心臓がキュッとなる時間【ノンフィクションショート小説】
今日は久しぶりに新宿の本社に行きました。
よしもとの本社に通っていたのは、コロナ禍になる直前。
今日までに本社に行ったのは数える程度で、久しぶりの本社にドキドキして向かった。
今日は久しぶりに誰かに会えるかな?誰に会えるだろうとワクワクしていた。
楽屋に通されて重い鉄の扉を引き、おはようございます!と大きな声で挨拶をすると、その声は遮るものなく自分にだけ反射して返ってきた。
内容は言えないけど、会社からのメールは重々しくも何やら重大そうなものだった。
それなのに、楽屋に用意された1人分の朝食と水に一気に緊張感が走る。
僕が楽屋に着いて程なくして、顔見知りのスタッフさんが現れ、今日はよろしくお願いします!と挨拶される。
あまりにも閑散とした1人にはデカすぎる楽屋に、鳩が豆鉄砲を食ったような表情で立ち尽くす僕にスタッフさんが気がついて、ビックリした?と一言。
「なんだぁ!そうですよね、1人の仕事かと思って焦りましたよ!今日って行雄さんかアントニーさん来るんですよね?」
「ん?リロイ君1人やで」
心臓がキュッとした。
一人でスタッフさんに頼まれたことを理解し、なんとかそれをこなそうとしている間にあっという間に時間は過ぎ去り6時間が経っていた。
なんとか1人でやり切った…と思ったその瞬間、スタッフが一言
また来週もよろしくお願いします!
ありがとうございます。頑張ります。
上手くいけばこの心臓がキュッとなる時間がしばらくの間続くようだ。
信じたくないけど、信じたい。
しばらくはがむしゃらに頑張ることになりそうだ。
リロイ太郎
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