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『鎌倉殿の13人』柿澤勇人にクランクアップ前日直撃!「今夜はきっと眠れない」35歳の抱負は?

リーズンルッカでは公式Twitterで「あの人のインタビューが読みたい!」「この人の写真がたくさん見たい!」というリクエストを大募集。その中で多数のリクエストをいただいたのは…ドゥルルルル(ドラムロール音を脳内再生してください)ジャッジャンッ!現在放送中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源実朝を好演している柿澤勇人。しかも10月12日に35歳の誕生日を迎えるというベストタイミング。「これは早速インタビューをせねば!」と突撃したところ、さらなる貴重なタイミングであったことが判明した。このインタビューの実施日は、なんと柿澤が源実朝として最後の出番を控えた撮影の前日。「源実朝への思い入れは深く、いくら喋っても語りつくせない」と実朝愛を口にする、柿澤のクランクアップ直前の様子をお届けする。

■三谷幸喜の言葉を実感するワケ


自身の出番最終日を翌日に控えているとは思えぬリラックスした表情で取材場所に現れた柿澤。「僕の家族は普段あまりドラマを見ませんが、『鎌倉殿の13人』に関しては物凄くハマっている。第1回から人物相関図を見ながら視聴していて“あのシーンにはどんな意味が込められているの?”と聞いてくるほど興味津々。親戚もみんな見てくれていて、凄まじい反響を肌で感じています」と嬉しそう。
 
SNS上の反応も逐一チェック。脚本家の三谷幸喜から聞いた「大河ドラマは視聴者が登場人物をまるで家族のように思って応援してくれる」という言葉の意味が理解できた。「エゴサーチしてみると、実朝について好意的に応援してくれる声が多くて本当に嬉しいです。もちろんネガティブな意見もありますが、それを上回るポジティブかつ温かい声援の数々。三谷さんの仰る言葉の意味を実感する日々です」と視聴者たちの熱意に感謝。だが撮影に臨む際には「周囲の言葉に一喜一憂していると芝居が安定しなくなるので、皆さんの感想はありがたくチェックしつつも、自分の感情とは切り離すように心がけています」と揺らぎなく源実朝と向き合っている。

■ジャンルの垣根を越えた魅力的な共演陣


時代劇ならではの和装にもしっくりきている。「最初の頃は胡坐一つとっても硬いような気がしていたけれど、着物は着れば着るだけ着こなせるものだと感じています。所作の先生からも硬さがなくなったと褒められました。烏帽子の中は半カツラで髷スタイル。地毛も後ろと左右はゴムで結んで引っ張るので最初は違和感がありましたが、今ではその準備をするだけで自然と気合が入ります」と実朝スタイルがお気に入りだ。
 
共演者にミュージカル出身俳優が多いことから、SNSでは柿澤の加入で“ミュージカル大河ドラマ”と盛り上がる向きもある。「ミュージカルに限らず、アイドルや歌舞伎など色々なジャンルの方が出演されているので、逸材や才能を知ってもらえるチャンス。『鎌倉殿の13人』をきっかけに俳優個々の活動に興味を持ってもらえたら最高」と歓迎する一方で「俳優がジャンルの垣根を越えて活動することは、これからどんどん当たり前になっていくはず。色眼鏡を外して見守ってもらいたいです」と期待する。

■『鎌倉殿の13人』クランクアップ前日の心境


そして気になる、クランクアップを目前に控えた柿澤の心境。「明日が撮影最終日で、しかも大事なシーンが控えています。“実朝さよなら!”という気持ちよりも“上手くいくだろうか…”という不安が大きいです。それくらい本当に大事な場面であり、相当な気合いを入れていかなければならない。小池栄子さん(北条政子)とのシーンなのですが、最後の最後に大きな山が待ち受けています。一発で仕留めることができるのか?と、かなりの緊張感を持っています」と真剣な眼差し。
 
その緊張感は、源実朝という生き様を最後まで全うしようという決意の表れか。「クランクアップということは決まっているけれど、いざ撮了を迎えたときに自分の感情がどのようになっているのか想像がつかない。クランクアップ前には大体、最後の挨拶でどのような感謝の言葉をスタッフ・キャストに述べようかと考えたりするものだけれど、そんな余裕が今回まったくない。心にあるのは“どうしようどうしよう”。今夜はきっと眠れないと思います。ここまでのプレッシャーを感じる経験は初めて」。思い入れの強い源実朝という大役を完走する柿澤の姿を、放送を通して楽しみたい。

【リーズンルッカ’s EYE】柿澤勇人を深く知るためのQ&A

Q:学生時代に熱中したサッカー経験は今の仕事でも活きていますか?

僕は歌も踊りも人より上手くないので、常に反復と練習と努力を続けています。これはサッカーでも全く同じで、レギュラー入りを目指すために練習して食らい付いていました。練習試合で監督にアピールしたり、人より技術がない分、足の速さを鍛えたりして。努力やアピールなど、サッカーで得た経験はかなり活かされています。

Q:柿澤さんの俳優の原点は劇団四季にあると思います。どのようなことを得ましたか?

浅利慶太先生が今の僕の俳優の基礎となる部分を植え付けてくれたといっても過言ではありません。心に残っている言葉は二つあります。ひとつは「自分の時計を見ろ」。これは役者の良い時期とは人それぞれであるということ。若くして売れる人もいれば、その逆もあるわけです。もうひとつは「名優は大根役者からなる」。下手でもいいから鍛錬して努力を積めばおのずと名優になるということで、サッカーでの経験と重なると思います。

Q:10月12日は35歳の誕生日です。欲しいプレゼントや抱負は?

欲しいプレゼントですか?うーん、僕は物欲がないんです。5年くらい同じ洋服を着ているくらいで(笑)。買い物も年に1回とか、それもセール期間に行く。安いのは最高です。抱負としては35歳の年は舞台が続くので、健康を維持したい。そのためにはしっかりとご飯を食べる。物欲同様に食欲もなくて、最近は一日一食のときもあります。食は人間の基本ですから、たくさんご飯を食べるような35歳を目指します!

<編集後記>

源実朝としての活躍ぶりがかなり期待されているようで、インタビュー取材もひっきりなしとのこと。この日も複数の媒体のインタビューを受けての対応だったが、疲れを一切見せずに、写真撮影のポージングも含めてすべて神対応。「疲れないのはきっと源実朝についての取材だからだと思う」「取材の方々も細かいところまでドラマを見てくれていて本当に嬉しい」と終始楽しんでいる様子だった。インタビューでも翌日に控えたクランクアップに対しての緊張を語っているが、プレッシャーとは裏腹に自信に満ちた表情を浮かべており、不安以上に気合と覚悟が漲っている、そんな雰囲気が漂っていた。

<マネージャー談>

この日は「東京ラブストーリー」関連の取材からの「鎌倉殿の13人」の取材…という取材デーでした。今まで演じてきた役とは違う、源実朝のことを考え続けた5ヶ月間(…というか私が担当になった時から関連の本はずっと読んでいたのでもっと長いですね。)は本人にとっての新たな挑戦だったと思います。クランクアップ後は「今日は暴飲暴食だ」と安堵していました。源実朝の最期、そして柿澤勇人として出演する番組もぜひ見届けてください。

【プロフィール】
柿澤勇人(かきざわ はやと)
1987年10月12日生まれ、神奈川県出身。2007年、劇団四季公演『ジーザス・クライスト=スーパースター』で初舞台。劇団四季退団後は舞台・映像と幅広い分野で活躍する。主な舞台作品には『スリル・ミー』『海辺のカフカ』『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』『スルース~探偵〜』、ミュージカル『フランケンシュタイン』『ブラッド・ブラザーズ』等があり、映像作品には、NHK連続テレビ小説「エール」、日本テレビ「真犯人フラグ」、映画「鳩の撃退法」がある。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に源実朝役で出演。2022年11月ミュージカル「東京ラブストーリー」が、2023年3月「ジキル&ハイド」が公演予定。
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写真/佐藤亮
取材・文/石井隼人
ヘアメイク/松田蓉子
スタイリスト/杉浦優


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