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負け惜しみの執筆観

 文筆家が売れないから、有名になれないからといって筆を置くべきでないのは、文学が扱う心の領域には、普遍性・一般性の軸の他に、特異性・個別性という軸があるからなのです。つまり、100人の心を揺り動かすものか、1人の胸に刺さるものかということ。

 とりわけ他の芸術分野に比べて文学の世界においては、後者の価値が価値として認識されやすいことと思います。共感しやすい・感動しやすい、言い換えるなら使い古された水路は、むしろ個人の感情の行き先を歪めてしまい、個人の救いを妨げてしまうこともままあります。

 もちろん、広く流布する方がその1人の読者の手元にも届きやすいというジレンマもありますが、それは作品の問題とは別個に考えるべきです。書きたいように書き続けて外に出し続けること。そこに最低限かつ最高の価値を見い出す、それが書くことだと最近は思っています。

ご支援頂いたお気持ちの分、作品に昇華したいと思います!