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RIPPLE〔詩〕

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2021年7月の記事一覧

【短詩】少女は

【短詩】少女は

 「少女は」

 雨を見つめる少女

 曽祖母のことを

 想う縁側で

 アオガエルが葉に跳び渡った

 妹の駆ける足音が過ぎた

 また見つめる

 とわに繋がりつつある祈り

 そして少女は


#詩 #ポエム

【詩】踏みしめるそこに

【詩】踏みしめるそこに

  「踏みしめるそこに」

  裸足がよいか

  靴下でもよいか

  シューズやヒールでもかまわない

  ただ立ち止まってみた方が

  よいかもしれない

  何を履くか以上に

  どう踏むかによって

  聴こえてくる声があった

  大地は子宮だ

  そのことをまだ知らなかった頃

  シロツメクサとムラサキツメクサの

  色の違いばかりが気になって

  公園の空虚を眺めていた

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【詩】愛の水唄

【詩】愛の水唄


 「愛の水唄」

 太陽光の届く限界の水底で

 両肺いっぱい

 ピンク珊瑚を抱えていたい

 脇からこぼれる優しさが

 掻かれた皮膚ににじむ温度が

 泡と地熱に運び去られて

 ますます私をあたたかくする

 お返しの雨が降りしきる

 セイレーンの水かきの躍動

 清澄に沁みて沈んで

 撫でつけられた頬から

 流れ出てゆく五線譜の愛

2021/7/22追記
コチラの企画に参加させ

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