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フランス美術史〜百貨店カルチャースクールにて

資格や検定、今までしてきた勉強などについて、デザイナー目線で書いています。今回は独立数年後からしばらくの間、池袋の東武カルチュアスクールで連続受講していた、フランス美術史。

受講のきっかけ

フリーランスとして独立した後、それまで毎年訪れていたフランスへなかなか行けなくなったなあと思っていた時に、東武カルチュアスクールでこの講座を見つけて受講してみることにしました。

百貨店のカルチャースクールは3ヶ月単位。一つ終わる頃に次の手続きをするのですが、講座が終了するまで結局2年半ほど受講しました。

内容と難易度

17世紀から近代まで、フランスを中心にしたヨーロッパの美術史を多岐にわたって学びました。近代以前の絵画は政治や宗教と深く結びついていることもあり、歴史を美術の視点で見ていく過程もとても興味深いものでした。当時の風俗や流行、技術的な話も出てきて、話題はバラエティ豊か。

スライドを見ながら細かくわかりやすく解説してくれるので、特に難しいこともなく、今までつまらないと思っていた宗教画なども俄然面白く感じるようになりました。

「この頃は夜を描く技術がなかったので、昼のように明るいけれどこの場面は夜なのです。どこでわかるかというと…」など、描く側の事情のようなお話も新鮮でした。

「夜を描く技術」…? なんて、思いもつかないですよね。

そのほか、受講のタイミングで開催される展覧会があれば、展示される作品について詳しく解説してくれる回があったり、リアルタイムでも楽しめる内容でした。

デザイナーとしてのメリット

純粋にフランス恋しさで受け始めた講座なので、特にメリットということも考えずに受講していました。

ただ、絵画をはじめとする美術の見方やポイントを学んでいくと、デザインに隠し味として加えられるようなヒントがふと見つかることも。必須なものではないけれど、プラスアルファの何か、インスピレーションの元になり得ると思っています。

絵画に描かれた頃の女性の美の基準が現代と違っていたり、仕事をしながら思うところもあります。

人物が特定できる宗教画における持物(アトリビューション)は現代のキャラクターデザインに通ずるものがあるなあ…などと考えるのも楽しいです。

余談

とっても面白くて当たり前のように更新していたフランス美術史。うろ覚えですが、確か教えてくださっていた先生がおやめになったタイミングで私もストップ。先生のお名前は失念してしまったけれど(ごめんなさい)、本当に面白い講座で大好きでした。

学校で美術というとどうしても実技がメインですが、こういう話ももっと取り入れたら苦手な人も好きになる余地があるのでは…と思ったりします。

残念ながら、東武カルチュアスクールは閉校してしまったみたいです。面白い講座がいろいろあったと思うので残念。

講義内容のノートには、移動中に見たいなーと思ってRollbahnのミニサイズを使っていました。今見ると小さすぎて書きにくかったせいか微妙なのですが、ところどころ図解もあって、朧げな記憶をたどることができます。
レジメは今でもファイルして持っていますし、そのうち参照しながら見返して解読してみるのも楽しそうです。

椅子も座る人を選ぶ!らしい…当時のノートより


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