マガジンのカバー画像

RIPPLE〔詩〕

132
運営しているクリエイター

2020年3月の記事一覧

暗室に潜む【詩】

暗室に潜む【詩】

  黒曜石の乳房が睨んだ

  唐突に無数の手が伸び彼を囲んで

  思い思いに金粉を塗れば

  針葉樹を象った僕だけが取り残された

  あらゆる「触れられない」を集めて

  いちど限りの宵に酔うひと

  美しくない、などと云うのは誰か

  僕の声をした僕じゃない声

  閑寂の方に耳をすますと 壁が

  銀食器を敷き詰めた壁が闇に溶け出す

  床が迫り上がり 天井は墜ち

  両性

もっとみる
四行詩 23.

四行詩 23.

  ボクは朝の綻びだった 真昼の

  結び目のようなキミの背中に

  足を掛ける 金色に艶めく糸を想う

  布の日々よ 再会のショー 糸巻きの音