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ありふれた愛じゃない/村山由佳

堅実な年下の彼とワイルドで危ない匂いがするけど猛烈に惹かれてしまう元彼。

20代後半から30代になると誰しもふと考えてしまうのではないか。このままあれふれた人生を歩んでいってもいいのか。若い頃は少年すぎる刺激のある彼氏に安定を求め、歳を重ねる毎に刺激を求めてしまう。周りからの評判も良く、会社でも信頼されている、豪華な生活はできなくてもお金に困ることはなさそう。彼といると落ち着くし、安心する。彼と結婚して、子供ができて、家を建てて。そんな未来が安易に想像できてしまう事に安心感を覚える一方、このまま「ありふれた人生」でいいのかと不安になる。

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一方自分の仕事も軌道に乗ってきて、仕事でも認められたい。恋愛、仕事、生活。全で諦められない。でも、時は進んでいく。そんな感覚は誰しもあったのではないか。

ボラボラ島の豊かな自然の中でのストーリー展開に、ボラボラ島への熱が増す。

仕事先で行ったボラボラ島で大好きだった元彼と会うだなんて、現実じゃありえないと思いつつも一気にストーリーに引き込まれてあっという間に読了。なんだか少女漫画を読んでいるようだった。

もしかしたらこの物語を「ありふれた愛」ではないかと思う人もいるかもしれない。でも恋愛はそんなものではないか。周りから見るとありふれた愛の物語でも、当の本人たちには「ありふれた愛じゃない」のです。

村山由佳さんの作品は刺激的で、でも誰もが経験しているだろう気持ちの揺れや、自分との葛藤に主人公が物語の中で立ち向かっていく。そんな姿に共感や勇気をもらう読者は多いのではないか。

個人的には表紙のdesignが好きだ。多分ミュシャも好きだし、女の人の絵が好きみたいだ。誰が書いたのか知っている人がいたら教えてほしい。


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