*ネタバレ少なめ『君たちはどう生きるか』を耳で楽しむ
観てきました『君たちはどう生きるか』
僕がチャンネル登録しているYouTuberたちが軒並み批判的だったので二の足を踏んでいたのですが、体調やらタイミングやら諸々の条件が揃ったので、行ってきました。
ネタバレは極力避けようと思いますが、危うさを感じた人はゴーバックでお願いしますm(_ _)m
先に観た人たちの感想で「ストーリーがよく分からない」というものが目立っていましたが、僕はそこまで気になりませんでした。
ジブリ作品でいうなら、確かにラピュタや魔女宅ほど物語叙述の分かりやすい作品ではないかもしれません。千と千尋やハウルと同質の、幻想と象徴の世界を行き来する描き方。ただ素材や隠喩の密度はこれらの作品を超えてないように感じましたし、主人公である牧眞人の目的は終始一貫しているので、割と観やすい方だと思いました。
もしかしたら俯瞰で物語を眺めるのではなく、没入して近視眼的な展開を楽しむ作品かもしれません。120分で起承転結が流れていくのではなく、数秒前の描写からズレたり飛んだりするのを連続で楽しんでいく。ユーモアとかアイロニーとかでしたっけ? そのような視点で観てみると、その時々で「来てほしい」流れがちゃんと用意されていて、可笑しみや興奮などよ感情が従来とは違う吹き出し口から溢れ出てくるようでした。(伏線とか意味とか考え出すとドツボにハマるのでオススメしません)
宮崎駿監督のことを研究対象にしたがる人もいますが、僕はあまりそういう鑑賞法には賛成しません。生きておられる限り、答え合わせを求めてしまうからです。答えとは、つまらないものでしょう?
まだ観ていない方に、僕がもっともお勧めしたい点がふたつあります。
まずは主人公・牧眞人の声をあてた山時聡真さん。少年(おそらく小学生)としては確実に大人びた声をしていて、ただそれは東京で教育を受けていることや、その時代の事業主を父に持つという背景を視聴者にすんなり受け入れさせる作用があったと思います。……とか御託を並べたものの、結局はイケボでちょっとセクシー、ボソボソ喋る独特のジブリ男子節が完璧なんです(笑) 山時聡真さん、18歳の俳優さんとのこと。もしかしたらジブリ作品研究などして臨まれたのでしょうか? たいへん素晴らしかったです!!
もうひとつは言わずもがなですが、久石譲氏の音楽。彼の音楽は主題Aと変奏A'がまったく違うオーケストレーションで奏でられ、これ自体は極めてフツウのことなのですが、それが映画の展開に恐ろしいほどマッチすることなんですよね。数分間の展開を後押しするだけでなく、牽引すら担っている。まさにそのシーンのために息を吹き込まれた音楽。サウンドトラックの神だ。
どんな場面だったかはハッキリと覚えていないのですが、ピッコロとピアノのユニゾンで始まる曲、低音木管のアンサンブルで始まる曲は、かなりお気に入りでした。これらの曲を聴くために、もう一度観に行きたいくらいです。
というわけで、色々と言われてる『君たちはどう生きるか』ですが、感想は、分かる分からないとかはあまり気にしないで各人好きなような楽しんじゃいな!でした。これまでジブリを楽しんだことのある人なら、きっとその面白さを見出せるはずです!!
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