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RIPPLE〔詩〕

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2019年9月の記事一覧

秋に洗われた風が
身体を突き抜けていった
去った湿度をまた追いかけるのだろうか

行きつ戻りつの荒野に立ち尽くし
耳を澄まして
君の故郷を思い浮かべる

あてもないけれど
足を踏み出したその方向には
一秒先の風が待っている

君に抱かれに行く

生きている、生かされている、生かしている
誰かに会えば、別れれば、行き交ったなら
草はゆれ、雲はながれ、星はまたたき
思い出す、忘れる、思い出す、忘れる
刹那の明滅は絶え間なく永き…
忘れられない、忘れてるような、沈殿。
生きている、生かされている、生かしている
「生かしている」