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2時間22年〔ライブレポ〕

先日、六本木のライブハウス「EX THEATER ROPPONGI」に行ってきました。
お目当てのバンドはGRAPEVINE。
メジャーデビューから丸22年、普通ならマイペースにやってる方が多いベテランアーティストだと思いますが、ストイックに毎年ニューアルバムをリリースしてくれます。

知らない方も多いと思いますが、凄いバンドです。黒人音楽へのリスペクトを礎にしたオルタナティブロック……というのは、簡単に紹介するときに用いる文言ですが、そんな音楽ジャンルの枠に彼らは収まりません。
幽玄、無常、侘び寂び、細み軽み。
日本文学の特徴を示す言葉を取り出したのは、ここがnoteだからでも、僕が韻文好きだからでもなく、彼らの楽曲を形容する際にもっとも適切だと思ったからです。

日本のポップスやロックの1曲3-6分という制限の中に、煌びやかな魅力をとことん詰め込み、聴衆を感動や熱狂に巻き込む音楽は数多くあります。
しかし彼らの音楽は無理に心を動かそうとはしないのです。僕の心が自然と曲の方に向いていくのを、心が自然と揺れ動くのを、心が自然と弾み出すのを、待ってくれているかのように思います。(と思いきや、突然オラオラの巻き込み方をすることもあってそこもまた魅力なのですがwww)

彼らは曲の感情や詩情を、押し付けがましく見せつけてこないのです。何かを受け取るとか、理解するのではなく、聴いた人の胸に提示されていない何かが生まれる感覚。それを媒体にして、彼らと僕らが繋がる感覚。そんなある種の文学的な営みが、彼らの楽曲にはあると思います。

2時間超の長丁場。
真摯で渋みのほとばしるギター、堅実かつ変幻自在のドラム、才能と色気の塊とも言うべきヴォーカル。そしてサポートメンバーと言いながら、もうほぼメンバーのベースとシンセ。
精錬され、研ぎ澄まされた音、音、音を浴びた夢のような時間。
ひたむきに向き合われた音がライブハウスに充満して、音のゾーンを垣間見た心持ちになる。
そのたった一度だけ掻き鳴らされたギターの音に、いったいどれだけの時間が凝縮されているのだろうか?
2時間のライブの背後にある、22年以上の時間の重みを感じて、あまりの贅沢な時間を得たことを神さまに感謝しました。

よろしければぜひ最新アルバムを聴いてみてください。今のポップス、ロックシーンでは得難い、感情の深淵に辿り着けるかもしれません。


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