねるにつれて難しくなってくる気がして。それでも、ラストには未来を夢見ている僕ら3人の始まりが描かれていて、とても感動的だと思います。
観客の皆さまにもこんな時代があったなぁって共感していただけるのではないでしょうか」(平方)

「演じながら時系列をさかのぼるのは、やはり難しいです。でも、シーンが進むごとに、あのシーンのあの台詞はこういうことか!という発見が積み重なるのはとても素敵なこと。3人の人生をさかのぼり、悲喜こもごもを共に体験するからこそ、最後の感動が大きくなるのでしょう。経験を重ねた大人の方々により刺さる作品かもしれないですね」(笹本)


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■旅行、ドライブ…休日はアクティブな自分時間!

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今は日々の稽古に追われているお二人、一日の中で一番好きな時間はいつなのか。

「朝ですね。毎日5時半から6時くらいに起きます。身支度をして、朝食の用意。特に子供が起きるまでのひとときは、自分だけの時間ですね。好きなテレビを見たり、Instagramをチェックして更新したりする。台本を開いたりもしますね。」(笹本)

「僕は夜型なので寝る前です。帰宅して、ひと休みする、台詞を覚える、お酒を少し飲む。他にも色々とやるべきことを済ませると、一日が終わったなぁと実感できる。そんな時間が好きかなぁ」(平方)

オフの過ごし方を聞くと、どちらもアクティブで外出派とのこと。

「すぐ出かけます。あまり家にいない。休みの日ぐらい太陽を浴びたいなと思うので。今はできないけど、数日あればパッと旅行に出かけちゃっていました。」(平方)

「私も出かけます。ドライブも大好きです。車を手放せないのは、歌を練習したり台詞を覚えたりする時にも使うから。家や稽古場よりも集中できるんです。」(笹本)
「僕も運転するのは好きです。あと散歩。夜、人気のない街を2時間くらい歩いたりします。その時に台詞を覚えたりするので、一人ですごく怒ったり、泣いたり、空き地に座ってブツブツ喋ったり。知らない人が見たら、かなり変な人ですよね(笑)」(平方)

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もし突然、24時間あいたら?

「コロナ禍じゃなかったら旅行ですね。1日でもいいから飛行機に乗りたい!空港に行きたい!願わくばリゾートに行きたいです。海と太陽があって、ビルがない場所に」(笹本)
「僕も旅行かな!こうして閉ざされた日常で頑張って生活をしていると、海外が恋しくなりますね(笑)。モロッコやトルコに行きたいです」(平方)

このコロナ禍で海外に行けないことがストレスなのは、めちゃくちゃ共感してしまう。
それなら、まずは『メリリー』観劇がおすすめ。劇場で50年代のニューヨークを体験してみてはいかがだろう。

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【プロフィール】
平方 元基(ひらかた げんき)
1985年12月1日生まれ、福岡県出身。日本テレビ系連続ドラマ『スクラップ・ティーチャー』などに出演後、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』でミュージカルデビュー。その後は数々のミュージカルに出演。主な出演作品に、『エリザベート』『キューティ・ブロンド』『サンセット大通り』『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』『ローマの休日』などがある。2021年8月には話題を呼んだミュージカル『王家の紋章』への出演を控える。
Twitter
笹本 玲奈(ささもと れな)
1985年6月15日生まれ、千葉県出身。1998年ミュージカル『ピーターパン』で5代目ピーターパンを演じて主演デビュー。その後『レ・ミゼラブル』、『ミス・サイゴン』などに出演。2007年第32回菊田一夫演劇賞、2008年第15回読売演劇大賞優秀女優賞・杉村春子賞受賞。TVドラマ「華麗なる一族」出演中。2021年9月舞台『近松心中物語』上演予定。

【作品情報】

写真/玉村敬太
取材・文/三浦真紀


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